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令和8年度の2級建築施工管理技士 第二次検定で、品質管理テーマの経験記述に自信がない方へ。
「品質管理って具体的に何を書けばいいの?」「例文を見て書き方のコツを掴みたい」という声をよく聞きます。
品質管理の経験記述では、材料の品質確保、施工精度の管理、仕上がり品質の確保について、具体的な数値を交えて記述することが求められます。
この記事では、令和6年度から導入された新形式に対応した品質管理の例文を複数パターン紹介し、高得点を狙うための書き方のコツを解説します。
この記事でわかること
- 品質管理テーマで求められる記述内容
- 工種別の経験記述例文(コンクリート、タイル、防水など)
- 新形式での解答作成の手順
- よくある減点ポイントと対策
品質管理の経験記述で求められること
品質管理とは何か
品質管理とは、設計図書で求められた品質を確保するために、材料・施工方法・検査方法などを管理することです。
第二次検定では、以下の視点から記述することが求められます。
新形式での出題パターン
令和6年度からの新形式では、提示された工事概要に対して品質管理上の課題と対策を記述します。令和8年度もこの形式が継続されると予想されます。
具体的には以下のような流れで出題されます。
- 3つの工事概要(新築・解体・改修)から1つを選択
- 選択した工事に対する品質管理上の課題を特定
- 課題に対する具体的な対策を記述
品質管理の例文集【工種別】
例文1:コンクリート工事(夏季施工)
想定される工事概要:RC造3階建て事務所ビル、延床面積800平方メートル、8月着工
課題の背景
外気温が30度を超える夏季のコンクリート打設となるため、コンクリートの温度上昇によるひび割れ発生と、スランプロスによるワーカビリティ低下が懸念された。
検討内容
暑中コンクリートの品質確保について、以下の3点を検討した。
- コンクリートの練り上がり温度の管理方法
- 運搬時間の短縮策
- 打設後の養生方法
実施した対策
生コン工場に練り上がり温度を35度以下とするよう指示し、運搬車到着時に温度計で確認した。運搬時間は練り混ぜ開始から打設完了まで90分以内となるよう、生コン工場との距離を考慮して発注先を選定した。打設後は直射日光を避けるため養生マットで覆い、散水養生を5日間継続して実施した。
得られた結果
これらの対策により、コンクリートの圧縮強度試験で設計基準強度24N/mm2に対し28N/mm2を確保し、温度ひび割れの発生を防止することができた。
例文2:コンクリート工事(冬季施工)
想定される工事概要:RC造2階建て共同住宅、延床面積500平方メートル、12月〜2月施工
課題の背景
外気温が5度以下となる冬季施工であるため、コンクリートの初期凍害による強度低下と、打継ぎ部のコールドジョイント発生が懸念された。
検討内容
寒中コンクリートの品質確保について、以下の点を検討した。
- コンクリートの温度管理方法
- 打継ぎ部の処理方法
- 養生期間と方法
実施した対策
コンクリートの練り上がり温度を10度から20度の範囲で管理し、打設時の温度が5度以上となるよう調整した。打設後は養生シートで躯体を覆い、ジェットヒーターで内部温度を10度以上に保ちながら、材齢5日間の保温養生を行った。打継ぎ部はレイタンスを高圧洗浄で除去し、プライマーを塗布してから次層を打設した。
得られた結果
養生期間終了後の圧縮強度試験で設計基準強度を確保し、打継ぎ部の品質検査でもコールドジョイントの発生がないことを確認した。
例文3:タイル工事(外壁タイル張り)
想定される工事概要:S造3階建て店舗、外壁タイル張り仕上げ
課題の背景
外壁タイル張り工事において、タイルの剥離・剥落は重大な事故につながるため、接着強度の確保が重要な課題であった。
検討内容
タイルの接着品質確保について、以下の点を検討した。
- 下地モルタルの調合と塗り厚
- タイル張り付けモルタルの管理
- 接着強度の確認方法
実施した対策
下地モルタルは金ごて仕上げとし、十分な乾燥期間(2週間以上)を確保した。張り付けモルタルは調合から60分以内に使用することとし、残ったモルタルは再使用しないよう管理した。タイル裏面には張り付けモルタルを全面に塗布し、もみ込み工法で圧着した。施工後は引張接着強度試験を実施し、0.4N/mm2以上を確認した。
得られた結果
引張接着強度試験の結果、全箇所で基準値0.4N/mm2を上回る0.6N/mm2以上を確保し、竣工後5年経過時点での定期点検でも剥離・浮きの発生がないことを確認した。
例文4:防水工事(屋上アスファルト防水)
想定される工事概要:RC造4階建て事務所、陸屋根(アスファルト防水)
課題の背景
屋上防水工事において、下地コンクリートの乾燥状態と防水層の密着性が、長期的な防水性能を左右する重要な品質管理項目であった。
検討内容
防水工事の品質確保について、以下の点を検討した。
- 下地コンクリートの含水率管理
- プライマーの塗布方法
- アスファルトの温度管理
実施した対策
下地コンクリートは高周波水分計を用いて含水率8%以下を確認してから施工を開始した。プライマーは0.3kg/m2の塗布量を確保し、24時間以上の乾燥時間を設けた。アスファルトの溶融温度は240度から270度の範囲で管理し、アスファルトルーフィングは10cm以上のラップ幅を確保して張り重ねた。
得られた結果
防水層完成後の散水試験で漏水がないことを確認し、竣工から3年経過後の点検でも防水層の浮きや破れがなく、良好な防水性能を維持していることを確認した。
例文5:鉄筋工事(かぶり厚さ管理)
想定される工事概要:RC造3階建て共同住宅、新築工事
課題の背景
鉄筋コンクリート造の耐久性を確保するため、鉄筋のかぶり厚さの確保が重要な課題であった。特に梁・柱の交差部では鉄筋が輻輳し、かぶり厚さの確保が困難になることが予想された。
検討内容
かぶり厚さの品質確保について、以下の点を検討した。
- スペーサーの種類と配置間隔
- 鉄筋の組立精度の管理方法
- コンクリート打設前の検査方法
実施した対策
スペーサーはドーナツ型(かぶり厚さ40mm用)を使用し、1m2あたり4個以上を配置した。鉄筋組立後はスケールで主筋のかぶり厚さを測定し、設計かぶり厚さ40mmに対して50mm以上を確保していることを確認した。梁・柱交差部は鉄筋の干渉箇所を事前に検討し、鉄筋加工図を作成して現場での手直しを防止した。
得られた結果
コンクリート打設前の配筋検査で全箇所のかぶり厚さが基準値を満足していることを確認し、構造図通りの耐久性を確保できた。
例文6:木工事(含水率管理)
想定される工事概要:木造2階建て住宅、在来軸組工法
課題の背景
木造住宅の品質を確保するため、構造材の含水率管理が重要な課題であった。含水率が高い材料を使用すると、乾燥収縮によるひび割れや建具の建付け不良が発生するおそれがあった。
検討内容
木材の品質確保について、以下の点を検討した。
- 構造材の含水率基準
- 搬入時の検査方法
- 現場での保管方法
実施した対策
構造材は含水率20%以下の乾燥材を指定し、搬入時に電気抵抗式含水率計で全数検査を行った。基準を超えた材料は返品とした。現場での保管は直射日光と雨を避けるためシートで覆い、地面から30cm以上離して桟木を入れて積み重ねた。
得られた結果
含水率管理を徹底した結果、竣工後6ヶ月点検で構造材の乾燥収縮によるひび割れや建具の不具合は発生せず、良好な品質を確保できた。
品質管理の記述で高得点を取るコツ
1. 具体的な数値を必ず入れる
品質管理では、数値による裏付けが重要です。
| 項目 | 悪い例 | 良い例 |
|---|---|---|
| 温度 | 高温にならないよう管理 | 35度以下となるよう管理 |
| 期間 | 十分な養生期間 | 5日間の養生期間 |
| 強度 | 基準強度を確保 | 24N/mm2以上を確保 |
2. 専門用語を正しく使用する
品質管理でよく使う専門用語を正確に使いましょう。
- 養生:コンクリートの硬化を促進するための保護措置
- かぶり厚さ:コンクリート表面から鉄筋外面までの最短距離
- 打継ぎ:コンクリートを複数回に分けて打設する場合の継ぎ目
- レイタンス:コンクリート表面に浮き出る脆弱な層
- ワーカビリティ:コンクリートの作業性
3. 因果関係を明確にする
「課題→対策→結果」の流れを明確に記述します。
テンプレート:
〇〇という条件があったため、△△が懸念された。そのため、□□という対策を実施した。その結果、◇◇を達成することができた。
4. 検査・確認方法を具体的に記述する
品質管理では「どのように確認したか」も重要です。
- 圧縮強度試験で確認した
- 引張接着強度試験で0.4N/mm2以上を確認した
- 高周波水分計で含水率8%以下を確認した
よくある減点ポイントと対策
減点1:テーマから逸脱している
NG例:品質管理なのに「足場を二重に設置して安全を確保した」
対策:品質管理は「材料品質」「施工精度」「仕上がり品質」に関する内容のみを記述する
減点2:工事概要との不整合
NG例:RC造の工事概要なのに木造の施工方法を記述
対策:解答前に選択した工事概要を再確認し、構造・仕様に合った対策を記述する
減点3:数値が曖昧または不正確
NG例:「適切な温度で管理した」
対策:必ず具体的な数値(〇度、〇日間、〇mm)を記述する
減点4:専門用語の誤用
NG例:「コンクリートを塗った」(正しくは「打設した」)
対策:普段から専門用語を正しく使う習慣をつける
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品質管理の経験記述対策に、以下の記事もご活用ください。
- 2級建築施工管理技士 経験記述の完全ガイド - 3テーマ共通の書き方の基本が学べます
- 2級建築施工管理技士 経験記述 工程管理の例文集 - 工程管理テーマの記述例を確認できます
- 2級建築施工管理技士 経験記述 施工計画の例文集 - 施工計画テーマの記述例も押さえておきましょう
まとめ
令和8年度の2級建築施工管理技士 第二次検定でも、新形式での出題が継続されると予想されます。
品質管理テーマで高得点を取るためのポイントをまとめます。
記述のポイント
- 工事概要の構造・仕様に合った課題を特定する
- 材料品質・施工精度・仕上がり品質の視点で記述する
- 具体的な数値(温度、日数、強度値)を必ず入れる
- 専門用語(養生、かぶり厚さ、打継ぎ等)を正しく使う
- 検査・確認方法を具体的に記述する
この記事で紹介した例文を参考に、自分なりのパターンを複数用意しておきましょう。
令和8年度の合格を目指して、一緒に頑張りましょう。
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監修・執筆
sekocan 編集部
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