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「2級土木施工管理技士の経験記述、何を書けばいいかわからない...」
第二次検定の最大の難関である経験記述。自分の経験をどのように文章にすればよいか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、令和8年度の2級土木施工管理技士 第二次検定に向けて、品質管理・安全管理・工程管理の3テーマについて、合格レベルの例文と書き方のコツを詳しく解説します。
この記事でわかること
- 経験記述の出題形式と評価ポイント
- 品質管理テーマの例文集
- 安全管理テーマの例文集
- 工程管理テーマの例文集
- 高得点を取るための書き方のコツ
- よくある失敗パターンと対策
経験記述の出題形式
第二次検定の構成
2級土木施工管理技士の第二次検定は、以下の構成で出題されます。令和8年度もこの形式が継続されると予想されます。
| 問題 | 内容 | 配点目安 |
|---|---|---|
| 問題1 | 経験記述 | 40点程度 |
| 問題2〜5 | 土木一般・専門土木・法規・施工管理 | 60点程度 |
経験記述は配点が高く、合否を左右する最重要問題です。
経験記述の出題パターン
経験記述では、以下の3つのテーマからいずれかが出題されます。
どのテーマが出題されるかは事前にわからないため、3テーマすべての準備が必要です。
記述の基本構成
経験記述は、一般的に以下の構成で記述します。
1. 工事概要(指定様式で記入)
- 工事名
- 発注者名
- 工事場所
- 工期
- 工事内容
- あなたの立場
2. 技術的課題
- 工事で直面した具体的な課題
3. 検討内容
- 課題に対してどのような検討を行ったか
4. 実施した対策
- 具体的に実施した対策の内容
5. 得られた結果
- 対策を実施した結果どうなったか
品質管理の例文集
例文1:コンクリート舗装の品質管理
工事概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 工事名 | 市道○○線舗装補修工事 |
| 発注者 | ○○市 |
| 工事場所 | ○○県○○市○○町地内 |
| 工期 | 令和○年○月〜令和○年○月(3ヶ月) |
| 工事内容 | コンクリート舗装工 延長200m、幅員6m |
| 立場 | 現場代理人 |
課題の背景
本工事は、市道のコンクリート舗装補修工事である。夏季施工(7月〜8月)となるため、コンクリートの急激な乾燥によるひび割れ発生と、暑中コンクリートとしての品質確保が課題であった。
検討内容
コンクリート舗装の品質確保について、以下の点を検討した。
- 暑中コンクリートの配合設計
- 打設時の温度管理方法
- 養生方法と養生期間
実施した対策
第一に、生コン工場と協議し、暑中コンクリート対応として練り上がり温度を35度以下に管理するよう依頼した。また、スランプを8cmに設定し、ワーカビリティを確保した。
第二に、打設時間を朝6時から開始し、午前中に打設を完了させた。生コン車の待機時間は30分以内とし、練り混ぜから打設完了までを60分以内に管理した。
第三に、打設後は直ちに養生マット(湿潤養生シート)で表面を覆い、散水養生を14日間継続した。散水は1日3回(朝・昼・夕)実施し、常に湿潤状態を保った。
得られた結果
これらの対策により、材齢28日の曲げ強度試験で設計基準強度4.5N/mm2に対し5.2N/mm2を記録した。表面のひび割れも発生せず、良好な品質のコンクリート舗装を施工できた。
例文2:盛土工事の品質管理
工事概要
課題の背景
本工事は、道路改良に伴う盛土工事である。盛土材料に現場発生土を使用する計画であったが、含水比が高く(自然含水比35%)、そのままでは締固め品質の確保が困難であった。
検討内容
盛土品質の確保について、以下の点を検討した。
- 盛土材料の含水比調整方法
- 締固め方法と管理基準
- 施工時期と天候への対応
実施した対策
第一に、現場発生土を仮置きヤードで天日乾燥させ、含水比を最適含水比(wopt=28%)±5%に調整した。仮置き期間は2週間とし、週1回の含水比試験で管理した。
第二に、盛土は1層の仕上がり厚さを30cmとし、10tの振動ローラーで8回転圧した。締固め度は現場密度試験で確認し、90%以上を合格基準とした。不合格箇所は再転圧を実施した。
第三に、降雨時は盛土作業を中止し、排水勾配(3%)を設けて表面水を速やかに排除した。作業再開前には表面の軟弱部分を除去してから次層を施工した。
得られた結果
現場密度試験の結果、全測定箇所で締固め度92〜96%を達成し、基準値90%を上回った。完成後の地盤沈下も許容範囲内(10mm以下)に収まり、良好な盛土品質を確保できた。
例文3:アスファルト舗装の品質管理
工事概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 工事名 | 国道○○号舗装修繕工事 |
| 発注者 | 国土交通省○○地方整備局 |
| 工事場所 | ○○県○○市○○地内 |
| 工期 | 令和○年○月〜令和○年○月(4ヶ月) |
| 工事内容 | アスファルト舗装工 面積3,500m2 |
| 立場 | 現場代理人 |
課題の背景
本工事は、国道の舗装修繕工事である。冬季施工(12月〜2月)となるため、アスファルト混合物の温度低下による締固め不良と、平たん性の確保が品質管理上の課題であった。
検討内容
冬季のアスファルト舗装品質確保について、以下の点を検討した。
- 混合物の温度管理方法
- 運搬時の保温対策
- 締固め作業の方法と管理
実施した対策
第一に、アスファルトプラントでの出荷温度を通常より10度高い170度に設定した。運搬車両にはシートを二重に被せ、保温に努めた。現場到着時の温度は140度以上を確認基準とした。
第二に、敷きならし後は速やかに初転圧を行い、混合物温度が110度以上の間に締固めを完了させた。タンデムローラー(10t)による初転圧、タイヤローラー(8t)による二次転圧、仕上げ転圧の順で施工した。
第三に、気温が5度以下となる日は施工を中止し、気温が上昇する時間帯(10時〜15時)に集中して作業を行った。1日の施工量は通常の80%に抑え、品質確保を優先した。
得られた結果
舗装完成後の検査で、密度は基準密度の97%を達成し、平たん性も基準値3mm以内を満足した。冬季施工にも関わらず、所定の品質を確保できた。
安全管理の例文集
例文1:掘削工事の安全管理
工事概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 工事名 | 下水道管渠築造工事 |
| 発注者 | ○○市上下水道局 |
| 工事場所 | ○○県○○市○○町地内 |
| 工期 | 令和○年○月〜令和○年○月(5ヶ月) |
| 工事内容 | 開削工法による管渠築造 延長150m、深さ3.5m |
| 立場 | 主任技術者 |
課題の背景
本工事は、市街地での下水道管渠築造工事である。掘削深さが3.5mと深く、土留め支保工内での作業となるため、土砂崩壊による労働災害防止が最も重要な安全管理課題であった。
検討内容
掘削工事の安全確保について、以下の点を検討した。
- 土留め支保工の設計と施工方法
- 掘削作業中の安全対策
- 土砂崩壊の兆候監視方法
実施した対策
第一に、土留め支保工は軽量鋼矢板(厚さ8mm)を使用し、腹起し・切梁で支保した。切梁の設置間隔は垂直方向1.5m、水平方向2.0mとし、設計荷重に対して十分な安全率を確保した。
第二に、掘削作業前に毎朝のKY活動で「土砂崩壊」を重点危険項目として周知した。作業員の昇降には専用の昇降設備(アルミ梯子)を使用し、土留め壁を足がかりにすることを禁止した。
第三に、点検担当者を指名し、毎日始業前と作業終了後に土留め支保工の点検を実施した。点検項目は、矢板の変形、切梁のたわみ、ボルトの緩みとし、チェックリストに記録した。
得られた結果
工事期間中、土砂崩壊事故および労働災害は発生しなかった。土留め支保工の点検で軽微な異常を2箇所発見したが、速やかに補強を行い、事故を未然に防止できた。
例文2:交通誘導員配置の安全管理
工事概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 工事名 | 市道○○線舗装修繕工事 |
| 発注者 | ○○市 |
| 工事場所 | ○○県○○市○○町地内 |
| 工期 | 令和○年○月〜令和○年○月(2ヶ月) |
| 工事内容 | アスファルト舗装補修 延長500m |
| 立場 | 現場代理人 |
課題の背景
本工事は、交通量の多い市道(日交通量8,000台)での舗装修繕工事である。片側交互通行規制での施工となるため、工事車両・作業員と一般車両の接触事故防止が最も重要な安全管理課題であった。
検討内容
交通安全管理について、以下の点を検討した。
- 交通誘導員の配置計画
- 保安施設の設置方法
- 作業員の安全確保対策
実施した対策
第一に、交通誘導員は規制区間の両端に各2名(計4名)を配置した。また、規制開始点の100m手前に予告看板と誘導員を追加配置し、ドライバーへの早期注意喚起を図った。
第二に、保安施設は、回転灯付き工事看板、矢印板、コーン、バリケードを設置した。夜間作業時は全ての保安施設に反射材を取り付け、照明灯(投光器)を4箇所に設置した。
第三に、作業員全員に反射ベストの着用を義務付けた。また、工事車両の出入り時は必ず誘導員が一般車両を停止させてから誘導することをルール化し、朝礼で毎日周知した。
得られた結果
工事期間中、一般車両との接触事故はゼロであった。近隣住民からの苦情も1件もなく、安全に工事を完了することができた。
例文3:重機作業の安全管理
工事概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 工事名 | 河川護岸工事 |
| 発注者 | ○○県 |
| 工事場所 | ○○県○○市○○川地内 |
| 工期 | 令和○年○月〜令和○年○月(4ヶ月) |
| 工事内容 | 護岸工(コンクリートブロック積) 延長80m |
| 立場 | 主任技術者 |
課題の背景
本工事は、河川護岸のコンクリートブロック積工事である。バックホウによるブロック吊り上げ作業が頻繁に行われるため、重機と作業員の接触事故防止が最も重要な安全管理課題であった。
検討内容
重機作業の安全確保について、以下の点を検討した。
- 作業区域の明確化と立入禁止措置
- 合図・誘導のルール化
- 重機の転倒・転落防止対策
実施した対策
第一に、バックホウの旋回範囲内を立入禁止区域とし、カラーコーンとロープで明示した。吊り荷の下は人の立入りを禁止し、吊り荷移動時は全員退避を徹底した。
第二に、専任の合図者を1名配置し、オペレーターとの合図は笛と手信号で統一した。合図者以外からの指示は受けないことをルール化し、混乱による事故を防止した。
第三に、重機の作業場所(河川敷)は地盤が軟弱であったため、敷鉄板(22mm厚)を敷設して養生した。毎朝の始業前点検で、敷鉄板のずれ、沈下がないことを確認してから作業を開始した。
得られた結果
工事期間中、重機との接触事故、吊り荷の落下事故は発生しなかった。無事故・無災害で工事を完了し、発注者から安全管理の表彰を受けた。
工程管理の例文集
例文1:悪天候による工程遅延対策
工事概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 工事名 | 農道整備工事 |
| 発注者 | ○○市農政課 |
| 工事場所 | ○○県○○市○○町地内 |
| 工期 | 令和○年○月〜令和○年○月(4ヶ月) |
| 工事内容 | 路盤工、アスファルト舗装工 延長300m |
| 立場 | 現場代理人 |
課題の背景
本工事は、農道の路盤整備と舗装工事である。施工期間中の9月に連続した秋雨により、路盤工事が計画より10日間遅延し、工期内完成が危ぶまれる状況となった。
検討内容
工程遅延の対策について、以下の点を検討した。
- 遅延挽回のための施工方法の見直し
- 作業員・機械の増強計画
- 発注者との工程調整
実施した対策
第一に、路盤材料の敷きならし・転圧作業を2班体制から3班体制に増強した。増員した作業員3名と転圧機械(振動ローラー)1台は、協力会社から応援を得た。
第二に、天候が回復した日は作業時間を延長し、日没まで作業を継続した。照明設備を準備し、薄暮時でも安全に作業できる体制を整えた。
第三に、発注者と協議し、舗装工事を土曜日にも実施する許可を得た。近隣への騒音配慮から、土曜日の作業時間は9時〜16時に限定した。
得られた結果
これらの対策により、遅延した10日間を2週間で挽回し、当初工期通りに工事を完了することができた。追加費用(人件費、機械損料)は発生したが、工期遵守を最優先とした。
例文2:工期短縮の取り組み
工事概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 工事名 | 急傾斜地崩壊対策工事 |
| 発注者 | ○○県土木事務所 |
| 工事場所 | ○○県○○市○○町地内 |
| 工期 | 令和○年○月〜令和○年○月(5ヶ月) |
| 工事内容 | 法枠工、アンカー工 施工面積600m2 |
| 立場 | 主任技術者 |
課題の背景
本工事は、急傾斜地の崩壊対策工事である。梅雨前の完成が求められたため、当初計画より1ヶ月早い完成を目指す必要があり、工期短縮が重要な課題であった。
検討内容
工期短縮について、以下の点を検討した。
- 法枠工の施工方法の効率化
- アンカー工との並行作業の可能性
- コンクリート養生期間の短縮方法
実施した対策
第一に、法枠工の型枠を従来の木製型枠から金属製の組立式型枠に変更した。これにより、型枠の組立・解体時間を従来の半分に短縮できた。
第二に、法枠工とアンカー工を並行して施工した。斜面を4区画に分割し、第1区画で法枠施工中に、第2区画でアンカー削孔を行う追いかけ施工とした。
第三に、法枠コンクリートに早強ポルトランドセメントを使用し、型枠存置期間を7日から4日に短縮した。脱型前に圧縮強度試験で5N/mm2以上を確認した。
得られた結果
工期短縮策により、当初工期より25日早い完成を達成した。梅雨入り前に全ての工事を完了し、出水期の安全を確保することができた。
高得点を取るための5つのコツ
コツ1:具体的な数値を入れる
経験記述では、数値の有無が評価を大きく左右します。
| 項目 | 悪い例 | 良い例 |
|---|---|---|
| 規模 | 長い区間 | 延長200m |
| 期間 | 長期間養生 | 14日間養生 |
| 人数 | 増員した | 3名から5名に増員 |
| 強度 | 基準を満足 | 設計強度4.5N/mm2を達成 |
コツ2:自分の立場・役割を明確に
「私は〇〇の立場として、△△を行った」という視点で記述します。
良い記述例:
- 「現場代理人として、協力会社との増員交渉を行った」
- 「主任技術者として、品質管理計画を立案した」
コツ3:課題→対策→結果の流れを明確に
論理的な文章構成が高評価につながります。
基本構成:
【課題】〇〇という状況から、△△が課題であった。
【対策】課題に対して、□□を実施した。
【結果】その結果、◇◇を達成できた。
コツ4:専門用語を正しく使う
土木工事の専門用語を適切に使用しましょう。
使用すべき専門用語の例:
コツ5:具体的な対策を3つ程度挙げる
対策は1つだけでなく、複数(3つ程度)を記述すると説得力が増します。
対策の記述例:
第一に、〇〇を実施した。 第二に、△△を行った。 第三に、□□の対策を講じた。
よくある失敗パターンと対策
失敗1:テーマから逸脱
NG例:品質管理のテーマなのに、安全対策ばかり記述
対策:テーマに沿った内容のみを記述する
失敗2:工事内容が簡易すぎる
NG例:「側溝を10m施工した」など、規模が小さすぎる
対策:ある程度の規模・難易度の工事を選ぶ
失敗3:対策が曖昧
NG例:「適切な対策を実施した」「十分な管理を行った」
対策:具体的な方法・数値を記述する
失敗4:他人事のような記述
NG例:「作業員が作業した」「業者が施工した」
対策:「私は」「自分が」という主体的な視点で記述する
失敗5:結果が記述されていない
NG例:対策を列挙するだけで、その結果が書かれていない
対策:必ず最後に「その結果、〇〇を達成した」と記述する
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2級土木施工管理技士の第二次検定対策に、以下の記事も参考になります。
- 2級土木施工管理技士 第二次検定の対策完全ガイド - 記述式問題全体の対策ができます
- 2級土木施工管理技士 出来形管理の書き方と例文 - 出来形管理の記述対策に特化した記事です
- 2級土木施工管理技士に独学で合格する勉強法 - 学習スケジュールの立て方がわかります
まとめ
令和8年度の2級土木施工管理技士 第二次検定に向けて、経験記述のポイントをまとめます。
準備すべき3テーマ:
- 品質管理:コンクリート、盛土、舗装の品質確保
- 安全管理:労働災害防止、第三者災害防止
- 工程管理:遅延対策、工期短縮
高得点を取るコツ:
- 具体的な数値を入れる
- 自分の立場・役割を明確にする
- 課題→対策→結果の流れを明確にする
- 専門用語を正しく使う
- 具体的な対策を複数挙げる
避けるべき失敗パターン:
- テーマからの逸脱
- 工事規模が小さすぎる
- 対策が曖昧
- 他人事のような記述
- 結果の欠如
この記事で紹介した例文を参考に、自分の経験に基づいた解答パターンを3テーマ分用意しておきましょう。
過去問演習と合わせて対策を進め、令和8年度の合格を目指しましょう。
土木施工管理の専門用語は用語集でも確認できます。
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監修・執筆
sekocan 編集部
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