目次
令和8年度の第一種電気工事士 筆記試験(学科試験)を受験予定の方へ。
「筆記試験の出題範囲は?」「合格基準は何点?」「CBT方式って何?」という疑問をお持ちではありませんか?
この記事では、第一種電気工事士の筆記試験(学科試験)について、出題範囲、合格基準、効果的な対策法まで詳しく解説します。
この記事でわかること
- 第一種電気工事士 筆記試験の基本情報
- 令和8年度の試験日程とCBT方式の詳細
- 出題範囲と分野別の問題数
- 合格基準点と近年の合格率
- 分野別の効果的な対策法
- 試験当日の注意点
第一種電気工事士 筆記試験の基本情報
試験概要
第一種電気工事士の筆記試験(正式名称:学科試験)は、以下の形式で実施されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験形式 | 四肢択一(マークシートまたはCBT) |
| 問題数 | 50問 |
| 試験時間 | 140分(2時間20分) |
| 合格基準 | 60%以上(30問以上正解) |
| 持込み | 電卓のみ可(関数電卓は不可) |
第二種との違い
| 項目 | 第二種 | 第一種 |
|---|---|---|
| 問題数 | 50問 | 50問 |
| 試験時間 | 120分 | 140分 |
| 出題範囲 | 低圧のみ | 低圧+高圧 |
| 高圧関連問題 | なし | 約15〜20問 |
| 計算問題の難易度 | 基本的 | やや難しい |
第一種は試験時間が20分長いですが、出題範囲が広く、高圧分野の問題が追加されるため、しっかりとした対策が必要です。
令和8年度の試験日程
上期試験
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 申込期間 | 2026年2月〜3月(予定) |
| 学科試験(CBT方式のみ) | 2026年4月1日(水)〜5月8日(金) |
| 技能試験 | 2026年7月4日(土) |
重要:令和8年度の上期学科試験は、CBT方式のみでの実施となります。筆記方式は実施されません。
下期試験
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 申込期間 | 2026年7月〜8月(予定) |
| 学科試験(CBT方式) | 2026年9月11日(金)〜10月18日(日) |
| 学科試験(筆記方式) | 2026年10月4日(日) |
| 技能試験 | 2026年11月21日(土) |
下期試験は、CBT方式と筆記方式から選択できます。
CBT方式とは
CBT(Computer Based Testing)方式は、パソコンを使って受験する試験形式です。
CBT方式のメリット
- 試験会場と日時を自分で選べる
- 期間内であれば好きな日に受験できる
- 結果がすぐにわかる
CBT方式の注意点
- パソコン操作に慣れておく必要がある
- 紙にメモを取る方法が異なる
- 会場によってはキーボードやマウスの使い勝手が異なる
事前準備 電気技術者試験センターの公式サイトで、CBTの体験版が公開されています。本番前に必ず操作を確認しておきましょう。
出題範囲と分野別の問題数
出題範囲一覧
第一種電気工事士の学科試験は、以下の範囲から出題されます。
| 分野 | 問題数目安 | 第二種との比較 |
|---|---|---|
| 電気の基礎理論 | 5〜7問 | やや難しい |
| 配電理論・配線設計 | 5〜7問 | やや難しい |
| 電気応用 | 3〜5問 | 同程度 |
| 電気機器・高圧受変電設備 | 10〜12問 | 第一種特有 |
| 電気工事の施工方法 | 8〜10問 | 高圧が追加 |
| 自家用電気工作物の検査方法 | 3〜5問 | 第一種特有 |
| 配線図 | 10問 | 高圧が追加 |
| 法令 | 3〜5問 | やや範囲広い |
電気の基礎理論(5〜7問)
電気の基本的な法則や計算問題が出題されます。
主な出題内容
ポイント 公式を正確に覚え、計算練習を繰り返すことが重要です。電卓の持込みが可能なので、電卓の使い方にも慣れておきましょう。
配電理論・配線設計(5〜7問)
配電系統の理論と、配線設計に関する問題が出題されます。
主な出題内容
- 電圧降下の計算
- 電力損失の計算
- 分岐回路の設計
- 幹線の設計
- 需要率・負荷率の計算
ポイント 計算問題が中心ですが、公式を覚えていれば解ける問題が多いです。
電気応用(3〜5問)
電気の応用分野に関する問題が出題されます。
主な出題内容
- 照明(光束、照度、光度)
- 電熱(ヒータの計算)
- 電動機(出力、効率)
- 電気化学(蓄電池)
ポイント 計算問題と知識問題の両方が出題されます。照明計算は頻出です。
電気機器・高圧受変電設備(10〜12問)
第一種電気工事士の特徴的な分野です。高圧設備に関する知識が問われます。
主な出題内容
- 変圧器の原理と構造
- 高圧開閉器(PAS、VCB、LBS)
- 保護継電器(OCR、OVGR、DGR)
- 計器用変成器(CT、VT、ZCT)
- コンデンサ(進相コンデンサ)
- シーケンス制御
ポイント
- 各機器の名称、記号、役割を正確に覚える
- 単線結線図を読めるようになる
- 保護継電器の動作原理を理解する
電気工事の施工方法(8〜10問)
電気工事の施工方法に関する問題が出題されます。
主な出題内容
ポイント 第二種の知識に加えて、高圧ケーブルの施工方法を学ぶ必要があります。
自家用電気工作物の検査方法(3〜5問)
自家用電気工作物(高圧設備)の検査に関する問題が出題されます。
主な出題内容
ポイント 検査の種類、使用する計器、判定基準を覚えましょう。
配線図(10問)
配線図を見て、機器の名称や施工方法を答える問題が出題されます。
主な出題内容
- 図記号の名称と用途
- 電線の種類と太さ
- 工事方法の選定
- 材料の数量計算
- 高圧受変電設備の単線結線図
ポイント 高圧の図記号は第二種にはないものが多いため、重点的に覚えましょう。
法令(3〜5問)
電気工事に関する法令が出題されます。
主な出題内容
- 電気事業法
- 電気工事士法
- 電気工事業の業務の適正化に関する法律
- 電気設備に関する技術基準
ポイント 数字(◯kW以上、◯年以内など)を正確に覚えることが重要です。
合格基準と近年の合格率
合格基準
学科試験の合格基準は、**50問中30問以上正解(60%以上)**です。
ただし、過去には合格基準点が調整されたこともあります(難易度により28〜32問程度)。基本的には60%を目指しましょう。
近年の合格率
| 年度 | 上期 | 下期 |
|---|---|---|
| 令和7年度(2025年)※ | 約55% | 発表前 |
| 令和6年度(2024年) | 約50% | 約48% |
| 令和5年度(2023年) | 約54% | 約52% |
| 令和4年度(2022年) | 約58% | 約53% |
※令和7年度のデータはAIによる推定値を含みます。正確な数値は一般財団法人 全国建設研修センターの公式発表をご確認ください。 第一種の学科試験合格率は、**約50〜55%**で推移しています。
注意点 第一種の受験者は、多くが第二種合格者であるため、母集団のレベルが高いです。合格率だけを見て「第二種と同じ難易度」と考えるのは危険です。
分野別の効果的な対策法
優先順位をつけて学習する
限られた時間で効率的に学習するために、優先順位をつけましょう。
優先度:高(確実に得点したい)
- 電気機器・高圧受変電設備(10〜12問)
- 配線図(10問)
- 電気工事の施工方法(8〜10問)
優先度:中(しっかり対策する)
- 電気の基礎理論(5〜7問)
- 配電理論・配線設計(5〜7問)
- 法令(3〜5問)
優先度:低(余裕があれば対策)
- 電気応用(3〜5問)
- 自家用電気工作物の検査方法(3〜5問)
高圧受変電設備の対策
高圧分野は最も重要な対策ポイントです。以下の順で学習しましょう。
ステップ1:用語と記号を覚える
| 機器 | 略号 | 役割 |
|---|---|---|
| 高圧気中開閉器 | PAS | 受電点の開閉 |
| 真空遮断器 | VCB | 負荷電流・事故電流の遮断 |
| 断路器 | DS | 無負荷時の開閉 |
| 負荷開閉器 | LBS | 負荷電流の開閉 |
| 変流器 | CT | 電流の計測 |
| 計器用変圧器 | VT | 電圧の計測 |
| 零相変流器 | ZCT | 地絡電流の検出 |
ステップ2:単線結線図を理解する
高圧引込から低圧配電までの流れを理解しましょう。
基本的な構成(引込口から順に)
- PAS(高圧気中開閉器)
- DS(断路器)
- VCT(計器用変圧変流器)
- VCB(真空遮断器)
- 変圧器
- 低圧配電盤
ステップ3:保護継電器を覚える
| 継電器 | 略号 | 保護対象 |
|---|---|---|
| 過電流継電器 | OCR | 過電流・短絡 |
| 地絡過電圧継電器 | OVGR | 地絡 |
| 地絡方向継電器 | DGR | 地絡(方向判別) |
| 過電圧継電器 | OVR | 過電圧 |
| 不足電圧継電器 | UVR | 不足電圧 |
計算問題の対策
計算問題は苦手意識を持つ人が多いですが、公式を覚えて繰り返し練習すれば確実に得点できます。
よく出る公式
| 公式 | 用途 |
|---|---|
| V = IR | オームの法則 |
| P = VI = I²R = V²/R | 電力 |
| W = Pt | 電力量 |
| cosθ = P/S | 力率 |
| E = E₁/√3(Y結線) | 相電圧 |
対策のコツ
- 公式カードを作って暗記
- 毎日1〜2問は計算問題を解く
- 電卓の操作に慣れる
配線図問題の対策
配線図問題は、高圧と低圧の両方が出題されます。
高圧の図記号(優先的に覚える)
| 記号 | 名称 |
|---|---|
| PAS | 高圧気中開閉器 |
| VCB | 真空遮断器 |
| DS | 断路器 |
| CT | 変流器 |
| VT | 計器用変圧器 |
| TR | 変圧器 |
| SC | 進相コンデンサ |
対策のコツ
- 図記号カードを作って毎日確認
- 過去問の配線図を繰り返し解く
- 単線結線図を自分で描いてみる
試験当日の注意点
持ち物チェックリスト
□ 受験票(写真貼付済み) □ 筆記用具(HBの鉛筆またはシャープペンシル) □ 消しゴム □ 電卓(関数電卓は不可) □ 時計(通信機能のないもの) □ 身分証明書(CBTの場合)
時間配分の目安
| 問題 | 時間目安 | 累計 |
|---|---|---|
| 1〜20問(基礎理論・計算) | 50分 | 50分 |
| 21〜40問(機器・施工) | 40分 | 90分 |
| 41〜50問(配線図) | 30分 | 120分 |
| 見直し | 20分 | 140分 |
CBT方式での注意点
- メモ用紙は試験会場で配布される
- 計算式や図はメモ用紙に書く
- 問題にマーク(後で見直し)をつけられる
- 残り時間は画面に表示される
あわせて読みたい
まとめ
第一種電気工事士の筆記試験(学科試験)は、60%以上の正答率で合格できます。高圧分野を中心にしっかり対策すれば、独学でも十分合格可能です。
この記事のポイント
- 試験形式:50問/140分、60%以上で合格
- 令和8年度上期:CBT方式のみで実施
- 重点分野:高圧受変電設備、配線図
- 合格率:約50〜55%(母集団レベルは高い)
- 対策の基本:過去問5年分を3周
令和8年度の試験に向けて、計画的に学習を進めましょう。
関連記事
関連する資格ページ
監修・執筆
sekocan 編集部
施工管理技士の資格取得支援に特化した学習プラットフォーム。現役の施工管理技士や建設業界の専門家が監修した正確で実践的な情報を提供しています。