目次
令和8年度の第二種電気工事士技能試験を受験予定の方へ。
「複線図がうまく書けない」「何から手をつければいいかわからない」という悩みをお持ちではありませんか?
複線図は技能試験の合否を左右する最重要スキルです。本番では40分の制限時間内に、複線図を約5分で完成させ、残りの35分で施工を完了させる必要があります。
この記事では、初心者でも確実に5分で複線図が描けるようになる7ステップを、図解的な説明とともに詳しく解説します。
この記事でわかること
- 複線図とは何か、なぜ技能試験で必要なのか
- 5分で複線図を描く7ステップ(具体的な手順)
- 電線の色分けルール(白・黒・赤)
- 令和8年度候補問題への対応方法
- よくある間違いと防ぎ方
複線図とは何か?基礎知識を押さえよう
単線図と複線図の違い
技能試験では、問題用紙に単線図(たんせんず)が描かれています。単線図は電気回路を簡略化して、配線を1本の線で表したものです。
一方、複線図(ふくせんず)は、実際に使用する電線の本数で表した配線図です。電気工事を正確に行うためには、この複線図が必要になります。
単線図と複線図の違い
| 項目 | 単線図 | 複線図 |
|---|---|---|
| 表記方法 | 1本の線で表示 | 実際の電線本数で表示 |
| 用途 | 設計図面、概要把握 | 実際の施工作業 |
| 情報量 | 簡略化されている | 接続先が明確 |
なぜ複線図が技能試験で必要なのか
技能試験では、単線図をもとに実際の配線作業を行います。しかし、単線図だけでは以下の情報がわかりません。
- どの電線を何本使うか
- 電線の色は何色を使うか
- どこをどう接続するか
複線図を正確に描けないと、接続ミスを起こして一発不合格になる可能性があります。
技能試験における時間配分
技能試験の制限時間は40分です。推奨される時間配分は以下の通りです。
| 作業内容 | 時間目安 |
|---|---|
| 複線図作成 | 約5分 |
| 器具への電線接続 | 約10分 |
| ジョイントボックス内の接続 | 約15分 |
| 最終確認・手直し | 約10分 |
複線図を5分以内で描き終えることが、合格への第一歩です。
電線の色分けルール|これだけは絶対覚える
複線図を描く前に、電線の色分けルールを完璧に覚えましょう。これを間違えると即不合格です。
基本の色分けルール
| 電線の役割 | 色 | 接続先 |
|---|---|---|
| 接地側電線(N) | 白 | 負荷(照明・コンセント)、電源のN側 |
| 非接地側電線(L) | 黒 | スイッチ、コンセント、電源のL側 |
| スイッチと負荷をつなぐ線 | 指定なし | 施工条件による(赤が多い) |
覚え方のコツ
「白は負荷へ直行、黒はスイッチ経由」
- 白線:電源のN(接地側)から、照明やコンセントに直接つなぐ
- 黒線:電源のL(非接地側)から、スイッチを経由して負荷につなぐ
3心ケーブル(VVF 1.6-3C)の色分け
3心ケーブルを使う場合、白・黒・赤の3色があります。
| 色 | 主な用途 |
|---|---|
| 白 | 接地側(N)専用 |
| 黒 | 非接地側(L)専用 |
| 赤 | スイッチ〜負荷間、渡り線など |
重要:白線は必ず接地側に使用します。白線を非接地側に使うと即不合格です。
複線図の書き方7ステップ|これで5分で描ける
ここからは、実際に複線図を描く手順を7ステップで解説します。この順番を守れば、どんな問題でも確実に複線図が描けます。
ステップ1:器具を配置する(30秒)
まず、単線図に描かれている器具を複線図用の解答用紙(または問題用紙の余白)に配置します。
配置するもの
- 電源(○の中に〜を描く)
- スイッチ(○にSを描く)
- 照明・負荷(○にLやランプマークを描く)
- コンセント(○にCを描く)
- ジョイントボックス(□で囲む)
ポイント:単線図と同じ位置関係で配置すると、ミスを防げます。
ステップ2:電源から接地側(白線)を負荷・コンセントへ引く(45秒)
電源のN側(接地側)から、すべての負荷とコンセントに白線を引きます。
手順
- 電源の接地側に「N」と書く
- 電源Nから、照明(負荷)の片側に白線を引く
- 電源Nから、コンセントの片側(W側)に白線を引く
重要ポイント
- スイッチには白線を引かない
- 負荷が複数あっても、すべてに白線を引く
- この時点で「白線は負荷へ直行」と確認
ステップ3:電源から非接地側(黒線)をスイッチ・コンセントへ引く(45秒)
電源のL側(非接地側)から、すべてのスイッチとコンセントに黒線を引きます。
手順
- 電源の非接地側に「L」と書く
- 電源Lから、各スイッチの片側に黒線を引く
- 電源Lから、コンセントの片側(L側)に黒線を引く
重要ポイント
- 照明などの負荷には、この段階では黒線を引かない
- スイッチが複数ある場合は、すべてに黒線を引く
- 「黒線はスイッチへ」と確認
ステップ4:スイッチと対応する負荷をつなぐ(1分)
次に、各スイッチと、そのスイッチで操作する負荷を線でつなぎます。
手順
- スイッチと対応する負荷を確認(単線図の記号を確認)
- スイッチの残り端子から、負荷の残り端子に線を引く
- 電線の色は施工条件を確認(通常は赤、または指定なし)
対応関係の確認方法
- 単線図で「イ」「ロ」「ハ」などの記号で対応を示している
- スイッチ「イ」は照明「イ」を操作する
ステップ5:渡り線が必要な場合は追記(30秒)
複数のスイッチが並んでいる場合や、3路スイッチがある場合は渡り線が必要です。
渡り線が必要なケース
- 連用取付枠に複数のスイッチがある場合
- 3路スイッチの回路
- パイロットランプとスイッチの組み合わせ
渡り線の色
- 通常は黒線(非接地側の延長として)
- 施工条件で指定がある場合はそれに従う
ステップ6:接続点をマークする(30秒)
ジョイントボックス内で電線を接続する箇所に、黒丸(●)をつけてマークします。
手順
- 電線が交わる箇所を確認
- 実際に接続する箇所に●をつける
- 単に交差するだけの箇所には●をつけない
ポイント:●の数がリングスリーブや差込形コネクタの数の目安になります。
ステップ7:最終確認(1分)
複線図が完成したら、以下の項目を確認します。
チェックリスト
□ 白線はすべての負荷・コンセントにつながっているか □ 黒線はすべてのスイッチ・コンセントにつながっているか □ スイッチと対応する負荷が正しくつながっているか □ 接続点(●)は正しい位置にマークされているか □ 電線の色指定は施工条件と一致しているか
候補問題別の複線図ポイント|令和8年度対応
令和8年度の技能試験は、公表された13問の候補問題から1問が出題されます。ここでは、特に注意が必要な問題タイプを解説します。
パターン1:3路スイッチを含む回路
3路スイッチは、2か所から1つの照明をON/OFFできる回路です。
複線図のポイント
- 3路スイッチには端子が3つある(0番、1番、3番)
- 0番同士は黒線でつなぐ
- 1番と3番は渡り線でつなぐ(赤と白、または赤と黒)
- 片方の3路スイッチの0番から照明へつなぐ
パターン2:4路スイッチを含む回路
4路スイッチは、3か所以上から照明をON/OFFする場合に使います。
複線図のポイント
- 4路スイッチは3路スイッチの間に入れる
- 4路スイッチの端子は4つ
- 入力2本、出力2本を正しく接続
パターン3:パイロットランプを含む回路
パイロットランプには「常時点灯」「同時点滅」「異時点滅」の3種類があります。
常時点灯(電源表示)
- スイッチと並列に接続
- スイッチのON/OFFに関係なく常に点灯
同時点滅(確認表示)
- 照明と並列に接続
- 照明が点灯するとパイロットも点灯
異時点滅(位置表示)
- スイッチと直列に接続
- 照明が消灯しているときにパイロットが点灯
パターン4:EET(接地極付接地端子付コンセント)
EETは接地線(緑)の処理が必要です。
複線図のポイント
- 通常の黒・白に加えて、緑線を描く
- 緑線は接地端子に接続
- 接地線は他の電線と一緒にしない
よくある間違いと防ぎ方
間違い1:白線と黒線を逆に接続
原因:色分けルールの記憶があいまい
対策
- 「白は負荷へ直行、黒はスイッチ経由」を毎日10回唱える
- 複線図を描く前に、必ず色分けルールを頭の中で確認
間違い2:スイッチと負荷の対応を間違える
原因:単線図の記号(イ、ロ、ハ)の確認不足
対策
- 複線図を描く前に、対応関係を単線図に書き込む
- スイッチ「イ」→照明「イ」をペンで囲って確認
間違い3:施工条件の色指定を見落とす
原因:練習時と本番で施工条件が異なる場合がある
対策
- 試験開始後、真っ先に施工条件を読む
- 電線の色指定がある場合は、複線図にメモする
間違い4:渡り線を忘れる
原因:連用取付枠のスイッチ間の接続漏れ
対策
- スイッチが複数ある場合は、必ず渡り線をチェック
- 「スイッチ間の非接地側は渡り線でつなぐ」と確認
複線図の練習方法|合格者が実践した勉強法
練習量の目安
合格者の多くは、以下の練習量をこなしています。
| 練習内容 | 回数目安 |
|---|---|
| 各候補問題の複線図 | 最低3回ずつ |
| 苦手な問題の複線図 | 5回以上 |
| 時間を計っての練習 | 全問1回以上 |
効果的な練習手順
ステップ1:手順を見ながら描く(1週目)
- 7ステップの手順を見ながら、ゆっくり正確に描く
- 間違えたら原因を分析する
ステップ2:手順を見ずに描く(2週目)
- 手順を暗記して、見ずに描けるようにする
- 描き終わったら、手順と照らし合わせて確認
ステップ3:時間を計って描く(3週目以降)
- ストップウォッチで5分を計測
- 5分以内に描き終えることを目標にする
おすすめの教材
HOZANの「第二種電工試験の虎」
- 各候補問題の複線図の書き方を動画で解説
- 無料でアクセス可能
過去問題集
- 電気技術者試験センターで公開されている過去問を活用
- 実際の出題形式に慣れる
本番での注意点
試験開始直後にやること
- 施工条件を読む(特に電線の色指定を確認)
- 支給材料を確認(ケーブルの長さ、本数)
- 複線図を描く(5分以内を目標)
複線図を描く場所
問題用紙の余白、または解答用紙に描きます。複線図は採点対象外ですが、自分が見やすい場所に描きましょう。
複線図を描いた後の活用
- 施工中は常に複線図を見ながら作業する
- 接続が終わるごとに、複線図にチェックを入れる
- 最終確認でも複線図と照らし合わせる
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まとめ
第二種電気工事士の技能試験で合格するためには、複線図を正確かつ迅速に描けることが必須です。
この記事のポイント
- 色分けルール:白は負荷へ直行、黒はスイッチ経由
- 7ステップ:決まった手順を守れば、どんな問題も描ける
- 練習量:各候補問題を最低3回は練習する
- 本番:施工条件を必ず最初に確認する
複線図の書き方をマスターすれば、技能試験の半分は攻略したも同然です。
令和8年度の試験に向けて、今日から複線図の練習を始めましょう。継続的な練習が、合格への最短ルートです。
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監修・執筆
sekocan 編集部
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