目次
令和8年度の電気通信工事施工管理技士試験を受験予定の方へ。
「1級と2級、どちらを受験すべき?」「違いがよくわからない...」という悩みを抱えていませんか?
1級と2級では、担当できる工事の規模、就ける役職、受験資格、試験の難易度が大きく異なります。令和6年度から受験資格が大幅に緩和され、より取得しやすくなりました。
この記事では、1級と2級の違いを徹底的に比較し、あなたがどちらを目指すべきか具体的にアドバイスいたします。
この記事でわかること
- 1級と2級の担当できる工事規模・役職の違い
- 受験資格の違い(令和6年度改正対応)
- 試験内容と難易度の違い
- 年収・キャリアへの影響
- どちらを目指すべきかの判断基準
1級と2級の基本的な違い
資格の位置づけ
電気通信工事施工管理技士は、電気通信工事の施工管理を行うための国家資格です。2019年に新設された比較的新しい資格であり、5G・IoT時代の到来とともに需要が高まっています。
| 項目 | 1級 | 2級 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 上位資格 | 基礎資格 |
| 新設年 | 2019年 | 2019年 |
| 監督できる範囲 | すべての工事 | 一般建設業のみ |
| 取得者数 | 約15,000人 | 約20,000人 |
2019年に新設された資格のため、取得者数はまだ少なく、資格保有者の希少価値が高いのが特徴です。
担当できる工事規模の違い
1級と2級の最も大きな違いは、担当できる工事の規模です。
| 工事の種類 | 1級 | 2級 |
|---|---|---|
| 一般建設業 | ○ | ○ |
| 特定建設業 | ○ | × |
| 下請総額4,500万円以上 | ○ | × |
| 監理技術者が必要な工事 | ○ | × |
特定建設業とは
下請に出す工事の総額が4,500万円以上(建築一式工事の場合は7,000万円以上)となる工事を指します。
1級を取得すると、こうした大規模工事の監理技術者として配置されることができます。一方、2級は一般建設業(特定建設業未満の規模)の工事のみ担当可能です。
就ける役職の違い
資格の等級によって、現場で就ける役職が異なります。
| 役職 | 1級 | 2級 |
|---|---|---|
| 主任技術者 | ○ | ○ |
| 専任技術者 | ○ | ○ |
| 監理技術者 | ○ | × |
| 技士補(第一次検定合格) | 1級技士補 | 2級技士補 |
監理技術者とは
発注者から直接工事を請け負い、下請契約の総額が4,500万円以上となる場合に配置が義務付けられる技術者です。1級電気通信工事施工管理技士のみが監理技術者になれます。
技士補とは
第一次検定に合格すると付与される資格で、監理技術者の補佐として現場に配置できます。1級技士補は監理技術者の補佐が可能です。
受験資格の違い(令和6年度改正)
令和6年度からの新制度
令和6年度から受験資格が大幅に緩和されました。第一次検定は実務経験不要で受験できるようになっています。
| 検定 | 1級 | 2級 |
|---|---|---|
| 第一次検定 | 19歳以上 | 17歳以上 |
| 第二次検定 | 実務経験必要 | 実務経験必要 |
第一次検定の受験資格
1級 第一次検定
- 令和8年度中に満19歳以上となる者
- 学歴・実務経験は問わない
2級 第一次検定
- 令和8年度中に満17歳以上となる者
- 学歴・実務経験は問わない
第一次検定は年齢要件のみとなり、学生や異業種からの転職希望者でも受験しやすくなりました。
第二次検定の受験資格
第二次検定は、実務経験が必要です。令和6年度から令和10年度までは経過措置として、新受検資格と旧受検資格のどちらでも受検可能です。
1級 第二次検定(新受検資格)
| 区分 | 必要な実務経験 |
|---|---|
| 1級第一次検定合格後 | 5年以上 |
| 1級技士補で監理技術者補佐経験 | 1年以上 |
| 2級第二次検定合格後 | 3年以上 |
2級 第二次検定(新受検資格)
| 区分 | 必要な実務経験 |
|---|---|
| 2級第一次検定合格後 | 3年以上 |
受験ルートの選び方
最短ルートで1級を目指す場合
- 19歳で1級第一次検定を受験・合格(1級技士補取得)
- 監理技術者補佐として1年以上の実務経験
- 1級第二次検定を受験・合格
段階的に取得する場合
- 17歳で2級第一次検定を受験・合格(2級技士補取得)
- 実務経験3年で2級第二次検定を受験・合格
- その後3年の実務経験で1級第二次検定を受験・合格
試験内容と難易度の比較
試験形式の違い
| 項目 | 1級 | 2級 |
|---|---|---|
| 第一次検定 出題数 | 65問(60問解答) | 40問(40問解答) |
| 第一次検定 試験時間 | 午前2時間30分+午後2時間 | 2時間10分 |
| 第二次検定 形式 | 記述式 | 記述式 |
| 第二次検定 試験時間 | 2時間30分 | 2時間 |
1級は出題数が多く、試験時間も長くなっています。
合格率の比較
過去の合格率を比較すると、以下のような傾向があります。
| 検定 | 1級 | 2級 |
|---|---|---|
| 第一次検定 合格率 | 40〜60% | 60〜70% |
| 第二次検定 合格率 | 30〜50% | 30〜40% |
ポイント
- 1級第一次検定は2級より難しい(合格率10〜20%低い)
- 第二次検定の合格率は1級・2級でほぼ同程度
- どちらも第二次検定の方が難易度が高い
出題範囲の違い
第一次検定・第二次検定ともに、以下の分野から出題されます。
| 分野 | 1級 | 2級 |
|---|---|---|
| 電気通信工学 | ○(より高度) | ○ |
| 施工管理法 | ○(より高度) | ○ |
| 法規 | ○ | ○ |
| 関連分野 | ○ | ○ |
1級は2級よりも出題範囲が広く、より高度な内容が問われます。特に5G、IoT、光ファイバ技術など最新技術に関する出題が増えています。
年収・キャリアへの影響
平均年収の違い
電気通信工事施工管理の平均年収は約500〜650万円です。
| 等級 | 平均年収目安 |
|---|---|
| 2級保有者 | 450〜550万円 |
| 1級保有者 | 550〜700万円 |
| 1級+監理技術者経験者 | 650〜900万円 |
日本人の平均年収が約460万円であることを考えると、電気通信工事施工管理技士は平均以上の年収が期待できます。
資格手当の違い
多くの企業では、資格等級に応じた資格手当を支給しています。
| 等級 | 資格手当目安(月額) |
|---|---|
| 2級 | 5,000〜15,000円 |
| 1級 | 15,000〜30,000円 |
年間で換算すると、1級は2級より12〜18万円ほど収入が高くなる可能性があります。
キャリアへの影響
1級取得のキャリアメリット
- 監理技術者として大規模工事を担当できる
- 企業の技術力評価(経営事項審査)で高得点
- 転職市場での評価が高い
- 5G基地局工事など最新プロジェクトへの参画機会
2級取得のキャリアメリット
- 主任技術者・専任技術者として活躍できる
- 一般建設業の工事で即戦力になれる
- 1級へのステップアップの足がかり
- 電気通信工事の基礎的な管理能力の証明
求人市場での評価
転職市場において、1級電気通信工事施工管理技士の求人は増加傾向にあります。
1級保有者向け求人例
- 5G基地局工事の監理技術者:年収600〜900万円
- 大手通信会社の施工管理:年収550〜800万円
- ゼネコンの電気通信工事部門:年収500〜750万円
2019年に新設された資格のため、有資格者が少なく、企業からの需要が高い状況が続いています。
どちらを目指すべきか?判断基準
1級を目指すべき人
以下に当てはまる方は、1級の取得を目指すことをおすすめします。
1級がおすすめの人
- 大規模な電気通信工事に携わりたい
- 監理技術者として活躍したい
- 年収アップを目指している
- 転職・キャリアアップを考えている
- 5G・IoT分野で専門性を高めたい
- すでに2級を取得している
1級を目指すメリット
- 担当できる工事規模に制限がない
- 年収アップが期待できる
- 企業からの需要が高い
- 資格の希少価値が高い
2級から始めるべき人
以下に当てはまる方は、まず2級から取得することをおすすめします。
2級がおすすめの人
- 電気通信工事の実務経験がまだ少ない
- まずは基礎的な資格を取得したい
- 17〜18歳で早期に資格取得したい
- 一般建設業の工事を中心に携わる予定
2級から始めるメリット
- 試験難易度が比較的低い
- 17歳から受験できる
- 基礎知識を固めてから1級に挑戦できる
- 合格体験が自信につながる
1級・2級の併願は可能か
1級と2級は試験日が異なるため、同じ年度に両方受験することも可能です。
令和8年度の試験日程
| 等級 | 第一次検定 | 第二次検定 |
|---|---|---|
| 1級 | 9月7日(日) | 12月7日(日) |
| 2級 | 6月1日(日)※前期、11月16日(日)※後期 | 11月16日(日) |
ただし、学習範囲が重複するため、1級に集中して学習する方が効率的でございます。
令和8年度 試験日程まとめ
1級電気通信工事施工管理技士
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 申込書販売 | 令和8年4月9日 |
| 申込期間 | 令和8年5月7日〜5月21日 |
| 第一次検定 | 令和8年9月7日(日) |
| 第一次検定 合格発表 | 令和8年10月8日(木) |
| 第二次検定 | 令和8年12月7日(日) |
| 第二次検定 合格発表 | 令和9年3月3日(水) |
2級電気通信工事施工管理技士
| 項目 | 日程(前期) | 日程(後期) |
|---|---|---|
| 第一次検定 | 令和8年6月1日(日) | 令和8年11月16日(日) |
| 第二次検定 | − | 令和8年11月16日(日) |
FAQ:1級と2級の違いについて
Q1:2級を取得せずに、いきなり1級を受験できますか?
A:はい。令和6年度からの制度改正により、19歳以上であれば2級を取得していなくても1級第一次検定を受験できます。実務経験も不要です。
Q2:1級と2級、どちらが需要が高いですか?
A:どちらも需要は高いですが、特に1級は大規模工事の監理技術者として配置できるため、企業からの需要がより高くなっています。5G基地局工事の増加に伴い、1級保有者の求人は増加傾向です。
Q3:2級を取得してから1級を目指すメリットはありますか?
A:はい。2級の学習内容は1級の基礎となるため、段階的に知識を習得できます。また、2級第二次検定合格後は、1級第二次検定の実務経験要件が3年に短縮されます。
Q4:1級と2級の併願は現実的ですか?
A:試験日が異なるため併願は可能ですが、学習負担が大きくなります。効率を重視するなら、1級に集中して学習することをおすすめします。
Q5:電気工事施工管理技士と電気通信工事施工管理技士の違いは?
A:電気工事施工管理技士は電力設備(配線、受変電設備など)の工事を管理する資格です。一方、電気通信工事施工管理技士は通信設備(光ファイバ、基地局、LANなど)の工事を管理する資格です。業務範囲が異なるため、ダブルライセンスも有効です。
まとめ:1級と2級の違いを理解して適切な選択を
1級と2級の電気通信工事施工管理技士は、担当できる工事規模、就ける役職、年収など多くの点で違いがあります。
1級と2級の主な違い
| 項目 | 1級 | 2級 |
|---|---|---|
| 担当工事 | すべての工事 | 一般建設業のみ |
| 監理技術者 | なれる | なれない |
| 受験資格(第一次検定) | 19歳以上 | 17歳以上 |
| 第一次検定 合格率 | 40〜60% | 60〜70% |
| 年収目安 | 550〜700万円 | 450〜550万円 |
どちらを選ぶべきか
- 1級を目指す:大規模工事を担当したい、年収アップしたい、5G分野で活躍したい
- 2級から始める:まずは基礎を固めたい、早期に資格取得したい、段階的に成長したい
電気通信工事施工管理技士は、5G・IoT時代の到来により今後ますます需要が高まる資格です。どちらの等級を目指すにしても、早めに学習を始めて令和8年度の合格を目指しましょう。
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監修・執筆
sekocan 編集部
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