目次
令和8年度の建設機械施工管理技士を受験予定の方へ。
「1級と2級はどう違うの?」「どちらを先に取るべき?」「1級を取ると何ができるようになる?」という疑問をお持ちではありませんか?
建設機械施工管理技士は、他の施工管理技士と異なり実技試験がある独特の資格です。1級と2級では、試験で扱う種別の範囲や実技試験の種別数、そして取得後にできる業務に大きな違いがあります。
この記事では、1級と2級の違いを試験内容・受験資格・業務範囲・キャリアパスの各観点から徹底的に比較します。
この記事でわかること
- 1級と2級の試験内容の違い(6種別の扱い方)
- 受験資格の違い(令和6年度の制度変更含む)
- 取得後の業務範囲・担当できる工事規模
- キャリアパスとステップアップの方法
- どちらを先に取るべきかの判断基準
1級と2級の基本的な違い
全体比較表
| 項目 | 1級 | 2級 |
|---|---|---|
| 技術者区分 | 監理技術者・主任技術者 | 主任技術者 |
| 扱える工事規模 | 制限なし(大規模可) | 一般建設業のみ |
| 学科の出題範囲 | 6種別全て | 選択した種別 |
| 実技試験の種別数 | 2種別 | 1種別 |
| 受験資格(第一次) | 19歳以上 | 17歳以上 |
| 第一次検定合格率 | 約26% | 約46% |
| 第二次検定合格率 | 約62% | 約78% |
| 総合合格率 | 約16% | 約34% |
| 試験実施団体 | 日本建設機械施工協会 | 日本建設機械施工協会 |
特定建設業と一般建設業
建設機械施工管理技士の1級と2級で最も大きな違いは、担当できる工事の規模です。
| 建設業の区分 | 必要な技術者 | 1級 | 2級 |
|---|---|---|---|
| 特定建設業(大規模工事) | 監理技術者 | 可 | 不可 |
| 一般建設業 | 主任技術者 | 可 | 可 |
特定建設業とは、発注者から直接請け負った工事で、下請代金の合計が4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)の工事を行う場合に必要な許可です。1級を持っていれば、こうした大規模工事の監理技術者として配置されることができます。
試験内容の違い
第一次検定(学科)の違い
| 項目 | 1級 | 2級 |
|---|---|---|
| 試験形式 | 四肢択一(マークシート) | 四肢択一(マークシート) |
| 出題範囲 | 6種別全て | 選択した種別のみ |
| 問題数 | 約50問 | 約40問 |
| 試験時間 | 約4時間 | 約2時間30分 |
| 合格基準 | 60%以上 | 60%以上 |
| 合格率 | 約26% | 約46% |
1級の第一次検定が難しい最大の理由は、6種別全ての建設機械に関する知識が問われることです。
6種別の出題範囲の違い
| 種別 | 機械の種類 | 1級 | 2級 |
|---|---|---|---|
| 第1種 | トラクター系(ブルドーザー等) | 出題対象 | 選択した場合のみ |
| 第2種 | ショベル系(バックホウ等) | 出題対象 | 選択した場合のみ |
| 第3種 | モーター・グレーダー | 出題対象 | 選択した場合のみ |
| 第4種 | 締め固め(ロードローラー等) | 出題対象 | 選択した場合のみ |
| 第5種 | 舗装用(フィニッシャー等) | 出題対象 | 選択した場合のみ |
| 第6種 | 基礎工事用(アースオーガー等) | 出題対象 | 選択した場合のみ |
2級は自分が選択した1種別の知識に集中できますが、1級は6種別全ての知識をまんべんなく習得する必要があります。
第二次検定の違い
筆記試験の違い
| 項目 | 1級 | 2級 |
|---|---|---|
| 試験形式 | 記述式 | 記述式 |
| 出題内容 | 施工管理法、建設機械施工法、組合せ施工法 | 施工管理法、建設機械施工法 |
| 記述レベル | 高度な技術的判断を含む | 基本的な施工管理 |
| 組合せ施工法 | 出題あり(令和6年度から形式変更) | 出題なし |
実技試験の違い
| 項目 | 1級 | 2級 |
|---|---|---|
| 実技の種別数 | 2種別 | 1種別 |
| 試験期間 | 8月下旬〜9月中旬 | 8月下旬〜9月中旬 |
| 試験地 | 全国13地域 | 全国13地域 |
| 内容 | 所定コース内での操作施工 | 所定コース内での操作施工 |
1級は2種別の実技試験に合格する必要があるため、2種類の建設機械の操作スキルが求められます。
受験資格の違い
令和6年度からの新制度
令和6年度から受験資格が大幅に緩和されました。
第一次検定の受験資格
| 項目 | 1級 | 2級 |
|---|---|---|
| 年齢要件 | 19歳以上 | 17歳以上 |
| 学歴要件 | なし(撤廃) | なし(撤廃) |
| 実務経験 | なし(撤廃) | なし(撤廃) |
第二次検定の受験資格
| 条件 | 1級 | 2級 |
|---|---|---|
| 1級第一次検定合格後 | 実務経験5年以上 | - |
| 2級第二次検定合格後 | 実務経験5年以上 | - |
| 2級第一次検定合格後 | - | 所定の実務経験 |
ステップアップの流れ
一般的なキャリアパスは以下の通りです。
17歳以上 → 2級 第一次検定 合格
↓
実務経験を積む
↓
2級 第二次検定(筆記+実技)合格 → 2級建設機械施工管理技士
↓
実務経験5年以上
↓
1級 第一次検定 合格
↓
1級 第二次検定(筆記+実技)合格 → 1級建設機械施工管理技士
ただし、令和6年度からの制度変更により、19歳以上であれば実務経験なしで1級の第一次検定を受験できるため、早い段階で1級の第一次検定に挑戦することも可能です。
業務範囲の違い
配置技術者としての違い
| 業務 | 1級 | 2級 |
|---|---|---|
| 主任技術者 | 可 | 可 |
| 監理技術者 | 可 | 不可 |
| 専任の技術者(一般建設業) | 可 | 可 |
| 専任の技術者(特定建設業) | 可 | 不可 |
扱える工事の例
1級で担当可能な大規模工事
- 高速道路の大規模土工事
- ダム建設工事
- 大規模造成工事
- トンネル坑口の大規模掘削工事
- 大規模なインフラ整備工事
2級で担当可能な工事
- 一般道路の修繕工事
- 宅地造成工事
- 下水道管埋設工事
- 小規模な基礎工事
- 舗装修繕工事
経営事項審査(経審)の違い
公共工事の入札に必要な経審では、技術者の保有資格に応じて点数が加算されます。
| 資格 | 技術職員の評価点 |
|---|---|
| 1級建設機械施工管理技士 | 5点 |
| 2級建設機械施工管理技士 | 2点 |
1級を持つ技術者は、会社の経審点数に大きく貢献できます。
年収・待遇の違い
資格手当の目安
| 資格 | 月額手当の目安 | 年間換算 |
|---|---|---|
| 1級建設機械施工管理技士 | 10,000〜30,000円 | 12〜36万円 |
| 2級建設機械施工管理技士 | 5,000〜15,000円 | 6〜18万円 |
キャリアパスの違い
2級取得後のキャリア
- 現場の主任技術者として一般工事を担当
- 建設機械オペレーターのリーダー的役割
- 1級取得に向けたステップアップ
1級取得後のキャリア
- 大規模工事の監理技術者
- 現場所長・工事部長への昇進
- 土木施工管理技士との併有で更なるキャリアアップ
- 転職市場での高い評価
どちらを先に取るべきか
2級から取得するべき人
- 17〜18歳で早く資格を取りたい人
- 建設機械の操作経験がまだ浅い人
- 資格試験の受験経験が少ない人
- まず1種別の知識を固めたい人
1級に直接挑戦するべき人
- 19歳以上で建設機械の操作経験が豊富な人
- 複数種別の建設機械を扱える人
- 他の施工管理技士を既に保有している人
- 早くキャリアアップしたい人
おすすめのルート
ルート1:2級→1級(王道ルート)
| ステップ | 時期の目安 |
|---|---|
| 2級 第一次検定 合格 | 入社1〜2年目 |
| 2級 第二次検定 合格 | 入社2〜3年目 |
| 実務経験を積む | 5年間 |
| 1級 第一次検定 合格 | 入社7〜8年目 |
| 1級 第二次検定 合格 | 入社8〜9年目 |
ルート2:1級 第一次検定を先に取得(効率ルート)
| ステップ | 時期の目安 |
|---|---|
| 1級 第一次検定 合格 | 19歳以上で受験 |
| 2級 第二次検定 合格(並行) | 実務経験を積みながら |
| 1級 第二次検定 合格 | 実務経験5年後 |
令和6年度からの制度変更で、1級の第一次検定は19歳以上であれば受験可能です。早い段階で第一次検定に合格しておくと、後のステップアップがスムーズになります。
建設機械施工管理技士と他の施工管理技士の関係
建設機械施工管理技士は、土木施工管理技士と組み合わせることで更に活躍の幅が広がります。
| 組み合わせ | メリット |
|---|---|
| 建設機械 + 土木 | 土木工事全般の管理+重機施工のスペシャリスト |
| 建設機械 + 建築 | 建築工事の基礎・解体工事に強い |
| 建設機械 + 電気 | インフラ工事の幅広い対応が可能 |
特に建設機械施工管理技士 + 土木施工管理技士の組み合わせは、建設現場で非常に重宝されます。
まとめ:自分のキャリアに合った選択を
1級と2級の建設機械施工管理技士には、試験内容・業務範囲・キャリアパスに大きな違いがあります。
1級と2級の違いのまとめ
| 項目 | 1級 | 2級 |
|---|---|---|
| 最大の特徴 | 6種別全て+実技2種別 | 選択1種別+実技1種別 |
| 合格難易度 | 高い(総合16%) | 中程度(総合34%) |
| 担当工事 | 大規模工事可 | 一般工事のみ |
| キャリアへの影響 | 監理技術者になれる | 主任技術者まで |
判断基準
- まず2級を取得:建設機械の操作経験が浅い方、資格試験が初めての方
- 1級に直接挑戦:操作経験が豊富で、複数種別の機械を扱える方
- 早めに1級第一次検定を受験:19歳以上であれば、実務経験なしで受験可能
いずれのルートでも、実技試験があるという建設機械施工管理技士ならではの特性を理解し、日頃から操作スキルを磨いておくことが大切です。
あわせて読みたい
関連する資格ページ
監修・執筆
sekocan 編集部
施工管理技士の資格取得支援に特化した学習プラットフォーム。現役の施工管理技士や建設業界の専門家が監修した正確で実践的な情報を提供しています。