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令和8年度の2級電気通信工事施工管理技士 第二次検定を目指す方へ。
「第二次検定は記述式だから難しそう...」「経験記述って何を書けばいいの?」という不安を抱えていませんか?
第二次検定の過去5年間の平均合格率は**37.9%**と、第一次検定(62.9%)に比べて大幅に低くなっています。しかし、これは対策不足のまま受験する方が多いためです。
正しい対策を行えば、第二次検定も十分に合格可能です。この記事では、経験記述の書き方から記述式問題の対策まで、合格に必要な情報を徹底解説します。
この記事でわかること
- 第二次検定の試験概要と出題形式
- 経験記述の具体的な書き方とテンプレート
- 記述式問題の出題傾向と対策
- 合格率37.9%を突破するための勉強法
- 試験当日の時間配分と注意点
第二次検定の試験概要【令和8年度対応】
試験日程と申込期間
令和8年度の第二次検定は年1回のみの実施です。
第二次検定
- 申込期間:令和8年7月14日~7月28日
- 試験日:令和8年11月(予定)
- 合格発表:令和9年1月(予定)
第一次検定(後期)と同日に実施されるため、両方を同時受験することも可能です。
受験資格
第二次検定の受験資格は、第一次検定より厳しくなっています。
主な受験資格(令和6年度からの新制度)
| 学歴 | 必要な実務経験 |
|---|---|
| 大学卒業(指定学科) | 1年以上 |
| 大学卒業(指定学科以外) | 1年6か月以上 |
| 短大・高専卒業(指定学科) | 2年以上 |
| 短大・高専卒業(指定学科以外) | 3年以上 |
| 高校卒業(指定学科) | 3年以上 |
| 高校卒業(指定学科以外) | 4年6か月以上 |
| その他 | 8年以上 |
経過措置について 令和6年度から令和10年度までの5年間は、新制度と旧制度のどちらの受験資格でも受験可能です。詳しくは試験実施機関のホームページをご確認ください。
試験形式と合格基準
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 2時間 |
| 出題数 | 5問 |
| 解答数 | 5問(全問必須) |
| 解答形式 | 記述式 |
| 合格基準 | 60%以上 |
第一次検定と異なり、全問必須解答です。苦手分野があっても避けることができないため、幅広い対策が必要です。
受験手数料
- 第二次検定のみ:7,150円(非課税)
- 第一次検定・第二次検定:14,300円(非課税)
第二次検定の出題構成
第二次検定は以下の5問で構成されています。
問題1:経験記述(配点:約40%)
あなたが実際に経験した電気通信工事について記述する問題です。最も配点が高く、合否を左右する重要問題です。
出題テーマ
- 品質管理
- 工程管理
- 安全管理
令和6年度は「工程管理」と「品質管理」が出題されました。令和8年度は「安全管理」が出題される可能性も考慮して、3テーマすべてに対応できるよう準備しておきましょう。
問題2:施工管理(配点:約15%)
施工計画、工程管理、品質管理、安全管理に関する記述式問題です。
主な出題内容
- ネットワーク工程表の作成・計算
- 品質管理の手法(QC七つ道具など)
- 安全管理の具体的対策
問題3:電気通信設備(配点:約15%)
電気通信設備に関する技術的な知識を問う問題です。
主な出題内容
- LAN配線工事の施工方法
- 光ファイバーの接続・測定
- 無線通信設備の設置
- 電源設備(UPS、自家発電)
問題4:電気通信工学(配点:約15%)
電気通信の基礎理論に関する問題です。
主な出題内容
- 伝送理論(減衰、反射)
- 光伝送技術
- 無線通信の原理
- 簡単な回路計算
問題5:法規(配点:約15%)
電気通信工事に関連する法規の知識を問う問題です。
主な出題内容
経験記述の書き方【テンプレート付き】
工事概要の記入方法
経験記述の冒頭では、以下の項目を記載します。
記入例:オフィスビルのLAN配線工事
(ア)発注者名:株式会社〇〇商事
(イ)工事場所:東京都港区〇〇1-2-3
(ウ)工期:令和6年4月1日~令和6年7月31日
(エ)請負概算金額:3,000万円
(オ)工事概要:
地上12階建て事務所ビルの新築に伴う構内情報通信設備工事。
Cat6A LANケーブル配線(約400回線)、19インチラック設置(8台)、
フロアスイッチ設置(12台)、光成端架設置、無線LANアクセスポイント
設置(30台)を実施した。
テーマ別記述のテンプレート
以下のテンプレートに沿って記述すると、論理的にまとまった文章が書けます。
テンプレート構成
- 課題の背景(なぜその課題が発生したか)
- 検討内容(どのような対策を検討したか)
- 実施した対策(具体的に何を行ったか)※数値を入れる
- 得られた結果(対策によりどうなったか)
品質管理の記述例
課題:大規模オフィスビルのLAN配線工事における通信品質の確保
地上12階建て事務所ビルの構内情報通信設備工事において、Cat6A LANケーブル約400回線の配線工事を担当した。10Gbps対応の高速通信環境を構築するため、全回線の通信品質確保を課題とした。
検討の結果、以下の3つの対策を実施した。
第一に、ケーブル敷設時の曲げ半径をケーブル外径の4倍以上(約25mm以上)に管理し、曲げによる特性劣化を防止した。特にパッチパネル付近では、専用のケーブルマネージャを使用して曲げ半径を確保した。
第二に、ケーブル引き込み時の張力を110N以下に制限し、配管内ではケーブルグリップと潤滑剤を使用して外装の損傷を防いだ。
第三に、全回線についてフルークネットワークス社のDTX-1800認証試験器を用いた測定を実施し、Cat6Aパーマネントリンク規格への適合を確認した。
これらの対策により、全400回線が規格値を満足し、クライアントの要求する10Gbps通信環境を構築することができた。
工程管理の記述例
課題:テナント営業中の店舗改修工事における工期遵守
商業施設内の店舗改修工事において、構内電話設備および無線LAN設備の更新工事を担当した。テナント営業中の工事のため、作業時間が21時~翌8時に制限され、25日間という短工期での完了を課題とした。
検討の結果、以下の3つの対策を実施した。
第一に、既設設備の事前調査を入念に行い、流用可能な配管・ケーブルラックを特定することで、新設工事量を当初計画の約65%に削減した。
第二に、ネットワーク機器(ルーター、スイッチ)は事前にプレ・コンフィグレーションを完了させ、現場での設定作業時間を1台あたり45分から10分に短縮した。
第三に、週2回の工程会議で建築・電気工事との作業調整を行い、作業エリアの重複による手待ち時間を1日あたり平均30分削減した。
これらの対策により、予定工期25日間で全ての通信設備更新を完了し、テナントの営業に支障を与えることなく工事を完了できた。
安全管理の記述例
課題:架空光ファイバーケーブル敷設工事における高所作業の安全確保
市道沿いの電柱間に光ファイバーケーブル約10kmを架空敷設する工事を担当した。電柱上での作業が主となるため、高さ5m以上での高所作業における墜落・転落防止を課題とした。
検討の結果、以下の3つの対策を実施した。
第一に、作業開始前に全作業員(15名)を対象とした安全教育を実施し、フルハーネス型墜落制止用器具の正しい着用方法と使用方法を徹底した。毎朝の朝礼で器具の点検結果を確認した。
第二に、電柱昇降時は必ず2名体制とし、地上の監視員が昇柱者の安全帯使用状況を目視で確認する手順を確立した。また、昇降中は工具類を工具袋に収納し、落下物による下方作業員への危害を防止した。
第三に、強風(10m/s以上)や降雨時は高所作業を中止する基準を設け、毎朝のKY活動で当日の気象条件と作業可否を確認してから作業を開始した。
これらの対策により、工期4か月間の高所作業において、墜落・転落事故ゼロを達成した。
記述式問題の対策【問題2〜5】
問題2:施工管理の対策
ネットワーク工程表の計算
ネットワーク工程表は頻出問題です。以下の用語を押さえておきましょう。
- クリティカルパス:最長の作業経路(遅延が許されない)
- フロート(余裕時間):作業に許容される遅延時間
- 最早開始時刻(EST):最も早く作業を開始できる時刻
- 最遅完了時刻(LFT):遅くとも作業を完了すべき時刻
計算のポイント
- 各作業の先行作業を確認
- 前から順に最早開始時刻を計算
- 後ろから順に最遅完了時刻を計算
- フロート=最遅完了時刻-最早開始時刻-作業日数
問題3:電気通信設備の対策
LAN配線工事の頻出ポイント
| 項目 | 規格値・基準 |
|---|---|
| ケーブル曲げ半径 | 外径の4倍以上 |
| 引張張力 | 110N以下 |
| パーマネントリンク長 | 90m以下 |
| チャネル長 | 100m以下 |
光ファイバー工事の頻出ポイント
| 項目 | 規格値・基準 |
|---|---|
| 融着接続損失 | 0.1dB以下 |
| コネクタ損失 | 0.3dB以下 |
| 曲げ半径(施工時) | 30mm以上 |
| 曲げ半径(固定時) | 15mm以上 |
問題4:電気通信工学の対策
dB(デシベル)計算
電力比のdB換算は必ず押さえましょう。
| 電力比 | dB値 |
|---|---|
| 2倍 | +3dB |
| 4倍 | +6dB |
| 10倍 | +10dB |
| 100倍 | +20dB |
| 1/2倍 | -3dB |
| 1/10倍 | -10dB |
計算例 入力電力10mWが出力で40mWになった場合の利得は? → 40÷10=4倍 → +6dB
問題5:法規の対策
建設業法の頻出ポイント
電気通信事業法の頻出ポイント
- 電気通信事業の届出・登録
- 技術基準適合義務
- 工事担任者の配置
労働安全衛生法の頻出ポイント
効率的な勉強法【4ステップ】
ステップ1:経験記述の準備(2〜3週間)
第二次検定で最も重要なのは経験記述です。まず、自分が経験した電気通信工事を振り返り、記述内容を準備します。
準備すべき内容
- 工事概要(発注者名、工事場所、工期、金額、概要)
- 品質管理の記述(課題、対策3つ、結果)
- 工程管理の記述(課題、対策3つ、結果)
- 安全管理の記述(課題、対策3つ、結果)
ステップ2:過去問分析(1週間)
過去5年分程度の過去問を解いて、出題傾向を把握します。
確認すべきポイント
- 各問題の出題形式と配点
- 繰り返し出題されているテーマ
- 自分の得意分野・苦手分野
ステップ3:知識のインプット(3〜4週間)
テキストで知識をインプットします。第一次検定で学んだ内容の復習が中心ですが、記述式に対応できるよう、専門用語を正確に書けるようにすることが重要です。
重点学習分野
- 施工管理法(ネットワーク工程表、品質管理手法)
- 電気通信設備(LAN配線、光ファイバー)
- 法規(建設業法、電気通信事業法)
ステップ4:記述練習(2〜3週間)
実際に手を動かして記述する練習を行います。
練習のポイント
- 時間を計って本番を想定した練習
- 模範解答と比較して改善点を確認
- 専門用語の漢字を正しく書けるか確認
試験当日の時間配分
試験時間は2時間(120分)、出題数は5問です。
推奨時間配分
| 問題 | 内容 | 目安時間 |
|---|---|---|
| 問題1 | 経験記述 | 45〜50分 |
| 問題2 | 施工管理 | 15〜20分 |
| 問題3 | 電気通信設備 | 15分 |
| 問題4 | 電気通信工学 | 10〜15分 |
| 問題5 | 法規 | 10〜15分 |
| 見直し | - | 10分 |
経験記述は事前準備した内容を書くだけなので、焦らず丁寧に記述しましょう。
合格率37.9%を突破するポイント
1. 経験記述で確実に得点する
経験記述は配点が高く、ここで得点できるかが合否を分けます。事前に準備した内容を正確に書けるよう、何度も練習しておきましょう。
2. 苦手分野を作らない
第二次検定は全問必須解答です。得意分野だけでなく、苦手分野も最低限の対策をしておきましょう。
3. 専門用語を正確に覚える
記述式試験では、専門用語を正確に書けるかどうかが重要です。「敷設」「融着」「架空」など、頻出用語は漢字を含めて正確に覚えましょう。
4. 数値を覚える
規格値や基準値を問う問題が出題されます。LANケーブルの曲げ半径(4倍以上)、融着接続損失(0.1dB以下)などの数値を覚えておきましょう。
5. 時間配分を練習しておく
試験時間は2時間です。事前に時間を計って練習し、本番で時間切れにならないようにしましょう。
FAQ|第二次検定についてよくある質問
Q1:第一次検定に合格した年に第二次検定を受験すべきですか?
A:可能であれば同じ年度の受験をおすすめします。第一次検定の知識が新鮮なうちに第二次検定を受験する方が効率的です。ただし、第一次検定の合格は無期限で有効なので、翌年以降の受験も可能です。
Q2:経験記述は自分の経験を書かなければいけませんか?
A:はい、自分が実際に経験した電気通信工事について記述する必要があります。2級建築施工管理技士とは異なり、「提示された工事概要に基づく記述」ではありません。
Q3:経験記述で複数の工事を書いても良いですか?
A:工事概要は1つの工事を記載します。ただし、テーマ別記述(品質管理、工程管理など)で別の工事の経験を書くことは可能です。ただし、一貫性を保つため、同じ工事で記述することをおすすめします。
Q4:記述式問題は部分点がありますか?
A:公式には公表されていませんが、完全な正解でなくても部分点が得られると考えられています。わからない問題でも、知っていることを記述することで得点につながる可能性があります。
Q5:第二次検定の勉強時間はどのくらい必要ですか?
A:第一次検定に合格していれば、追加で50〜100時間程度が目安です。経験記述の準備と記述練習に多くの時間を割きましょう。詳しくは勉強時間の目安をご覧ください。
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まとめ
2級電気通信工事施工管理技士の第二次検定は、経験記述の準備と記述式問題への対策がカギを握ります。
合格のための重要ポイント:
- 経験記述は3テーマ(品質管理、工程管理、安全管理)すべて準備
- 工事概要と対策内容を暗記し、本番で正確に書けるよう練習
- 記述式問題は専門用語と数値を正確に覚える
- ネットワーク工程表の計算問題は必ず対策
- 時間配分を練習し、経験記述に十分な時間を確保
合格率37.9%と聞くと難しく感じるかもしれませんが、正しい対策を行えば十分に合格可能です。
令和8年度の合格を目指して、しっかり準備を進めていきましょう!
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監修・執筆
sekocan 編集部
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