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令和8年度の第一種電気工事士を独学で目指す方へ。
「第二種に合格したから、次は第一種に挑戦したい」「独学で第一種は難しい?」という疑問をお持ちではありませんか?
結論から言うと、第一種電気工事士は独学でも十分合格可能です。ただし、第二種とは出題範囲や難易度が異なるため、適切な対策が必要です。
この記事では、独学で第一種電気工事士に合格するための具体的な勉強法、おすすめテキスト、第二種との違いを詳しく解説します。
この記事でわかること
- 第一種電気工事士と第二種の違い(試験範囲・難易度)
- 独学で合格するための勉強法と学習計画
- おすすめのテキストと問題集
- 高圧分野の効率的な攻略法
- 独学の注意点と対策
第一種電気工事士と第二種の違い
資格の違い|作業範囲が大きく異なる
第一種と第二種では、扱える電気工事の範囲が大きく異なります。
| 項目 | 第二種電気工事士 | 第一種電気工事士 |
|---|---|---|
| 作業範囲 | 600V以下の低圧 | 最大電力500kW未満 |
| 対象施設 | 一般住宅、小規模店舗 | ビル、工場、大規模施設 |
| 高圧設備 | 扱えない | 扱える |
| 実務経験 | 不要 | 免状交付に3年必要 |
| 定期講習 | 不要 | 5年ごとに必要 |
第一種のメリット
- 高圧設備を扱える(600V超〜最大500kW未満)
- ビルや工場など大規模な現場で働ける
- 求人数が増え、年収アップが期待できる
試験の違い|出題範囲が広くなる
| 項目 | 第二種 | 第一種 |
|---|---|---|
| 学科試験問題数 | 50問 | 50問 |
| 技能試験時間 | 40分 | 60分 |
| 出題範囲 | 低圧のみ | 低圧+高圧 |
| 高圧関連問題 | なし | 約3割 |
第一種では、第二種の範囲に加えて高圧受変電設備、高圧機器、シーケンス制御などが出題されます。
免状交付の違い|実務経験が必要
第一種電気工事士の大きな特徴は、免状交付に3年以上の実務経験が必要なことです。
実務経験の積み方
- 第二種電気工事士として低圧工事の実務経験を積む
- 認定電気工事従事者として自家用電気工作物の工事に従事する
- 電気主任技術者のもとで保安業務に従事する
試験に合格しても、実務経験がないと免状は交付されません。しかし、試験合格の有効期限はないため、先に合格しておくことは可能です。
独学で合格は可能か?
結論:十分可能です
第一種電気工事士は、以下の理由から独学での合格が十分可能です。
- 出題パターンが決まっている:過去問から類似問題が多く出題される
- 教材が充実:市販のテキスト・問題集が豊富
- 合格基準が60%:満点を取る必要がない
- 第二種の知識が活かせる:低圧分野は第二種と重複
独学のメリット・デメリット
| 項目 | 独学 | 講座受講 |
|---|---|---|
| 費用 | 低い(1万円以内) | 高い(5〜15万円) |
| 時間の自由度 | 高い | カリキュラムに縛られる |
| 質問・相談 | できない | できる |
| 高圧分野の理解 | 自力で習得 | 講師のサポートあり |
| 技能試験対策 | 自力で練習 | 添削・指導あり |
独学に向いている人
- 第二種電気工事士にすでに合格している人
- 電気の基礎知識がある人
- 自己管理ができる人
- まとまった学習時間を確保できる人
独学が難しい人
- 電気の基礎知識がゼロの人
- 高圧設備を見たことがない人
- 強制力がないと続けられない人
- 技能試験の練習環境がない人
独学の学習計画|3〜6ヶ月で合格を目指す
推奨学習期間
| 電気の知識 | 推奨学習期間 |
|---|---|
| 第二種合格者 | 3〜4ヶ月 |
| 電気の基礎あり | 4〜5ヶ月 |
| 初学者 | 5〜6ヶ月 |
学習スケジュール(第二種合格者・4ヶ月の場合)
1ヶ月目:基礎固め
- 高圧分野のテキストを通読
- 用語と基本概念を理解
- 毎日30分〜1時間
2ヶ月目:過去問演習(学科)
- 過去問5年分を1周
- 弱点分野を把握
- 毎日1時間
3ヶ月目:過去問反復+技能準備
- 過去問を2〜3周
- 正答率80%以上を目指す
- 技能試験の候補問題を確認
- 毎日1〜2時間
4ヶ月目:総仕上げ
- 苦手分野の重点対策
- 技能試験の練習開始
- 毎日1〜2時間
学科試験の勉強法|高圧分野を攻略する
出題分野と配点の目安
第一種電気工事士の学科試験は、以下の分野から出題されます。
| 分野 | 問題数目安 | 難易度 |
|---|---|---|
| 電気の基礎理論 | 5〜7問 | やや難 |
| 配電理論・配線設計 | 5〜7問 | 普通 |
| 電気応用 | 3〜5問 | 普通 |
| 電気機器・高圧受変電設備 | 10〜12問 | 難 |
| 電気工事の施工方法 | 8〜10問 | 普通 |
| 自家用電気工作物の検査方法 | 3〜5問 | 普通 |
| 配線図 | 10問 | やや難 |
| 法令 | 3〜5問 | 普通 |
高圧分野の攻略法
高圧分野は第一種特有の出題で、多くの受験者が苦手とします。効率的な攻略法を紹介します。
ステップ1:用語を覚える
まず、高圧設備に関する用語を覚えましょう。
ステップ2:単線結線図を理解する
高圧受変電設備の単線結線図は必ず出題されます。各機器の役割と接続順序を理解しましょう。
高圧引込〜低圧配電の流れ
- PAS(高圧気中開閉器):受電点の開閉
- DS(断路器):無負荷時の開閉
- VCB(真空遮断器):負荷時の開閉、保護
- 変圧器:高圧→低圧に変換
- 低圧配電盤:低圧電力の分配
ステップ3:過去問で出題パターンを把握
高圧分野の出題パターンは限られています。過去問を繰り返すことで、よく出る問題を確実に解けるようにしましょう。
配線図問題の攻略法
配線図問題は10問出題され、配点が高いため確実に得点したい分野です。
ポイント
- 高圧受変電設備の図記号を覚える
- 単線結線図の読み方を理解する
- 施工方法と使用材料の関係を把握する
計算問題の攻略法
計算問題は苦手な人が多いですが、出題パターンが決まっているため対策しやすいです。
よく出る計算
- オームの法則(V=IR)
- 電力の計算(P=VI)
- 力率の計算
- 変圧器の計算
- 短絡電流の計算
攻略のコツ
- 公式を暗記する
- 過去問の計算問題を繰り返す
- 電卓の使い方に慣れる(試験では持込可)
技能試験の勉強法|60分を攻略する
第一種技能試験の特徴
| 項目 | 第二種 | 第一種 |
|---|---|---|
| 試験時間 | 40分 | 60分 |
| 課題の複雑さ | 基本的 | やや複雑 |
| 高圧機器 | なし | あり(KIP電線など) |
| 候補問題数 | 13問 | 10問 |
技能試験の対策スケジュール
学科試験合格後〜技能試験まで(約2ヶ月)
| 期間 | 内容 |
|---|---|
| 1〜2週目 | 工具の使い方、基本作業の練習 |
| 3〜4週目 | 候補問題を各1回ずつ練習 |
| 5〜6週目 | 苦手な問題を重点練習 |
| 7〜8週目 | 時間を計って総仕上げ |
技能試験で必要な工具
以下の工具は必ず揃えましょう。
| 工具 | 用途 |
|---|---|
| 電工ナイフまたはケーブルストリッパー | 被覆剥ぎ |
| ペンチ | 電線の切断、曲げ |
| ドライバー(+−) | ねじ締め |
| 圧着工具 | リングスリーブの圧着 |
| スケール | 電線の長さ計測 |
| ウォーターポンププライヤー | ロックナット締め |
高圧ケーブル(KIP)の処理
第一種ではKIPケーブル(高圧絶縁電線)の処理が出題される可能性があります。
KIPケーブルの被覆剥ぎ
- 外装シースを剥ぐ
- 絶縁体を剥ぐ
- 端末処理を行う
通常のVVFケーブルとは処理方法が異なるため、事前に練習しておきましょう。
おすすめのテキスト・問題集
学科試験対策
1. ぜんぶ絵で見て覚える第1種電気工事士筆記試験すい〜っと合格(オーム社)
- イラストが豊富でわかりやすい
- 初学者から第二種合格者まで対応
- 高圧分野の解説が充実
2. 第一種電気工事士筆記試験完全解答(電気書院)
- 過去問10年分を収録
- 詳しい解説付き
- 出題傾向の分析あり
3. 第一種電気工事士筆記試験模範解答集(電気書院)
- 最新の過去問を収録
- 分野別の正答率がわかる
技能試験対策
1. ぜんぶ絵で見て覚える第1種電気工事士技能試験すい〜っと合格(オーム社)
- 候補問題すべての作業手順を解説
- 写真とイラストでわかりやすい
2. 第一種電気工事士技能試験公表問題の合格解答(オーム社)
- 公表候補問題の詳細な解説
- 複線図の書き方から施工まで
おすすめの学習ツール
YouTube動画
- HOZANの公式チャンネル
- 技能試験の作業手順を動画で確認
スマホアプリ
- 電気工事士の過去問アプリ
- スキマ時間に学習可能
令和8年度試験情報
試験日程
令和8年度の第一種電気工事士試験の日程は以下の通りです。
上期試験
- 学科試験(CBT方式のみ):2026年4月1日(水)〜5月8日(金)
- 技能試験:2026年7月4日(土)
下期試験
- 学科試験(CBT方式):2026年9月11日(金)〜10月18日(日)
- 学科試験(筆記方式):2026年10月4日(日)
- 技能試験:2026年11月21日(土)
CBT方式について
令和8年度から、上期学科試験はCBT方式のみでの実施となります。
CBT方式の特徴
- パソコンで回答
- 試験会場と日時を選べる
- 結果がすぐにわかる
CBT方式に慣れるため、公式サイトの体験版で操作を確認しておきましょう。
独学の注意点と対策
注意点1:高圧分野の理解に時間がかかる
高圧設備は普段目にする機会が少ないため、イメージがつかみにくいです。
対策
- 動画教材で実際の設備を見る
- テキストの図解を何度も見直す
- 可能であれば、現場見学をする
注意点2:技能試験の練習環境
技能試験の練習には、材料と工具が必要です。
対策
- 候補問題練習用のセットを購入する(約2〜3万円)
- 工具セットを購入する(約1〜2万円)
- 配線を切らずに練習し、材料を節約する
注意点3:モチベーションの維持
独学は自己管理が必要なため、モチベーションが下がりやすいです。
対策
- 学習記録をつける
- SNSで学習仲間を見つける
- 合格後のメリットを具体的にイメージする
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まとめ
第一種電気工事士は、独学でも十分合格可能な資格です。ただし、第二種より出題範囲が広く、高圧分野の理解が必要です。
この記事のポイント
- 第二種との違い:高圧設備を扱える、実務経験3年が必要
- 学習期間:第二種合格者なら3〜4ヶ月が目安
- 高圧分野の攻略:用語→単線結線図→過去問の順で学習
- 技能試験:候補問題を最低2周は練習
- 令和8年度:上期学科はCBT方式のみ
第一種電気工事士に合格すれば、電気工事士としてのキャリアの幅が大きく広がります。
令和8年度の試験に向けて、今日から学習を始めましょう。
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監修・執筆
sekocan 編集部
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