目次
令和8年度の2級造園施工管理技士 第二次検定を受験予定の方へ。
「経験記述って何を書けばいいの?」「造園工事の経験が少ないけど大丈夫?」「1級との違いは?」
第二次検定の経験記述は、多くの受験者が不安に感じるパートです。しかし、書き方のテンプレートを覚えて事前に準備すれば、初めてでも十分に合格点を取れます。
この記事では、2級造園施工管理技士の経験記述の書き方をテンプレート付きで解説します。
この記事でわかること
- 経験記述の出題形式と配点
- 2級にふさわしい工事の選び方
- 工事概要の書き方テンプレート
- 品質管理・工程管理・安全管理のテーマ別記述例
- 1級との違いとよくある失敗例
経験記述の出題形式
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 配点 | 全体の約35~40% |
| 出題テーマ | 品質管理・工程管理・安全管理から1つ |
| 記述量 | A4用紙1~2枚程度 |
記述する内容
- 工事概要:工事の基本情報
- 技術的課題:直面した問題
- 検討内容:対策として検討したこと
- 実施した対策と結果:実際に行ったことと成果
1級との違い
2級の経験記述は、1級と比べて以下の点が異なります。
| 項目 | 1級 | 2級 |
|---|---|---|
| 工事規模 | 大規模(数千万円以上) | 中小規模でOK |
| 記述の深さ | 高度な技術判断が必要 | 基本的な施工管理で十分 |
| 立場 | 監理技術者・現場代理人 | 主任技術者・現場監督 |
| 求められる数値 | 詳細な根拠データ | 基本的な数値でOK |
| 造園工事の例 | 大規模公園整備、都市緑化 | 街区公園、マンション植栽、庭園整備 |
2級のポイント:1級ほど大規模な工事や高度な技術判断は求められません。自分が実際に携わった造園工事について、基本に忠実に記述すれば合格点を取れます。
2級にふさわしい工事の選び方
適切な工事例
| 工事例 | 規模の目安 |
|---|---|
| 公園の植栽工事 | 面積500~3,000m2 |
| マンション外構の緑化工事 | 植栽本数50~200本 |
| 街路樹の植栽工事 | 延長100~500m |
| 学校・施設の庭園整備 | 面積300~1,000m2 |
| 河川護岸の緑化工事 | 面積500~2,000m2 |
| 個人邸の大規模庭園工事 | 面積200m2以上 |
選び方のポイント
- 自分が実際に携わった工事であること(虚偽記載は厳禁)
- 施工管理の要素がある工事であること(除草・剪定のみは避ける)
- 具体的に書ける内容があるか(課題・対策・結果を記述できるか)
避けるべき工事例
- 除草や剪定のみの維持管理作業
- 自宅の庭の手入れ
- 施工管理の要素がない単純作業
- 内容を具体的に記述できない工事
工事概要の書き方テンプレート
記述例
工事名:〇〇公園植栽整備工事
工事場所:〇〇県〇〇市〇〇町
工期:令和〇年5月~令和〇年9月(5ヶ月間)
工事内容:公園面積2,500m2の植栽工事
高木35本(ケヤキ、サクラ等)、
中木80本(ツツジ、サザンカ等)、
低木1,200株(サツキ、アベリア等)、
芝生張り工1,200m2
あなたの立場:主任技術者
記述のコツ
- 工事名は正式名称を記載
- 面積、本数、延長などの数値を必ず入れる
- 立場は「主任技術者」「現場監督」「作業主任」など
- 樹種名(ケヤキ、サクラ等)を具体的に記載すると説得力が増す
テーマ別の記述例
品質管理の記述例
技術的課題
本工事は公園内の植栽工事で、高木35本(ケヤキ15本、サクラ20本)を植栽する工事であった。施工時期が8月の猛暑期にあたり、気温が連日35度を超えることが予想された。高温と乾燥による植栽後の樹木の枯損が懸念され、植栽した全ての高木を活着させることが品質管理上の課題であった。
検討内容
- 植栽時間帯の工夫:日中の高温を避け、朝夕の涼しい時間帯に作業を行う
- 養生方法:遮光ネット(寒冷紗)の設置と定期的な散水
- 土壌改良:植穴に客土と堆肥を混合し、保水性を高める
実施した対策と結果
植栽作業は気温が低い午前7時から10時に集中して行った。植栽後は遮光率50%の寒冷紗を樹冠部に設置し、根元にはバーク堆肥を厚さ3cmで敷き均した。散水は朝夕の2回、1本あたり50Lを実施した。
植穴は根鉢の直径の1.5倍で掘削し、黒土と完熟堆肥を8:2の割合で混合した客土を使用した。植付け後は水極めを十分に行い、根鉢と周囲の土壌を密着させた。高木には二脚鳥居型支柱を設置し、風による倒伏を防止した。
その結果、植栽後2ヶ月時点で全35本の活着を確認し、**活着率100%**を達成した。
工程管理の記述例
技術的課題
本工事は、住宅地に隣接する公園の植栽整備工事で、工期は5月から9月の5ヶ月間であった。6月~7月の梅雨時期に降雨が続くと、芝生張り工(1,200m2)の進捗に遅れが生じる恐れがあった。芝生工の遅れは後工程の園路整備に影響するため、梅雨による工程遅延を防ぎ、工期内に完成させることが課題であった。
検討内容
- 芝生工の前倒し:梅雨前に着手できるよう、先行工事の工程を調整
- 天候を考慮した作業計画:降雨日の代替作業を事前に設定
- 作業効率の向上:2班体制による施工速度の向上
実施した対策と結果
植栽工を先行して5月中に完了させ、芝生張り工を6月初旬から着手できるよう工程を調整した。芝張りの工法はべた張りを採用し、張芝後はローラーで転圧して目土(川砂)を厚さ5mmで散布した。
作業員を2班に分け、1日あたりの芝生張り面積を60m2から100m2に向上させた。降雨日には、既設園路の清掃や資材の搬入・整理など、屋外でも可能な軽作業に切り替えた。
毎朝の朝礼で天気予報を確認し、3日先までの作業計画を共有した。バーチャート工程表で進捗を管理し、遅れが出た場合は翌週の作業量を調整した。
その結果、梅雨の影響を最小限に抑え、工期内(9月末)に全工事を完了させることができた。
安全管理の記述例
技術的課題
本工事は、小学校に隣接する公園の植栽工事であり、工事期間中も児童が公園周辺を通行していた。高木の植栽にはバックホウ(0.25m3)を使用するため、工事車両・重機と児童の接触事故を防止することが安全管理上の課題であった。
検討内容
- 作業エリアの明確な区画:仮囲い等による工事区域の明示
- 作業時間帯の配慮:児童の通学時間帯を避けた作業計画
- 誘導員の配置:通行者の安全誘導
実施した対策と結果
工事区域の外周にカラーコーン(高さ70cm)とバリケードテープを設置し、「工事中・通行注意」の看板を四方に掲示した。バックホウの作業は、児童の登下校時間帯(7:30~8:30、14:30~16:00)を避けて実施した。
工事車両の出入口には誘導員1名を常時配置し、歩行者の安全確認を行った。また、学校との事前調整により、工事期間中の通学路の変更を案内する文書を保護者に配布した。
毎朝のKY(危険予知)活動で重機周辺の危険箇所を確認し、週1回の安全パトロールで改善点を翌日の作業に反映した。
その結果、工期中の第三者災害はゼロ件で安全に工事を完了できた。
経験記述の準備手順
ステップ1:題材を選ぶ(2ヶ月前)
自分が携わった造園工事の中から、3テーマ(品質・工程・安全)すべてについて書ける工事を選びます。工事の概要(面積、植栽本数、芝張り面積など)の数値を確認しておきましょう。
ステップ2:下書きを作成する(2ヶ月前~1ヶ月前)
テンプレートに沿って下書きを作成します。最初は完璧でなくてOKです。まずは課題→検討→対策→結果の流れを書き出しましょう。
ステップ3:推敲する(1ヶ月前~2週間前)
チェックポイント:
- 数値は入っているか(面積、本数、工期など)
- 課題→検討→対策→結果の流れは一貫しているか
- 造園の専門用語を正しく使えているか(客土、水極め、寒冷紗、べた張りなど)
- 自分の立場にふさわしい内容か
ステップ4:暗記して手書き練習(2週間前~)
本番は手書きです。制限時間内に読みやすい字で書ける練習を繰り返します。キーワードだけを見て全文を再現できるようになるまで練習しましょう。
よくある失敗と対策
| 失敗例 | 対策 |
|---|---|
| 数値が少ない | 面積、本数、%、日数を意識的に入れる |
| 課題と対策がズレている | 課題→対策の流れを一本の筋にする |
| 一般論になっている | 「その工事固有の状況」を具体的に書く |
| 字が読めない | 手書き練習を最低10回は行う |
| テーマを1つしか準備しない | 品質・工程・安全の3テーマ分を必ず準備 |
| 造園用語を間違えている | 正しい用語を確認(「客土」「水極め」等) |
| 1級レベルの工事を無理に書く | 2級は中小規模の造園工事でOK |
まとめ
2級造園施工管理技士の経験記述は、テンプレートに沿って事前に準備すれば、合格点を確実に取れるパートです。
合格のための3つのポイント
- 3テーマ分の記述案を事前に完成させる - 品質・工程・安全のどれが出ても対応
- 具体的な数値を入れる - 面積、本数、日数、%など。造園用語を正しく使用
- 手書きで何度も練習する - 読みやすく、時間内に書けるように
1級と違い、2級は中小規模の造園工事(公園の植栽、マンションの外構、芝張り工事)で十分です。自分の経験を具体的に書くことが最も大切です。
早めの準備が合格への近道です。2ヶ月前から取りかかりましょう。
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監修・執筆
sekocan 編集部
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