目次
令和8年度の2級建築施工管理技士 第二次検定で、施工計画テーマの経験記述に自信がない方へ。
「施工計画って何を書けばいいの?」「品質管理や工程管理との違いがわからない」という声をよく聞きます。
施工計画の経験記述では、工事着手前の計画段階で検討した内容を記述します。具体的には、仮設計画、資材搬入計画、施工方法の選定、養生計画などが対象となります。
この記事では、令和6年度から導入された新形式に対応した施工計画の例文を複数パターン紹介し、高得点を狙うための書き方のコツを解説します。
この記事でわかること
- 施工計画テーマで求められる記述内容
- 計画内容別の経験記述例文(仮設、搬入、施工方法など)
- 品質管理・工程管理との違い
- 新形式での解答作成のポイント
施工計画の経験記述で求められること
施工計画とは何か
施工計画とは、工事を安全かつ効率的に、所定の品質で完成させるために、着工前に立案する計画のことです。
施工計画に含まれる主な内容は以下の通りです。
| 計画項目 | 内容 |
|---|---|
| 仮設計画 | 足場、養生、仮囲い、仮設電気・給排水 |
| 施工方法の選定 | 工法の比較検討、使用機械の選定 |
| 資材搬入計画 | 搬入ルート、搬入時期、仮置き場所 |
| 養生計画 | コンクリート養生、既存部分の保護 |
| 施工順序 | 各工種の施工手順、作業の流れ |
品質管理・工程管理との違い
| テーマ | 視点 | 記述のタイミング |
|---|---|---|
| 施工計画 | 着工前の計画 | 「〇〇を検討した」「〇〇と計画した」 |
| 品質管理 | 施工中の管理 | 「〇〇を確認した」「〇〇を管理した」 |
| 工程管理 | 進捗の管理 | 「〇〇日短縮した」「〇〇を調整した」 |
施工計画は着工前の段階で検討した内容を記述する点が、他の2テーマとの大きな違いです。
新形式での出題パターン
令和6年度からの新形式では、提示された工事概要に対して施工計画上の課題と検討内容を記述します。令和8年度もこの形式が継続されると予想されます。
施工計画では、以下のような視点が求められます。
- 現場条件の把握:敷地形状、周辺環境、搬入経路など
- 課題の抽出:条件から予想される施工上の課題
- 計画の立案:課題に対する具体的な計画内容
施工計画の例文集【計画内容別】
例文1:狭小地での資材搬入計画
想定される工事概要:RC造3階建て店舗、間口6m・奥行15mの狭小敷地、商業地域
課題の背景
敷地が間口6m、奥行15mの狭小地であり、前面道路幅員も6mと狭いため、資材の搬入・仮置きスペースの確保が施工計画上の重要な課題であった。
検討内容
狭小地での資材搬入計画について、以下の点を検討した。
- 搬入車両のサイズと搬入可能時間帯
- 資材の仮置き場所と必要面積
- 揚重機の配置と作業範囲
計画した内容
搬入車両は4トン車以下に限定し、近隣への影響を考慮して搬入時間を午前9時から午後4時までとした。鉄筋、型枠材、コンクリートなどの主要資材はジャストインタイム方式で当日使用分のみを搬入し、仮置きスペースを最大3m×5m(15m2)に抑制する計画とした。揚重機はクローラークレーン25トンを採用し、敷地中央に配置して全方向への作業を可能とした。
計画の効果
この搬入計画により、資材の停滞による作業スペースの圧迫を防ぎ、円滑な施工を実現する見通しを立てた。また、近隣への騒音・振動の影響を最小限に抑えることができる計画とした。
例文2:コンクリート打設計画
想定される工事概要:RC造4階建て事務所、夏季(7月〜9月)施工、延床面積1,200m2
課題の背景
夏季のコンクリート打設となるため、暑中コンクリートの品質確保に向けた施工計画の立案が必要であった。特に、コンクリートの温度管理と養生方法の検討が重要であった。
検討内容
暑中コンクリートの打設計画について、以下の点を検討した。
- コンクリートの練り上がり温度と運搬時間
- 打設時間帯の設定
- 養生方法と期間
計画した内容
生コン工場には練り上がり温度を35度以下とするよう指定し、運搬時間は練り混ぜ開始から打設完了まで90分以内となる工場を選定した。打設時間帯は気温が上昇する前の午前6時から開始し、午前11時までに完了させる計画とした。打設完了後は直射日光を防ぐため養生マットで覆い、散水養生を5日間継続する計画とした。型枠には遮熱シートを設置し、コンクリート温度の上昇を抑制する計画とした。
計画の効果
この打設計画により、コンクリートの温度ひび割れを防止し、所定の強度を確保できる見通しを立てた。
例文3:仮設足場計画
想定される工事概要:S造3階建て店舗、外壁ALC+塗装仕上げ、高さ12m
課題の背景
建物高さ12mの外壁工事において、作業員の安全確保と作業効率の両立が仮設計画上の課題であった。また、前面道路に面しているため、通行人への安全対策も必要であった。
検討内容
仮設足場計画について、以下の点を検討した。
- 足場の種類と構造
- 墜落防止対策
- 第三者への安全対策
計画した内容
足場は枠組足場を採用し、建物外周に沿って設置する計画とした。最上部には手すり先行工法を採用し、足場組立時から手すりが設置された状態で作業できる計画とした。足場外側には防音シートと落下防止ネットを二重に設置し、飛来落下物による第三者災害を防止する計画とした。前面道路側には朝顔(防護棚)を2段設置し、通行人への安全を確保する計画とした。
計画の効果
この足場計画により、高所作業の安全を確保しつつ、外壁工事を効率的に進める見通しを立てた。朝顔の設置により、道路通行者への安全も確保できる計画とした。
例文4:解体工事の施工計画
想定される工事概要:RC造2階建て店舗の解体工事、住宅密集地、延床面積300m2
課題の背景
住宅密集地での解体工事であり、騒音・振動・粉じんによる近隣への影響を最小限に抑える施工計画の立案が必要であった。また、アスベスト含有建材の有無の確認も重要であった。
検討内容
住宅密集地での解体計画について、以下の点を検討した。
- 解体工法の選定
- 騒音・振動・粉じん対策
- アスベスト調査と対応
計画した内容
解体工法は圧砕機による機械解体を基本とし、騒音の大きいブレーカーの使用は最小限に抑える計画とした。作業時間は午前9時から午後5時までとし、日曜・祝日の作業は行わない計画とした。解体着手前に仮囲いを高さ3mで全周に設置し、散水設備を配置して粉じんの飛散を防止する計画とした。着工前にアスベスト調査を実施し、含有建材が確認された場合は専門業者による除去を行う計画とした。
計画の効果
この解体計画により、近隣住民への影響を最小限に抑えながら、安全に解体工事を進める見通しを立てた。
例文5:改修工事の養生計画
想定される工事概要:RC造5階建て事務所の改修工事、営業継続しながらの施工
課題の背景
営業を継続しながらの改修工事であり、既存部分の損傷防止と利用者への安全確保が施工計画上の重要な課題であった。
検討内容
営業継続下での養生計画について、以下の点を検討した。
- 既存床・壁の保護方法
- 作業エリアと営業エリアの区分け
- 粉じん・騒音の遮断方法
計画した内容
既存床はプラスチックダンボール(厚さ5mm)で全面養生し、その上にベニヤ板(厚さ12mm)を敷設して重量物による損傷を防止する計画とした。作業エリアと営業エリアの境界には、軽量鉄骨下地にプラスターボードを張った仮設間仕切りを設置し、粉じんと騒音を遮断する計画とした。間仕切りには気密テープを貼り、隙間からの粉じん漏れを防止する計画とした。
計画の効果
この養生計画により、既存部分を損傷することなく、また営業に支障を与えることなく改修工事を進める見通しを立てた。
例文6:型枠工事の施工計画
想定される工事概要:RC造3階建て共同住宅、基準階の繰り返し
課題の背景
基準階が3層繰り返しとなるRC造共同住宅において、型枠の転用回数を最大化し、コスト削減と工期短縮を図る施工計画の立案が必要であった。
検討内容
型枠工事の施工計画について、以下の点を検討した。
- 型枠の材質と種類
- 転用回数と必要セット数
- 脱型時期とコンクリート強度の関係
計画した内容
型枠は合板型枠(厚さ12mm)を採用し、3セットを用意して1階→2階→3階の順に転用する計画とした。転用回数は3回を想定し、型枠表面には剥離剤を塗布してコンクリートの付着を防止する計画とした。脱型時期はコンクリート圧縮強度が5N/mm2以上に達した時点とし、冬季は養生期間を延長して強度発現を確認してから脱型する計画とした。セパレーターの配置は1m2あたり4本を標準とし、コンクリートの側圧に対する安全性を確保する計画とした。
計画の効果
この型枠計画により、転用による材料費削減と、適切な脱型時期の管理による品質確保を両立できる見通しを立てた。
施工計画の記述で高得点を取るコツ
1. 「計画」であることを明確にする
施工計画では、過去形ではなく計画段階の表現を使います。
| 悪い例(過去形) | 良い例(計画表現) |
|---|---|
| 散水養生を実施した | 散水養生を実施する計画とした |
| 足場を設置した | 足場を設置する計画とした |
| 搬入時間を制限した | 搬入時間を制限する計画とした |
2. 現場条件と計画の関連を明確にする
「なぜその計画にしたのか」を現場条件から説明します。
テンプレート:
〇〇という現場条件があったため、△△が課題であった。そこで、□□という計画を立案した。この計画により、◇◇が期待できる。
3. 具体的な数値・仕様を記述する
施工計画でも、数値や具体的な仕様を入れることで説得力が増します。
- 「仮置きスペースを15m2に抑制する計画とした」
- 「足場高さ3mごとに作業床を設ける計画とした」
- 「養生期間を5日間とする計画とした」
4. 計画の目的・効果を記述する
計画内容だけでなく、「なぜその計画にしたのか」「何が期待できるのか」も記述します。
- 「騒音による近隣への影響を最小限に抑えるため」
- 「資材の停滞を防ぎ、作業効率を向上させるため」
- 「コンクリートの品質を確保するため」
よくある減点ポイントと対策
減点1:品質管理・工程管理との混同
NG例:「コンクリートの圧縮強度試験で24N/mm2を確認した」
対策:これは施工中の「品質管理」。施工計画では「強度確認のため圧縮試験を実施する計画とした」と記述
減点2:計画段階の表現になっていない
NG例:「足場を設置し、安全に作業を行った」
対策:「足場を設置する計画とした」「安全に作業を行えるよう計画した」と計画表現にする
減点3:根拠が不明確
NG例:「適切な施工計画を立案した」
対策:何を、なぜ、どのように計画したかを具体的に記述する
減点4:工事概要との不整合
NG例:新築工事なのに「既存部分の養生計画」を記述
対策:提示された工事概要(新築・解体・改修)に合った計画内容を記述する
あわせて読みたい
あわせて読みたい
施工計画の経験記述対策に、以下の記事もご活用ください。
- 2級建築施工管理技士 経験記述の完全ガイド - 3テーマ共通の書き方の基本が学べます
- 2級建築施工管理技士 経験記述 品質管理の例文集 - 品質管理テーマの記述例を確認できます
- 2級建築施工管理技士 第二次検定の対策完全ガイド - 経験記述以外の記述式問題の対策もできます
まとめ
令和8年度の2級建築施工管理技士 第二次検定でも、新形式での出題が継続されると予想されます。
施工計画テーマで高得点を取るためのポイントをまとめます。
記述のポイント
- 「計画段階」の表現を使う(〇〇する計画とした)
- 現場条件から課題を抽出し、計画の根拠を明確にする
- 具体的な数値・仕様を記述する
- 計画の目的・期待される効果を記述する
- 品質管理・工程管理と混同しないよう注意する
施工計画は「着工前に何を検討したか」を記述するテーマです。仮設計画、搬入計画、施工方法の選定、養生計画など、幅広い内容をカバーできるよう準備しておきましょう。
令和8年度の合格を目指して、一緒に頑張りましょう。
関連する資格ページ
監修・執筆
sekocan 編集部
施工管理技士の資格取得支援に特化した学習プラットフォーム。現役の施工管理技士や建設業界の専門家が監修した正確で実践的な情報を提供しています。