目次
令和8年度の第一種電気工事士 技能試験を受験予定の方へ。
「技能試験の対策は何をすればいい?」「高圧ケーブルの処理が不安」「60分で完成させる自信がない」という悩みをお持ちではありませんか?
第一種電気工事士の技能試験は、第二種より試験時間が長く(60分)、高圧部分の施工が加わります。しっかりと対策すれば、確実に合格できる試験です。
この記事では、技能試験の全体像、候補問題の対策法、高圧ケーブルの処理方法、時間配分のコツまで詳しく解説します。
この記事でわかること
- 第一種電気工事士 技能試験の基本情報
- 令和8年度の試験日程と候補問題
- 第二種との違いと対策ポイント
- 高圧ケーブル(KIP)の処理方法
- 必要な工具と材料
- 60分で完成させる時間配分
第一種電気工事士 技能試験の基本情報
試験概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 60分 |
| 候補問題数 | 10問(公表) |
| 出題数 | 1問 |
| 合格基準 | 欠陥がないこと |
| 持込み | 指定工具のみ |
第二種との比較
| 項目 | 第二種 | 第一種 |
|---|---|---|
| 試験時間 | 40分 | 60分 |
| 候補問題数 | 13問 | 10問 |
| 課題の複雑さ | 基本的 | やや複雑 |
| 高圧部分 | なし | あり |
| 使用ケーブル | VVF中心 | VVF+高圧ケーブル |
第一種は試験時間が20分長いですが、作業量も多くなります。時間に余裕があるわけではありません。
合格基準
技能試験は欠陥がなければ合格です。点数制ではなく、1つでも欠陥があると不合格になります。
主な欠陥の例
- 未完成(施工が完了していない)
- 電線の接続不良
- 器具への接続不良
- 配線の誤り
- 寸法の大きな誤差
- 傷がある(電線、被覆)
令和8年度の試験日程
上期試験
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 学科試験 | 2026年4月1日〜5月8日(CBT) |
| 技能試験 | 2026年7月4日(土) |
下期試験
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 学科試験 | 2026年9月11日〜10月18日(CBT)/10月4日(筆記) |
| 技能試験 | 2026年11月21日(土) |
候補問題の概要
候補問題とは
技能試験の問題は、試験前に10問の候補問題として公表されます。本番では、この10問の中から1問が出題されます。
候補問題は、例年1月〜2月頃に電気技術者試験センターの公式サイトで公表されます。
候補問題の構成
第一種電気工事士の候補問題は、以下のような構成になっています。
共通して含まれる要素
- 低圧部分(VVFケーブル配線、器具接続)
- 高圧部分(高圧ケーブル端末処理など)
- ジョイントボックス内の接続
- 各種器具への接続
問題によって異なる要素
- 3路スイッチ、4路スイッチの有無
- 自動点滅器の有無
- タイムスイッチの有無
- 電磁開閉器(マグネットスイッチ)の有無
候補問題の対策スケジュール
学科試験合格後から技能試験までは、約2ヶ月あります。
推奨スケジュール
| 期間 | 内容 |
|---|---|
| 1〜2週目 | 工具の使い方確認、基本作業の練習 |
| 3〜4週目 | 候補問題を各1回ずつ練習 |
| 5〜6週目 | 苦手な問題を重点練習 |
| 7〜8週目 | 時間を計って総仕上げ |
高圧ケーブル(KIP)の処理方法
KIPケーブルとは
KIP(Kコンパウンド絶縁耐熱ポリエチレンシース)ケーブルは、高圧絶縁電線の一種です。第一種技能試験では、このKIPケーブルの端末処理が出題されます。
KIPケーブルの特徴
- 外装:黒色のポリエチレンシース
- 絶縁体:架橋ポリエチレン
- 導体:銅(より線)
- 用途:高圧屋内配線
KIPケーブルの被覆剥ぎ手順
第一種技能試験で最も重要な作業の一つが、KIPケーブルの被覆剥ぎです。
ステップ1:外装シースを剥ぐ
- 電工ナイフで外装シースに切れ目を入れる
- 切れ目の位置は、施工条件で指定された寸法に従う
- シースを引き抜いて除去
注意点
- 電工ナイフは押し切りではなく、引き切りで使う
- 内部の絶縁体を傷つけないように注意
- 寸法は正確に測る
ステップ2:絶縁体を剥ぐ
- 電工ナイフで絶縁体に切れ目を入れる
- 絶縁体をねじりながら引き抜く
- 導体(より線)を露出させる
注意点
- より線を傷つけないように注意
- 剥ぎ残しがないようにきれいに剥ぐ
ステップ3:端末処理
- 導体を指定の長さに切断
- 圧着端子を取り付ける(問題による)
- 絶縁テープで処理する(問題による)
KIPケーブル処理の練習ポイント
よくある失敗
- 外装シースを剥ぐ際に絶縁体を傷つける
- 寸法が正確でない
- より線がほつれる
- 端末処理が不完全
対策
- 電工ナイフの使い方を何度も練習
- 寸法を測る癖をつける
- より線は剥いだ後すぐにまとめる
低圧部分の施工
基本作業(第二種と共通)
低圧部分の基本作業は、第二種電気工事士と共通です。
VVFケーブルの被覆剥ぎ
- ケーブルストリッパーまたは電工ナイフを使用
- 外装シース、絶縁被覆の順に剥ぐ
- 寸法は器具に合わせる
器具への接続
- スイッチ、コンセント、ランプレセプタクルなど
- 差込形接続と端子台接続がある
ジョイントボックス内の接続
- リングスリーブによる圧着接続
- 差込形コネクタによる接続
第一種特有の作業
第一種では、以下の作業が追加されます。
電磁開閉器(マグネットスイッチ)への接続
- 制御回路と主回路の接続
- 端子の配列を確認
タイムスイッチへの接続
- 電源端子と負荷端子の接続
- 接点の役割を理解
3路・4路スイッチの配線
- 第二種でも出題されるが、第一種ではより複雑な場合がある
必要な工具
指定工具(必ず持参)
以下の工具は試験に必ず持参しましょう。
| 工具 | 用途 |
|---|---|
| 電工ナイフ | ケーブルの被覆剥ぎ |
| ペンチ | 電線の切断、曲げ |
| プラスドライバー | ねじ締め |
| マイナスドライバー | ねじ締め、端子操作 |
| 圧着工具(リングスリーブ用) | 電線の圧着 |
| スケール(ものさし) | 寸法測定 |
| ウォーターポンププライヤー | ロックナット締め |
あると便利な工具
以下の工具は必須ではありませんが、あると作業効率が上がります。
| 工具 | 用途 |
|---|---|
| ケーブルストリッパー | VVFの被覆剥ぎを効率化 |
| ワイヤーストリッパー | IV線の被覆剥ぎを効率化 |
| 圧着工具(裸圧着端子用) | 高圧ケーブル用 |
工具セットの購入
技能試験用の工具セットが各メーカーから販売されています。
おすすめの工具セット
- HOZAN 電気工事士技能試験工具セット
- DENSAN 電工プロセット
セット購入のメリット
- 必要な工具が揃っている
- 品質が保証されている
- 個別購入より安い場合がある
練習用材料の準備
必要な材料
技能試験の練習には、以下の材料が必要です。
電線・ケーブル類
- VVF 1.6mm×2芯
- VVF 1.6mm×3芯
- VVF 2.0mm×2芯
- VVF 2.0mm×3芯
- IV線 1.6mm
- IV線 2.0mm
- KIPケーブル(高圧絶縁電線)
器具類
- 埋込連用取付枠
- スイッチ(片切、3路、4路)
- コンセント
- ランプレセプタクル
- 引掛シーリング
- 端子台
- 電磁開閉器
- タイムスイッチ
接続材料
- リングスリーブ(小、中、大)
- 差込形コネクタ
- 絶縁テープ
練習用セットの購入
候補問題の練習用に、材料セットが販売されています。
1回練習用セット
- 候補問題10問×1回分の材料
- 価格:約15,000〜20,000円
2回練習用セット
- 候補問題10問×2回分の材料
- 価格:約25,000〜30,000円
注意点
- KIPケーブルは高価なため、丁寧に扱う
- 切断した電線は短くても練習に再利用する
60分で完成させる時間配分
推奨時間配分
| 作業 | 時間目安 | 累計 |
|---|---|---|
| 施工条件の確認、複線図作成 | 5〜7分 | 7分 |
| 高圧部分の施工 | 10〜15分 | 22分 |
| ケーブル切断、被覆剥ぎ | 10〜12分 | 34分 |
| 器具への接続 | 10〜12分 | 46分 |
| ジョイントボックス内の接続 | 8〜10分 | 56分 |
| 最終確認、手直し | 4〜5分 | 60分 |
時間短縮のコツ
1. 複線図は素早く正確に
- 複線図の練習を重ね、5分以内で描けるようにする
- 描き方の手順を固定する
2. 高圧部分を先に施工
- KIPケーブルの処理は時間がかかるため、最初に行う
- 失敗しても時間的余裕がある
3. ケーブルはまとめて切断
- 複線図を見ながら、必要なケーブルをすべて切り出す
- 被覆剥ぎもまとめて行う
4. 器具への接続は効率よく
- 同じ種類の器具は連続して作業
- 器具の向きや端子の位置を確認してから接続
5. 最終確認は必ず行う
- 欠陥1つで不合格になるため、確認は省略しない
- チェックリストを使って確認
よくある欠陥と対策
未完成
原因
- 時間配分のミス
- 作業手順の間違い
対策
- 練習時に時間を計り、本番を想定する
- 作業手順を固定する
電線の接続不良
原因
- リングスリーブの圧着不良
- 差込形コネクタの接続不良
対策
- 圧着は「小」「中」の刻印を確認
- 差込形コネクタは奥まで差し込む
器具への接続不良
原因
- 心線の露出過多または不足
- ねじの締め付け不足
対策
- 各器具に合わせた心線の長さを覚える
- ねじは確実に締める
配線の誤り
原因
- 複線図の間違い
- 電線の色の間違い
対策
- 複線図を正確に描く
- 施工条件の色指定を必ず確認
寸法の誤差
原因
- 計測ミス
- 切断位置のずれ
対策
- スケールで正確に測る
- 許容範囲を把握しておく(±50%程度)
傷
原因
- 電工ナイフの使い方の問題
- 被覆を剥ぐ際の失敗
対策
- 電工ナイフは引き切りで使う
- 力加減を練習で習得する
試験当日の流れ
試験前
- 工具の点検(欠けや故障がないか)
- 会場への到着(遅刻厳禁)
- 受験票と身分証明書の確認
- 工具の配置
試験中
- 問題用紙と材料の確認
- 施工条件の確認
- 複線図の作成
- 施工(60分)
- 最終確認
試験後
- 工具の片付け
- 完成品の確認(触らない)
- 退室
まとめ
第一種電気工事士の技能試験は、高圧部分の施工が加わりますが、しっかり練習すれば確実に合格できます。
この記事のポイント
- 試験時間:60分(第二種より20分長い)
- 候補問題:10問から1問出題
- 高圧部分:KIPケーブルの処理が重要
- 合格基準:欠陥がないこと
- 練習量:各候補問題を最低2回は練習
特にKIPケーブルの被覆剥ぎは、第一種特有の作業です。繰り返し練習して、確実にできるようにしましょう。
令和8年度の技能試験に向けて、計画的に準備を進めてください。
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sekocan 編集部
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