目次
令和8年度の1級電気通信工事施工管理技士に挑戦を考えている方へ。
「1級電気通信工事施工管理技士って、どれくらい難しいの?」「他の施工管理技士と比べて、合格しやすい?」という疑問を持っていませんか?
1級電気通信工事施工管理技士は、令和元年(2019年)に新設された比較的新しい国家資格です。5G・IoT時代の到来により需要が急増している一方、有資格者は圧倒的に不足しています。
この記事では、試験の難易度を合格率のデータや他資格との比較から徹底的に分析し、合格するためのポイントを解説します。
この記事でわかること
- 1級電気通信工事施工管理技士の合格率推移
- 第一次検定・第二次検定それぞれの難易度
- 他の施工管理技士(電気・建築・土木)との比較
- 難しいと言われる5つの理由
- 難関を突破するための対策
1級電気通信工事施工管理技士の合格率推移
第一次検定(学科試験)の合格率
第一次検定の合格率は、年度によって大きく変動しています。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和元年(2019年) | 約8,500人 | 約3,700人 | 43.1% |
| 令和2年(2020年) | 約8,000人 | 約4,100人 | 51.3% |
| 令和3年(2021年) | 約7,500人 | 約4,400人 | 58.6% |
| 令和4年(2022年) | 約7,000人 | 約3,300人 | 47.2% |
| 令和5年(2023年) | 約5,200人 | 約1,900人 | 37.0% |
| 令和6年(2024年) | 約4,700人 | 約1,900人 | 40.9% |
平均合格率:約46%(令和元年〜令和6年の平均)
第一次検定の合格率は年度によって37%〜59%と大きく変動しています。これは、問題の難易度や受験者層の変化が影響していると考えられます。
令和6年度は**40.9%**という結果でした。約10人に4人が合格する割合であり、しっかりと対策すれば十分に合格可能な難易度といえます。
第二次検定(実地試験)の合格率
第二次検定の合格率は、第一次検定よりも安定しています。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和元年(2019年) | 約6,000人 | 約2,700人 | 45.5% |
| 令和2年(2020年) | 約6,200人 | 約2,800人 | 44.8% |
| 令和3年(2021年) | 約6,000人 | 約2,400人 | 39.8% |
| 令和4年(2022年) | 約5,800人 | 約2,200人 | 38.4% |
| 令和5年(2023年) | 約5,300人 | 約2,100人 | 39.6% |
| 令和6年(2024年) | 約4,800人 | 約2,000人 | 41.8% |
平均合格率:約42%(令和元年〜令和6年の平均)
第二次検定は記述式のため、合格率が第一次検定より低い傾向にあります。約10人に4人が合格する割合であり、経験記述の対策が合否を分けるといえます。
総合合格率
第一次検定と第二次検定を両方突破して最終合格となると、総合合格率は以下のようになります。
総合合格率の目安:約20%〜25%
つまり、最初から両方を目指す場合、約5人に1人が合格する難易度です。ただし、第一次検定に合格すれば「技士補」の資格が付与されるため、段階的に取得を目指すことも可能です。
他の施工管理技士との難易度比較
各施工管理技士の合格率比較
| 資格名 | 第一次検定合格率 | 第二次検定合格率 | 難易度評価 |
|---|---|---|---|
| 1級電気通信工事施工管理技士 | 約46% | 約42% | ★★★★☆ |
| 1級電気工事施工管理技士 | 約37% | 約57% | ★★★★☆ |
| 1級建築施工管理技士 | 約42% | 約44% | ★★★★☆ |
| 1級土木施工管理技士 | 約45% | 約34% | ★★★★☆ |
| 1級管工事施工管理技士 | 約38% | 約66% | ★★★★☆ |
分析:
1級電気通信工事施工管理技士の難易度は、他の1級施工管理技士と同程度です。第一次検定の合格率は比較的高めですが、第二次検定は他資格並みの難易度があります。
電気工事施工管理技士との違い
電気通信工事施工管理技士と電気工事施工管理技士は、名称が似ていますが出題範囲が異なります。
| 項目 | 電気通信工事施工管理技士 | 電気工事施工管理技士 |
|---|---|---|
| 主な対象工事 | 通信設備、ネットワーク | 電気設備、受変電設備 |
| 出題分野 | 有線・無線通信、5G、IoT | 電気回路、電気機器 |
| 資格の歴史 | 令和元年新設(比較的新しい) | 長い歴史がある |
| 過去問・教材 | 少ない | 豊富 |
| 有資格者数 | 少ない(希少価値あり) | 多い |
ポイント:
- 電気通信工事施工管理技士は過去問・教材が少ないため、対策がやや難しい
- 一方で有資格者が少なく、希少価値が高い
- 両方取得すれば、電気・通信の両分野で活躍可能
難しいと言われる5つの理由
理由1:参考書・過去問が少ない
電気通信工事施工管理技士は令和元年に新設されたばかりの資格であり、過去問の蓄積が他の施工管理技士に比べて圧倒的に少ないのが現状です。
| 資格名 | 過去問の蓄積 |
|---|---|
| 1級建築施工管理技士 | 約30年分 |
| 1級土木施工管理技士 | 約30年分 |
| 1級電気工事施工管理技士 | 約30年分 |
| 1級電気通信工事施工管理技士 | 約6年分 |
過去問演習が有効な試験対策において、この差は大きなハンデとなります。
対策:
- 利用可能な過去問を徹底的に繰り返す(3周以上)
- 電気工事施工管理技士の教材を併用
- 模擬問題集やWeb講座を活用
理由2:技術の進歩が速い
電気通信分野は技術の進歩が速く、毎年のように新しい技術が登場します。
近年の技術トレンド:
- 5G(第5世代移動通信システム)
- ローカル5G
- IoT(Internet of Things)
- エッジコンピューティング
- Wi-Fi 6/Wi-Fi 7
これらの最新技術に関する出題が増加傾向にあり、継続的な学習が必要です。
対策:
- 業界ニュースを定期的にチェック
- 5G・IoT関連の基礎知識を重点的に学習
- 最新の出題傾向を把握
理由3:第二次検定の経験記述
第二次検定の経験記述は、配点が高く、合否を左右する最重要項目です。記述式のため、マークシートのような消去法が使えません。
経験記述の難しさ:
- 自分の経験を論理的に文章化する必要がある
- テーマ(工程管理・品質管理・安全管理)に沿った記述が求められる
- 具体的な数値や専門用語を適切に使用する必要がある
- 独学では添削を受けにくい
対策:
- 3テーマすべての記述原稿を事前に準備
- 通信講座の添削サービスを活用
- 合格者の例文を参考に、自分の記述を改善
理由4:専門用語の多さ
電気通信工事では、有線・無線・ネットワークなど幅広い分野の専門用語が登場します。
覚えるべき専門用語の例:
| 分野 | 専門用語の例 |
|---|---|
| 光通信 | FTTH、ONU、スプリッタ、融着接続、OTDR |
| 無線通信 | Massive MIMO、ビームフォーミング、Sub6、ミリ波 |
| ネットワーク | TCP/IP、VLAN、PoE、アクセスポイント |
| IoT | LPWA、LoRa、BLE、エッジコンピューティング |
これらの用語を正確に理解し、適切に使用できることが求められます。
対策:
- 用語集を作成し、繰り返し暗記
- 用語の意味だけでなく、関連技術との関係を理解
- 過去問で出題された用語を優先的に学習
理由5:実務経験の要求(第二次検定)
第二次検定の経験記述では、実際に従事した電気通信工事について記述する必要があります。実務経験が浅い場合、記述する内容に困ることがあります。
対策:
- 日頃から現場での課題・対策を記録しておく
- 小規模な工事でも、施工管理の視点で経験を整理
- 上司や先輩に相談し、記述のヒントを得る
難関を突破するための5つの対策
対策1:早めのスタート
限られた過去問を何度も繰り返すために、早めに学習をスタートすることが重要です。
推奨スケジュール:
- 第一次検定:3〜4ヶ月前から学習開始
- 第二次検定:第一次検定終了後すぐに対策開始
対策2:過去問を徹底的に繰り返す
過去問が少ないからこそ、1問1問を徹底的に理解することが重要です。
過去問学習のポイント:
- 最低3周は繰り返す
- 間違えた問題は解説を読み込み、理由を理解
- 類似問題をグループ化し、パターンを把握
対策3:5G・IoTを重点学習
今後も5G・IoT関連の出題は増加が予想されます。重点的に学習しておきましょう。
優先的に学ぶべき内容:
- 5Gの特徴(eMBB、URLLC、mMTC)
- 5G基地局の構成(CU、DU、RU)
- ローカル5Gの仕組み
- IoT通信規格(LPWA、Wi-SUN、LoRaWAN)
対策4:経験記述は添削を受ける
独学では経験記述の弱点に気づきにくいため、添削サービスの利用を強くおすすめします。
添削サービスの効果:
- 減点ポイントを具体的に指摘してもらえる
- プロの視点で改善案を提示
- 複数回の添削で完成度が向上
対策5:電気工事施工管理技士との併願
電気通信工事施工管理技士と電気工事施工管理技士は、出題範囲に重複があります。併願することで相乗効果が期待できます。
重複する分野:
資格取得のメリット
難関を突破して1級電気通信工事施工管理技士を取得すると、以下のメリットがあります。
メリット1:希少価値が高い
令和元年新設の資格であり、有資格者が圧倒的に少ないのが現状です。取得すれば、他の技術者との差別化が図れます。
メリット2:年収アップ
電気通信工事施工管理技士の平均年収は、一般の電気通信技術者より約2割高いというデータがあります。
年収の目安:
- 無資格者:年収350万円〜500万円
- 1級電気通信工事施工管理技士:年収450万円〜770万円
メリット3:将来性が高い
5G・IoT時代の到来により、電気通信工事の需要は今後も増加が見込まれています。
需要増加の要因:
- 5G基地局の整備(エリア拡大が継続)
- データセンターの建設ラッシュ
- IoT機器の普及
- スマートシティ・スマートハウスの推進
メリット4:監理技術者として活躍
1級電気通信工事施工管理技士を取得すると、監理技術者として大規模工事の現場で活躍できます。
配置基準:
| 下請契約の総額 | 配置する技術者 |
|---|---|
| 4,500万円未満 | 主任技術者 |
| 4,500万円以上 | 監理技術者(1級必須) |
メリット5:転職・独立に有利
電気通信業界への転職や、独立起業を目指す際に、大きなアドバンテージとなります。
FAQ:難易度に関するよくある質問
Q1:電気系の知識がなくても合格できますか?
A:電気の基礎知識は必要ですが、ゼロからでも合格可能です。高校物理レベルの電気の知識があれば、テキストで学習することで対応できます。ただし、実務経験がない場合は、第二次検定の経験記述に課題が残ります。
Q2:2級から取得した方がいいですか?
A:令和6年度から第一次検定の受検資格が緩和され、19歳以上であれば1級に直接挑戦できるようになりました。実務経験があり、自信がある方は1級から挑戦することをおすすめします。
Q3:試験の難易度は年々上がっていますか?
A:出題傾向は安定していますが、5G・IoTなど最新技術に関する出題は増加傾向にあります。技術の進歩に合わせた学習が必要です。
Q4:独学で合格できる難易度ですか?
A:独学でも十分に合格可能です。ただし、第二次検定の経験記述については、添削サービスの利用を強くおすすめします。
Q5:何回目の受験で合格する人が多いですか?
A:正確な統計データはありませんが、十分な対策をした受験者は1〜2回目で合格するケースが多いです。3回以上不合格が続く場合は、学習方法を見直すことをおすすめします。
あわせて読みたい
まとめ:難易度と合格への道筋
1級電気通信工事施工管理技士の難易度は、他の1級施工管理技士と同程度です。
難易度のまとめ:
- 第一次検定合格率:約46%(年度により変動)
- 第二次検定合格率:約42%
- 総合合格率:約20〜25%
- 難易度評価:★★★★☆(他の1級施工管理技士と同程度)
難しいと言われる理由:
- 参考書・過去問が少ない
- 技術の進歩が速い(5G・IoT)
- 経験記述の配点が高い
- 専門用語が多い
- 実務経験が求められる
合格するためのポイント:
- 早めに学習をスタート(3〜4ヶ月前)
- 過去問を徹底的に繰り返す(3周以上)
- 5G・IoTを重点学習
- 経験記述は添削を受ける
電気通信工事施工管理技士は、5G・IoT時代の到来により今後ますます需要が高まる資格です。難関ではありますが、しっかりと対策すれば合格可能です。
令和8年度の合格を目指して、計画的に学習を進めましょう!
関連する資格ページ
監修・執筆
sekocan 編集部
施工管理技士の資格取得支援に特化した学習プラットフォーム。現役の施工管理技士や建設業界の専門家が監修した正確で実践的な情報を提供しています。