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令和8年度の2級電気通信工事施工管理技士 第二次検定を目指す方へ。
「経験記述って、どう書けばいいのかわからない...」「電気通信工事特有の書き方があるの?」という不安を抱えていませんか?
電気通信工事施工管理技士は令和元年(2019年)に新設された比較的新しい資格です。そのため、過去問や例文が少なく、対策に悩む方が多いのが現状です。
しかし、正しい知識と書き方のコツを押さえれば、経験記述は確実に得点源になります。この記事では、電気通信工事ならではの経験記述の書き方を、具体的な例文とともに徹底解説します。
この記事でわかること
- 2級電気通信工事施工管理技士の経験記述の出題形式
- 工事概要の正しい書き方
- 品質管理・工程管理・安全管理のテーマ別例文
- LAN配線工事、光ファイバー工事などの具体的な記述例
- よくある失敗事例と対策
2級電気通信工事施工管理技士の経験記述とは
経験記述の出題形式
2級電気通信工事施工管理技士の第二次検定では、あなたが実際に経験した電気通信工事について記述する問題が出題されます。
令和6年度の試験では、以下の内容が問われました。
- 工事概要:発注者名、工事場所、工期、請負概算金額、工事概要
- テーマ別記述:工程管理または品質管理に関する具体的な対策
令和6年度は「工程管理」と「品質管理」がテーマでしたが、令和8年度は「安全管理」が出題される可能性もあります。3つのテーマすべてに対応できるよう準備しておきましょう。
他の施工管理技士との違い
2級建築施工管理技士では令和6年度から「提示された工事概要に基づく記述」に変更されましたが、2級電気通信工事施工管理技士は従来どおり、自身が経験した工事について記述する形式が継続されています。
つまり、実際の現場経験を言語化する力が求められます。日頃から工事内容をメモしておく習慣が重要です。
工事概要の書き方【記入例付き】
工事概要で記載する項目
経験記述の冒頭では、以下の項目を記載します。
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| 発注者名 | 〇〇株式会社、〇〇市役所 など |
| 工事場所 | 〇〇県〇〇市〇〇町 |
| 工期 | 令和〇年〇月〇日~令和〇年〇月〇日 |
| 請負概算金額 | 〇〇〇万円 |
| 工事概要 | 工事の種類・規模・内容 |
工事概要の記入例
例1:オフィスビルのLAN配線工事
- 発注者名:株式会社〇〇商事
- 工事場所:東京都港区〇〇1-2-3
- 工期:令和6年4月1日~令和6年6月30日(約3か月)
- 請負概算金額:2,500万円
- 工事概要:地上10階建て事務所ビルの新築に伴う構内情報通信設備工事。Cat6A LANケーブル配線(約300回線)、19インチラック設置(5台)、フロアスイッチ設置(10台)、光成端架設置
例2:光ファイバー敷設工事
- 発注者名:〇〇市役所
- 工事場所:〇〇県〇〇市全域
- 工期:令和6年7月1日~令和7年2月28日(約8か月)
- 請負概算金額:8,000万円
- 工事概要:地域情報化推進事業に伴う光ファイバーケーブル敷設工事。架空ケーブル敷設(約15km)、地下管路内ケーブル敷設(約5km)、クロージャ設置(50箇所)、光成端箱設置(30箇所)
工事概要を書く際のポイント
- 具体的な数値を入れる:「LANケーブル配線」ではなく「Cat6A LANケーブル約300回線」
- 電気通信工事特有の用語を使う:情報通信設備、光成端架、クロージャなど
- 工事規模がわかるように:建物の階数、延床面積、ケーブル延長など
テーマ別経験記述の例文【品質管理・工程管理・安全管理】
品質管理の例文
課題:大規模オフィスビルのLAN配線工事において、通信品質の確保
記述例:
地上12階建て事務所ビルの構内情報通信設備工事において、Cat6A LANケーブル約400回線の配線工事を担当した。高速通信(10Gbps対応)を実現するため、ケーブルの通信品質確保を課題とした。
検討の結果、以下の3つの対策を実施した。
第一に、ケーブル敷設時の曲げ半径をケーブル外径の4倍以上(約25mm以上)に管理し、曲げによる特性劣化を防止した。
第二に、ケーブル引き込み時の張力を110N以下に制限し、専用のケーブルガイドを使用して外装の損傷を防いだ。
第三に、全回線についてフルークネットワークス社の認証試験器を用いた測定を実施し、Cat6A規格への適合を確認した。
これらの対策により、全400回線が規格値を満足し、クライアントの要求する10Gbps通信環境を構築することができた。
工程管理の例文
課題:居抜き改修工事における通信設備工事の工期遵守
記述例:
既存テナントが営業を継続しながらの店舗改修工事において、構内電話設備および無線LAN設備の更新工事を担当した。営業時間外(21時~翌8時)のみの作業となるため、30日間の工期遵守を課題とした。
検討の結果、以下の3つの対策を実施した。
第一に、既設設備の調査を入念に行い、流用可能な配管・ケーブルラックを特定することで、新設工事量を当初計画の約70%に削減した。
第二に、機器類は事前にプレ・コンフィグレーション(設定済み機器の準備)を完了させ、現場での設定作業時間を1台あたり30分から5分に短縮した。
第三に、週2回の工程会議を実施し、建築・電気工事との作業調整を行い、手待ち時間を最小化した。
これらの対策により、予定工期内に全ての通信設備更新を完了し、クライアントの営業に支障を与えることなく工事を完了できた。
安全管理の例文
課題:架空光ファイバーケーブル敷設工事における高所作業の安全確保
記述例:
市道沿いの電柱間に光ファイバーケーブル約8kmを架空敷設する工事を担当した。電柱上での作業が主となるため、高所作業における墜落・転落防止を課題とした。
検討の結果、以下の3つの対策を実施した。
第一に、作業開始前に全作業員を対象とした安全教育を実施し、フルハーネス型墜落制止用器具の正しい使用方法を徹底した。また、作業前の器具点検を義務付けた。
第二に、電柱昇降時は必ず2名体制とし、地上の監視員が昇柱者の安全帯使用状況を確認する手順を確立した。
第三に、強風(10m/s以上)や降雨時は作業を中止する基準を設け、毎朝のKY活動で当日の気象条件を確認してから作業を開始した。
これらの対策により、工期中の高所作業に関する事故・災害ゼロを達成した。
電気通信工事特有の記述ポイント
LAN配線工事で使える表現
- 品質管理:ケーブル認証試験、曲げ半径管理、張力管理、NEXT(近端漏話)測定
- 工程管理:プレ・コンフィグレーション、ケーブル先行配線、フロア単位施工
- 安全管理:二連梯子使用時の安全対策、天井裏作業時の墜落防止
光ファイバー工事で使える表現
- 品質管理:融着接続の損失管理(0.1dB以下)、OTDR測定、反射減衰量測定
- 工程管理:ケーブル・クロージャ・成端箱の同期搬入、作業車両の効率配置
- 安全管理:高所作業車の転倒防止、架空作業時の交通誘導、レーザー光線対策
移動体通信設備工事で使える表現
- 品質管理:アンテナ指向調整、VSWR測定、電界強度測定
- 工程管理:基地局間のハンドオーバー試験調整、隣接セルとの干渉確認
- 安全管理:電波障害防止、重機使用時の安全対策
経験記述で高得点を取る5つのコツ
1. 数値を必ず入れる
悪い例:「ケーブルの品質管理を徹底した」
良い例:「曲げ半径をケーブル外径の4倍以上(約25mm以上)に管理した」
2. 因果関係を明確にする
「〇〇という課題があった」→「△△を検討した」→「□□を実施した」→「◇◇という結果を得た」
この流れを意識して記述しましょう。
3. テーマとの一貫性を保つ
品質管理がテーマなのに安全対策の話をする、といった脱線は減点対象です。
4. 電気通信工事特有の専門用語を使う
「線を引いた」ではなく「ケーブルを敷設した」「配線した」と表現します。
5. 具体的な対策を3つ程度挙げる
1つでは不十分、5つ以上は散漫になりがちです。3つ程度が適切です。
よくある失敗事例と対策
失敗事例1:工事概要が曖昧
失敗例:「通信工事を行った」
対策:「Cat6A LANケーブル約300回線の配線工事」など具体的に
失敗事例2:対策が抽象的
失敗例:「品質管理を徹底した」
対策:「認証試験器による全数測定を実施した」など具体的に
失敗事例3:結果が書かれていない
失敗例:対策を列挙して終わり
対策:「これらの対策により、〇〇を達成した」と結果を明記
失敗事例4:専門用語の誤用
失敗例:「LANケーブルを設置した」
対策:「LANケーブルを配線した」または「敷設した」
経験記述の事前準備チェックリスト
試験前に以下の項目を準備しておきましょう。
- 工事概要(発注者名、工事場所、工期、金額、内容)を暗記した
- 品質管理の記述内容(課題、対策3つ、結果)を準備した
- 工程管理の記述内容(課題、対策3つ、結果)を準備した
- 安全管理の記述内容(課題、対策3つ、結果)を準備した
- 数値データ(ケーブル本数、測定値、工期日数など)を確認した
- 専門用語の漢字を正しく書けるか確認した
- 制限時間内に書き終えられるか練習した
FAQ|2級電気通信工事施工管理技士 経験記述について
Q1:現場経験が少なくても合格できますか?
A:第二次検定の受験資格を満たしていれば、経験年数に関係なく合格可能です。ただし、実際に経験した工事について記述する必要があるため、普段から工事内容をメモしておくことが重要です。
Q2:どのテーマが出題されやすいですか?
A:令和6年度は「工程管理」と「品質管理」が出題されました。「安全管理」を含めた3テーマがローテーションで出題される傾向があるため、すべてのテーマに対応できるよう準備しておきましょう。
Q3:文字数の目安はありますか?
A:解答欄のスペースに収まる範囲で、できるだけ具体的に記述します。目安として、各項目200~300文字程度です。
Q4:漢字の間違いは減点されますか?
A:専門用語の誤字は減点対象となる可能性があります。特に「敷設」「融着」「架空」「管路」などの頻出用語は正確に書けるよう練習しましょう。
Q5:試験時間内に書き終わるか不安です
A:第二次検定の試験時間は2時間です。経験記述に40~50分程度を目安に配分し、事前に時間を計って練習しておくことをおすすめします。
あわせて読みたい
2級電気通信工事施工管理技士の第二次検定対策に、以下の記事も参考になります。
- 2級電気通信工事施工管理技士 第二次検定の完全攻略 - 経験記述以外の対策も含めた完全ガイドです
- 2級電気通信工事施工管理技士の難易度と合格率 - 第二次検定37.9%の難易度を分析しています
- 2級電気通信工事施工管理技士の過去問活用法 - 出題パターンの把握に役立ちます
まとめ
2級電気通信工事施工管理技士の経験記述は、自身が経験した電気通信工事について、具体的かつ論理的に記述することが求められます。
合格のための重要ポイント:
- 工事概要は具体的な数値を入れて明確に書く
- 品質管理・工程管理・安全管理の3テーマすべてに対応できるよう準備
- 課題→検討→対策→結果の流れで論理的に記述
- 電気通信工事特有の専門用語を正しく使用
- 数値データを盛り込んで説得力を高める
電気通信工事施工管理技士は令和元年に新設された比較的新しい資格ですが、5GやIoTの普及に伴い、今後ますます需要が高まる資格です。
令和8年度の合格を目指して、しっかり準備を進めていきましょう!
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監修・執筆
sekocan 編集部
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