目次
「施工管理技士を取るなら、どの順番がいい?」
「2級から?それとも最初から1級?」
「複数の施工管理技士を取りたいけど、どれを先に取るべき?」
施工管理技士の資格取得を考えたとき、取得する順番で迷う方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、取得順番はあなたのキャリア目標と現在の状況によって最適解が異なります。 ただし、多くの方に共通する「王道ルート」は存在します。
この記事では、施工管理技士を取得する順番のおすすめを、キャリア目標別・状況別に詳しく解説します。
この記事でわかること
- 施工管理技士を取得する基本的な順番
- キャリア目標別のおすすめ取得ルート
- 令和6年度制度改正を活かした最短ルート
- 複数資格を効率的に取得するスケジュール
施工管理技士の基本的な取得順番
大原則:2級から1級へ
施工管理技士を取得する基本的な順番は、2級→1級です。
| 順番 | 資格 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 2級施工管理技士 | 基礎固め、合格しやすい |
| 2 | 1級施工管理技士 | 応用・発展、キャリアの幅が広がる |
2級から取得することをおすすめする理由:
- 合格しやすい:2級は基礎的な内容が中心で、合格率も高い
- 自信がつく:最初の資格試験で成功体験を得られる
- 1級の勉強がスムーズ:2級の内容が1級の基礎になる
- 早くキャリアアップできる:2級でも主任技術者になれる
- 会社からの評価が早く得られる:資格手当が付く
例外:いきなり1級を目指してもいいケース
以下の条件を満たす場合は、2級を飛ばして1級から始めることも選択肢です。
| 条件 | 詳細 |
|---|---|
| 実務経験が豊富 | 建設業界で5年以上の経験がある |
| 大規模工事の経験 | 監理技術者レベルの現場を経験済み |
| 勉強時間を確保できる | 1日2時間以上の学習が可能 |
| 転職を急いでいる | 大手への転職で1級が必須条件 |
ただし、迷う場合は2級からが基本です。
キャリア目標別おすすめ取得ルート
目標1:ゼネコンで出世したい
おすすめルート:
2級建築 → 1級建築 → 2級土木 → 1級土木
(4〜6年で完了)
理由:
- ゼネコンでは建築と土木の両方ができる人材が評価される
- 1級建築を最優先で取得し、監理技術者として活躍
- 土木を追加することで、複合工事の現場所長を目指せる
モデルスケジュール:
| 年次 | 取得目標 | 備考 |
|---|---|---|
| 1年目 | 2級建築 | 基礎固め |
| 2〜3年目 | 1級建築 | 主資格を確立 |
| 4年目 | 2級土木 | 範囲拡大 |
| 5〜6年目 | 1級土木 | ダブル1級達成 |
目標2:設備会社でキャリアアップしたい
おすすめルート:
2級管工事 → 1級管工事 → 2級電気工事 → 1級電気工事
(4〜6年で完了)
または
2級管工事 → 2級電気工事 → 1級管工事 → 1級電気工事
(4〜6年で完了)
理由:
- 設備会社では管工事と電気工事の両方が求められる
- 2級を2つ先に取ることで、早期にマルチスキルをアピール
- 1級はその後じっくり取得
目標3:住宅・リフォーム業界で活躍したい
おすすめルート:
2級建築 → 2級管工事 → 1級建築
(3〜4年で完了)
理由:
- 住宅・リフォームでは建築と設備の知識が必須
- 1級は建築のみでOK(住宅は小規模工事が中心)
- 管工事2級で設備の知識をカバー
目標4:土木会社でプロフェッショナルになりたい
おすすめルート:
2級土木 → 1級土木 → 2級建設機械 → 1級建設機械
(4〜6年で完了)
理由:
- 土木工事では建設機械の知識が重要
- 土木と建設機械の組み合わせで、現場対応力が大幅アップ
- 公共工事の入札で有利になる
目標5:電気・通信分野で専門性を高めたい
おすすめルート:
2級電気工事 → 1級電気工事 → 2級電気通信工事 → 1級電気通信工事
(4〜6年で完了)
理由:
- 5G・IoT時代に電気と通信の両方ができる人材は希少
- 試験範囲に重複があり、効率的に取得できる
- 将来性が高い分野
目標6:独立・開業を目指したい
おすすめルート:
2級建築 → 1級建築 → 2級土木 → 2級管工事 → 1級土木 or 1級管工事
(5〜7年で完了)
理由:
- 独立には複数の業種許可が有利
- 建築・土木・管工事の3つで、ほとんどの工事に対応可能
- 1級は2つあれば十分(時間・コストの効率化)
令和6年度制度改正を活かした取得戦略
令和6年度の制度改正により、資格取得の戦略が変わりました。
制度改正のポイント
| 項目 | 旧制度 | 新制度 |
|---|---|---|
| 第一次検定の受験資格 | 学歴+実務経験が必要 | 年齢のみ(1級:19歳、2級:17歳) |
| 第二次検定の受験資格 | 学歴による経験年数の違い | 第一次合格+実務経験 |
| 技士補制度 | なし | 第一次合格で付与 |
新制度を活かした最短ルート
学生・若手向け最短ルート:
| 年齢 | アクション |
|---|---|
| 17歳 | 2級建築 第一次検定合格(2級建築施工管理技士補) |
| 18歳 | 2級土木 第一次検定合格(2級土木施工管理技士補) |
| 19歳 | 1級建築 第一次検定合格(1級建築施工管理技士補) |
| 20歳 | 就職、実務経験スタート |
| 22歳 | 2級建築 第二次検定合格(2級建築施工管理技士) |
| 23歳 | 2級土木 第二次検定合格(2級土木施工管理技士) |
| 24歳 | 1級建築 第二次検定合格(1級建築施工管理技士) |
ポイント:
- 第一次検定は実務経験不要で受験可能
- 「技士補」の肩書きで就職活動が有利に
- 実務経験を積みながら第二次検定を順次受験
社会人向け効率的ルート
現在の状況別おすすめ:
| 状況 | おすすめルート |
|---|---|
| 建設業界1〜3年目 | 2級を優先、早く「技士補」を取得 |
| 建設業界4〜7年目 | 2級→1級を並行して進める |
| 建設業界8年目以上 | 1級を優先、2級は必要に応じて |
| 異業種からの転職 | 2級から確実に、実務経験を積む |
複数資格を効率的に取得するスケジュール
試験日程を活用した同時進行
施工管理技士の試験は資格ごとに日程が異なります。上手くスケジュールを組めば、同一年度に複数の資格を取得できます。
令和8年度試験日程(予定):
| 資格 | 第一次検定 | 第二次検定 |
|---|---|---|
| 建築 | 6月(前期)、11月(後期) | 11月 |
| 土木 | 7月(前期)、10月(後期) | 10月 |
| 電気工事 | 6月(前期)、11月(後期) | 11月 |
| 管工事 | 9月 | 12月 |
| 電気通信工事 | 7月(前期)、11月(後期) | 12月 |
| 造園 | 6月(前期)、11月(後期) | 12月 |
| 建設機械 | 6月 | 8月〜9月 |
同一年度に2つの2級を取得する例:
| 月 | アクション |
|---|---|
| 1〜5月 | 2級建築の勉強 |
| 6月 | 2級建築 第一次検定受験 |
| 7〜8月 | 2級土木の勉強開始 |
| 9月 | 2級管工事 第一次検定受験 |
| 10月 | 2級土木 第一次検定受験(後期) |
| 11月 | 2級建築 第二次検定受験 |
| 12月 | 2級管工事 第二次検定受験 |
重複する学習内容を活かす
施工管理技士の試験には、資格間で重複する内容があります。これを活かせば、学習効率が大幅にアップします。
重複が多い組み合わせ:
| 組み合わせ | 重複する内容 |
|---|---|
| 建築×土木 | 施工管理法、安全管理、法規 |
| 電気工事×電気通信工事 | 電気理論、関連法規 |
| 管工事×電気工事 | 設備関連、施工管理 |
| 土木×建設機械 | 土工、施工管理 |
効率的な学習順序:
- 1つ目の資格で基礎をしっかり固める
- 2つ目は重複部分を軽めに復習
- 新出部分に集中して学習
年齢・経験別のおすすめ順番
10代(高校生・専門学生)
おすすめ:
17歳:2級建築 第一次検定
18歳:2級土木 第一次検定
19歳:1級建築 第一次検定
ポイント:
- 新制度を最大限に活用
- 「技士補」で就職活動を有利に
- 実務経験は就職後に積む
20代前半(入社1〜3年目)
おすすめ:
1年目:2級(自分の専門分野)第一次・第二次
2年目:2級(関連分野)または1級 第一次
3年目:1級(主専門)第二次
ポイント:
- まず2級で基礎を固める
- 早めに「施工管理技士」の肩書きを得る
- 20代後半で1級を目指す
20代後半〜30代(入社4〜10年目)
おすすめ:
1〜2年目:1級(主専門)
3〜4年目:2級または1級(関連分野)
ポイント:
- 実務経験が十分なら1級から挑戦
- 2級を持っていない場合は、1級と並行して取得も検討
- 転職を考えているなら1級を優先
40代以上
おすすめ:
1〜2年目:1級(主専門)
3年目以降:必要に応じて追加
ポイント:
- 時間効率を重視し、1級を優先
- 実務経験が豊富なら1級の経験記述も対応可能
- 転職・独立を見据えた資格取得
取得順番を決める際のチェックポイント
最適な取得順番を決めるために、以下の項目をチェックしましょう。
チェック1:現在の勤務先は何を評価する?
| 確認項目 | 影響 |
|---|---|
| 資格手当の額 | どの資格に高い手当がつくか |
| 昇進条件 | 特定の資格が昇進に必要か |
| 担当できる工事 | どの資格があれば仕事の幅が広がるか |
会社に確認すべき質問:
- 「どの資格に資格手当がつきますか?」
- 「昇進に必要な資格はありますか?」
- 「取得を推奨している資格はありますか?」
チェック2:転職を考えている?
| 転職先の業種 | 優先すべき資格 |
|---|---|
| 大手ゼネコン | 1級建築、1級土木 |
| 設備会社(サブコン) | 1級管工事、1級電気工事 |
| ハウスメーカー | 2級建築、2級管工事 |
| 公務員(技術職) | 1級土木、1級建築 |
| 独立・開業 | 複数の1級 |
チェック3:どのくらい勉強時間を確保できる?
| 確保できる時間 | おすすめ戦略 |
|---|---|
| 1日30分〜1時間 | 2級を1つずつ確実に |
| 1日1〜2時間 | 2級を年1〜2つ、または1級に挑戦 |
| 1日2時間以上 | 1級に挑戦、または同時に複数資格 |
チェック4:実務経験はどれくらい?
| 実務経験 | おすすめ |
|---|---|
| 3年未満 | 2級から確実に |
| 3〜5年 | 2級を取得後、1級へ |
| 5年以上 | 1級から挑戦も可 |
| 異業種から転職 | 2級から、実務経験を積みながら |
よくある質問
Q1. 2級を取らずに1級から受けてもいいですか?
A. 令和6年度からの新制度では、19歳以上であれば1級第一次検定を受験できます。ただし、第二次検定には実務経験が必要です。実務経験が十分にあり、勉強に自信がある場合は1級から挑戦しても問題ありません。
Q2. 複数の施工管理技士を同じ年に取得できますか?
A. 可能です。試験日程が異なれば、同一年度に複数の資格を受験できます。ただし、勉強の負担は大きくなるため、計画的に進めることが重要です。
Q3. どの施工管理技士が最も取得しやすいですか?
A. 一般的には、2級土木施工管理技士と2級電気通信工事施工管理技士の合格率が高い傾向にあります。ただし、自分の実務経験に近い分野の方が勉強しやすいため、一概には言えません。
Q4. 途中で取得する資格を変更してもいいですか?
A. もちろん問題ありません。キャリアの方向性が変わることは自然なことです。ただし、取得した資格は無駄にならないので、状況に応じて柔軟に計画を修正しましょう。
Q5. 1級を取得したら2級は不要ですか?
A. 実務上は1級があれば2級の業務もできるため、同じ種類の2級は不要です。ただし、異なる種類の2級は別の価値があります(例:1級建築を持っていても、2級土木は別途価値がある)。
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施工管理技士の取得計画に、以下の記事も参考になります。
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- 施工管理技士の種類一覧|7種類の特徴を比較 - 各資格の特徴と年収を確認できます
まとめ
施工管理技士を取得する順番のポイントをまとめます。
基本原則:
- 2級→1級の順番が王道
- 迷ったら2級から始める
- 新制度を活用して早期に技士補を取得
キャリア目標別のおすすめ:
| 目標 | おすすめ順番 |
|---|---|
| ゼネコン出世 | 建築2級→建築1級→土木2級→土木1級 |
| 設備会社 | 管工事2級→管工事1級→電気2級→電気1級 |
| 住宅・リフォーム | 建築2級→管工事2級→建築1級 |
| 土木専門 | 土木2級→土木1級→建設機械2級→建設機械1級 |
| 独立・開業 | 建築2級→建築1級→土木2級→管工事2級 |
効率化のポイント:
- 試験日程を活用して同時進行
- 重複する学習内容を活かす
- 会社の評価基準を確認する
まずは令和8年度の試験に向けて、1つ目の資格取得を目指しましょう。最初の1つを取得すれば、次の資格も取りやすくなります。
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監修・執筆
sekocan 編集部
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