目次
令和8年度の2級土木施工管理技士 第二次検定を目指す方へ。
「品質管理の経験記述、何を書けばいいかわからない」「具体的にどう書けば合格できるの?」という悩みをお持ちではありませんか。
品質管理は、経験記述で出題される3テーマ(品質管理・工程管理・安全管理)の中で最も出題頻度が高いテーマです。合格のためには品質管理の記述を完璧に準備しておく必要があります。
この記事では、品質管理の経験記述の書き方、合格する記述例、減点されないポイントを詳しく解説します。
この記事でわかること
- 品質管理の経験記述で求められる内容
- 合格する記述の構成と書き方
- 工種別の記述例(コンクリート工、盛土工など)
- 減点されないためのチェックポイント
品質管理の経験記述とは
出題形式
品質管理の経験記述は、以下のような形式で出題されます。
設問1:工事概要 あなたが経験した土木工事の概要(工事名、工事場所、工期、主な工種、あなたの立場)を記述してください。
設問2:品質管理の内容 上記の工事において、あなたが担当した「品質管理」について、以下の内容を記述してください。
- 品質管理上の課題(技術的課題)
- 課題に対して検討した内容
- 実施した対策とその結果
配点と重要性
経験記述は第二次検定の中で最も配点が高い問題です。
| 問題 | 配点目安 | 重要度 |
|---|---|---|
| 経験記述(問題1) | 約30〜40点 | 最高 |
| その他の記述問題 | 約60〜70点 | 高 |
経験記述で大きく失点すると、他の問題で挽回するのは困難です。経験記述の準備が合否を分けると言っても過言ではありません。
品質管理の出題頻度
過去の出題テーマを見ると、品質管理は頻出テーマです。
| 年度 | 出題テーマ |
|---|---|
| 令和5年度 | 品質管理 |
| 令和4年度 | 安全管理 |
| 令和3年度 | 工程管理 |
| 令和2年度 | 品質管理 |
| 令和元年度 | 安全管理 |
3テーマがローテーションで出題される傾向があります。令和8年度もこの傾向が継続されると予想されます。
品質管理の経験記述の書き方
基本構成
合格する経験記述は、以下の構成で書きます。
【工事概要】
・工事名、工事場所、工期、主な工種、立場
【課題】
・品質管理上の技術的課題とその背景
【検討内容】
・課題に対してどのような対策を検討したか
【対策】
・実際に実施した対策の具体的な内容
【結果】
・対策によって得られた結果、効果
工事概要の書き方
工事概要は、以下のように具体的に記述します。
良い例
工事名:○○市道路改良工事
工事場所:○○県○○市○○町地内
工期:令和○年○月〜令和○年○月(6ヶ月間)
主な工種:盛土工 3,500m³、アスファルト舗装工 2,000m²、
排水構造物工(側溝 L=300m)
立場:現場代理人補佐
悪い例
工事名:道路工事
工事場所:○○市
工期:約半年
主な工種:道路工事
立場:作業員
ポイント
- 工事名は正式名称を記載
- 工期は具体的な月まで記載
- 主な工種は数量も含めて記載
- 立場は「現場代理人」「主任技術者」「現場監督」など具体的に
課題の書き方
品質管理上の課題は、技術的に具体的な内容を記述します。
良い例
本工事は夏季(7月〜8月)にコンクリート打設を行う計画であった。
気温35℃を超える日が続くことが予想され、コンクリートの打込み温度上昇による
ひび割れ発生が品質管理上の課題となった。
悪い例
コンクリートの品質を確保することが課題だった。
課題設定のポイント
| 要素 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 工事条件 | 夏季施工、冬季施工、狭隘地、軟弱地盤など |
| 発生した問題 | ひび割れ、沈下、品質不良など |
| なぜ課題か | 気温、地盤、工期などの理由 |
検討内容の書き方
課題に対して、どのような対策を検討したかを記述します。
良い例
上記の課題に対し、以下の点を検討した。
1. コンクリートの打込み温度を低減させる方法
- 生コン工場との協議による材料温度の管理
- 運搬時間の短縮方法
2. 打設時の温度上昇を抑制する方法
- 打設時間帯の設定
- 散水による型枠・鉄筋の冷却
3. 養生方法の選定
- 散水養生の頻度と期間
- 養生シートの使用
ポイント
- 複数の観点から検討したことを示す
- 箇条書きで整理すると読みやすい
- 専門的な内容を盛り込む
対策の書き方
実際に実施した対策を、具体的な数値を入れて記述します。
良い例
上記の検討に基づき、以下の対策を実施した。
1. コンクリートの打込み温度管理
- 生コン工場と協議し、練混ぜ水に冷水を使用
- 運搬時間を30分以内に短縮
- 打込み温度の管理値を35℃以下に設定
2. 打設時間帯の設定
- 気温の低い早朝(5:00〜9:00)に打設を実施
- 1日の打設量を制限(100m³/日以下)
3. 養生の徹底
- 打設後24時間以内に散水養生を開始
- 散水養生を5日間以上継続
- 養生マットで表面からの水分蒸発を抑制
ポイント
- 必ず具体的な数値を入れる(温度、時間、日数など)
- 「適切に」「十分に」などの曖昧な表現を避ける
- 複数の対策を組み合わせて実施したことを示す
結果の書き方
対策によって得られた結果を、具体的な成果として記述します。
良い例
これらの対策を実施した結果、
- 全ての打設において打込み温度を33℃以下に管理
- コンクリート表面にひび割れの発生なし
- 圧縮強度試験において設計基準強度24N/mm²を全て上回り、
平均30.5N/mm²を達成
- 発注者からの品質検査においても合格
以上により、所定の品質を確保することができた。
ポイント
- 数値で結果を示す(温度、強度など)
- 「ひび割れなし」「検査合格」など成果を明記
- 課題が解決されたことを明確にする
工種別の記述例
コンクリート工の品質管理(夏季施工)
課題
本工事は、橋梁下部工(橋台2基)のコンクリート打設を
7月〜8月の夏季に行う計画であった。
日平均気温が30℃を超え、日中は35℃以上になる日が続くことが予想され、
暑中コンクリートにおける品質確保が課題となった。
特に、温度ひび割れの発生防止と所定の強度確保が重要であった。
検討内容
上記の課題に対し、以下の観点から検討を行った。
1. コンクリートの温度管理
- 打込み温度の上限値設定
- 材料温度の低減方法
2. 施工方法の見直し
- 打設時間帯の変更
- 1回の打設量の制限
3. 養生計画
- 養生方法の選定
- 養生期間の設定
対策
検討結果に基づき、以下の対策を実施した。
1. 温度管理
- 打込み温度の管理値を35℃以下に設定
- 生コン工場に冷水の使用を依頼
- コンクリートの運搬時間を20分以内に管理
2. 施工方法
- 打設は早朝5:00〜10:00に限定
- 1日の打設量を80m³以下に制限
- 型枠・鉄筋への散水を打設直前まで実施
3. 養生
- 打設後3時間以内に散水養生を開始
- 養生マットで被覆し、1日3回の散水を7日間継続
- コンクリート温度が25℃以下になるまで養生を継続
結果
これらの対策により、以下の結果を得た。
- 全ての打設で打込み温度32〜34℃を達成
- コンクリート表面にひび割れの発生なし
- 材齢28日の圧縮強度試験:平均32.4N/mm²(設計基準強度24N/mm²)
- 出来形検査・品質検査ともに合格
所定の品質を確保し、工事を完成することができた。
コンクリート工の品質管理(冬季施工)
課題
本工事は、擁壁工のコンクリート打設を12月〜2月の冬季に行う計画であった。
施工地は山間部に位置し、日最低気温が-5℃以下になる日もあり、
寒中コンクリートにおける凍害防止と所定の強度発現が課題となった。
検討内容
上記の課題に対し、以下の観点から検討を行った。
1. コンクリートの初期凍害防止
- 打込み温度の確保方法
- 保温養生の方法
2. 強度発現の確保
- 配合の見直し(早強セメントの使用等)
- 養生温度の管理
3. 養生期間の設定
- 脱型時期の判断基準
- 養生期間中の温度管理
対策
検討結果に基づき、以下の対策を実施した。
1. 初期凍害防止
- 打込み温度を10℃以上に管理
- 生コン工場から現場までの運搬時間を15分以内に短縮
- アジテータ車をシートで覆い保温
2. 保温養生
- 打設後直ちにジェットヒーターで加温
- 養生テントを設置し、内部温度を5℃以上に維持
- コンクリート温度計を設置し、常時監視
3. 養生期間
- 圧縮強度が5N/mm²に達するまで保温養生を継続(最低5日間)
- テストピースによる強度確認後に脱型
結果
これらの対策により、以下の結果を得た。
- 全ての打設で打込み温度12〜15℃を確保
- 養生期間中の最低温度6℃以上を維持
- 凍害によるひび割れ・スケーリングの発生なし
- 材齢28日の圧縮強度:平均28.7N/mm²(設計基準強度21N/mm²)
寒中コンクリートとしての品質を確保し、工事を完成することができた。
盛土工の品質管理
課題
本工事は、道路盛土(盛土高さ最大8m、延長200m)の施工であった。
使用土が高含水比の粘性土であり、締固め後の強度確保が課題となった。
また、降雨による含水比の変動が予想され、安定した品質の確保が求められた。
検討内容
上記の課題に対し、以下の観点から検討を行った。
1. 使用土の品質管理
- 含水比の管理方法
- 土質試験の頻度
2. 締固め管理
- 締固め度の規格値設定
- 転圧機械・転圧回数の決定
3. 降雨対策
- 排水処理の計画
- 作業中止基準の設定
対策
検討結果に基づき、以下の対策を実施した。
1. 使用土の品質管理
- 現場含水比試験を1日2回実施
- 最適含水比±3%以内を管理値として設定
- 含水比が高い場合は曝気乾燥を実施
2. 締固め管理
- 締固め度90%以上を規格値に設定
- 振動ローラ(10t)で8回転圧
- 1層の仕上がり厚さを30cm以下に管理
- RI計器による密度試験を500m²に1回実施
3. 降雨対策
- 盛土天端に4%の横断勾配を設定
- 仮排水溝を設置し、表面水を速やかに排除
- 降雨予報時は施工を中止し、養生シートで被覆
結果
これらの対策により、以下の結果を得た。
- 全ての測定点で締固め度92〜96%を達成
- 含水比は最適含水比±2%以内に管理
- 降雨後の品質低下なし
- 出来形管理基準値をすべて満足
- 完成後の沈下量は設計値以内(50mm以下)
所定の盛土品質を確保し、工事を完成することができた。
舗装工の品質管理
課題
本工事は、県道のアスファルト舗装打替え工事(施工面積3,000m²)であった。
夜間施工のため、舗装温度の低下による締固め不足が懸念された。
また、既設舗装との接合部における品質確保が課題となった。
検討内容
上記の課題に対し、以下の観点から検討を行った。
1. 舗装温度の管理
- 敷均し温度の管理方法
- 運搬時の保温対策
2. 締固め管理
- 転圧温度の確保
- 締固め度の管理
3. 既設舗装との接合部
- タックコートの塗布量
- 接合部の処理方法
対策
検討結果に基づき、以下の対策を実施した。
1. 舗装温度管理
- 敷均し温度140℃以上を管理値に設定
- ダンプトラックにシートを被覆し保温
- 運搬時間を20分以内に短縮
2. 締固め管理
- 初転圧を110℃以上で実施
- マカダムローラ、タイヤローラ、タンデムローラの順で転圧
- 締固め度は96%以上を目標
3. 接合部対策
- 既設舗装端部を切削し、直線的な接合面を形成
- タックコート0.4L/m²を均一に塗布
- 接合部は入念に転圧を実施
結果
これらの対策により、以下の結果を得た。
- 敷均し温度142〜155℃を確保
- 全測定点で締固め度97〜99%を達成
- 既設舗装との接合部に段差・クラック発生なし
- 平坦性試験:σ=1.8mm(規格値2.4mm以下)
- 密度試験:全箇所で規格値を満足
良好な舗装品質を確保し、工事を完成することができた。
減点されないためのチェックポイント
チェック1:具体的な数値が入っているか
| 項目 | 悪い例 | 良い例 |
|---|---|---|
| 温度 | 「適切に管理」 | 「35℃以下に管理」 |
| 日数 | 「十分な期間」 | 「5日間以上」 |
| 頻度 | 「こまめに実施」 | 「1日3回実施」 |
| 強度 | 「所定の強度」 | 「24N/mm²以上」 |
チェック2:専門用語が正しく使われているか
頻出の専門用語
チェック3:論理的な流れになっているか
課題 → なぜそれが課題なのか(背景・理由)
↓
検討 → 課題に対する複数の観点からの検討
↓
対策 → 具体的な実施内容(数値入り)
↓
結果 → 対策による成果(数値入り)、課題解決の確認
チェック4:誤字脱字がないか
記述式試験では、誤字脱字は減点対象です。特に以下の用語に注意しましょう。
チェック5:字数は適切か
経験記述の解答欄には限りがあります。
- 短すぎない:空欄が多いと減点の可能性
- 長すぎない:欄外に書くと採点されない
- 目安:解答欄の8〜9割程度を埋める
あわせて読みたい
まとめ
2級土木施工管理技士の品質管理の経験記述は、合否を左右する重要な問題です。
合格する記述のポイント
- 工事概要は具体的に:工種、数量、工期を正確に
- 課題は技術的に:なぜ課題なのか背景も説明
- 検討内容は複数の観点で:多角的な検討を示す
- 対策は数値入りで:「35℃以下」「5日間以上」など
- 結果は成果を明確に:強度、品質検査の結果など
準備のステップ
- 自分が経験した工事を整理する
- 品質管理上の課題を抽出する
- 本記事の記述例を参考に記述案を作成
- 何度も書き直して完成度を高める
- 実際に手書きで練習する
品質管理だけでなく、工程管理・安全管理の記述も準備しておきましょう。工程管理の書き方については、関連記事をご参照ください。
過去問演習には、当サイトの2級土木施工管理技士 過去問をご活用ください。専門用語の確認には用語集が便利です。
しっかりと準備して、令和8年度の合格を目指しましょう。
関連記事
関連する資格ページ
監修・執筆
sekocan 編集部
施工管理技士の資格取得支援に特化した学習プラットフォーム。現役の施工管理技士や建設業界の専門家が監修した正確で実践的な情報を提供しています。