目次
令和8年度の1級電気工事施工管理技士 第二次検定を受験される方へ。
「記述式問題の書き方がわからない」「経験記述は何を準備すればいいの?」という悩みをお持ちではありませんか。
1級電気工事施工管理技士の第二次検定は、記述式が中心の試験です。令和6年度から経験記述の出題形式が変更され、与えられた施工条件に基づいて記述する形式になりました。
この記事では、第二次検定の出題範囲、各問題の対策方法、効率的な学習計画を詳しく解説します。
この記事でわかること
- 第二次検定の試験概要と合格基準
- 問題構成と出題傾向
- 経験記述(問題1・2)の対策
- 施工管理(問題3~6)の対策
- 効率的な学習計画の立て方
第二次検定の試験概要
試験の基本情報
1級電気工事施工管理技士の第二次検定は、以下の要領で実施されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験日 | 10月(年1回) |
| 試験時間 | 3時間 |
| 問題数 | 6問 |
| 出題形式 | 記述式 |
| 合格基準 | 60%以上 |
受験資格
第二次検定を受験するには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
1. 第一次検定合格後
- 第一次検定合格後、所定の実務経験を経て受験
2. 旧制度の学科試験合格者
- 旧制度の学科試験合格者は、実務経験を満たせば受験可能
実務経験年数の目安
| 学歴 | 実務経験年数 |
|---|---|
| 大学卒(指定学科) | 3年以上 |
| 短大・高専卒(指定学科) | 5年以上 |
| 高校卒(指定学科) | 10年以上 |
| その他 | 15年以上 |
合格率の推移
近年の第二次検定合格率は以下の通りです。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和5年度 | 約9,000人 | 約4,900人 | 約54% |
| 令和4年度 | 約7,500人 | 約4,400人 | 約58% |
| 令和3年度 | 約6,800人 | 約4,600人 | 約68% |
ポイント:第二次検定の合格率は50%~70%程度で推移しています。記述式の対策をしっかり行えば、合格は十分に可能です。
問題構成と出題傾向
問題構成
第二次検定は、以下の6問で構成されています。
| 問題 | 内容 | 配点目安 |
|---|---|---|
| 問題1 | 経験記述(工程管理) | 20点 |
| 問題2 | 経験記述(品質管理または安全管理) | 20点 |
| 問題3 | 施工管理(用語説明) | 15点 |
| 問題4 | 施工管理(ネットワーク工程表) | 15点 |
| 問題5 | 法規(労働安全衛生法等) | 15点 |
| 問題6 | 電気設備(高圧受電設備等) | 15点 |
令和6年度からの変更点
令和6年度から、経験記述(問題1・2)の出題形式が大きく変わりました。
従来の形式
- 自身が経験した電気工事について自由に記述
- 工事概要を自分で作成
新しい形式
- 与えられた施工条件に基づいて記述
- 工事概要は問題文で提示
- 指定された観点から課題と対策を記述
令和8年度も新形式が継続される見込みです。施工条件を読み取り、適切な課題と対策を記述できるよう準備が必要です。
経験記述(問題1・2)の対策
問題1:工程管理
問題1では、工程管理に関する経験記述が出題されます。
出題形式(想定)
次の施工条件において、工程管理上予測される問題点とその理由を述べ、あなたが講じる対策を記述せよ。
施工条件の例
記述のポイント
-
問題点を明確に
- 施工条件から導かれる具体的な問題点
- 工程遅延のリスクを具体的に記述
-
理由を論理的に
- なぜその問題が発生するのか
- 因果関係を明確に説明
-
対策を具体的に
- 計画段階の対策
- 施工段階の対策
- 複数の対策を挙げる(3つ以上が目安)
頻出テーマ
- 関連工事との工程調整
- 施設運用中の工事(夜間・休日作業)
- 資材搬入・揚重の制約
- 電力会社との調整
問題2:品質管理または安全管理
問題2では、品質管理または安全管理に関する経験記述が出題されます。
出題形式(想定)
次の施工条件において、品質管理(または安全管理)上の留意事項とその理由を述べ、あなたが講じる対策を記述せよ。
品質管理のテーマ例
- 高圧受電設備の絶縁管理
- 接地工事の品質確保
- ケーブル敷設の品質管理
- 機器据付の精度管理
安全管理のテーマ例
- 感電災害の防止
- 墜落災害の防止
- 活線近接作業の安全対策
- 重量物取扱いの安全対策
記述のポイント
-
留意事項を具体的に
- 施工条件に対応した品質上・安全上の課題
- 電気工事特有の内容を盛り込む
-
具体的な数値を含める
-
対策を体系的に
- 作業前・作業中・作業後の対策
- 管理体制、保護具、検査方法
経験記述の準備方法
新形式に対応するため、以下の準備をしておきましょう。
1. 「部品」の準備
- 工程管理、品質管理、安全管理の各テーマについて
- 想定される施工条件ごとに対策をストック
- 具体的な数値、専門用語を整理
2. 記述パターンの練習
- 「問題点→理由→対策」の流れを身につける
- 制限時間内に書ける文字数を把握
- 字数配分の目安を決めておく
3. 施工条件の読み取り練習
- 過去問の施工条件を分析
- 条件から課題を導き出す訓練
- 複数パターンの解答を準備
施工管理(問題3~6)の対策
問題3:用語説明
問題3では、施工管理に関する用語の説明が出題されます。
出題形式
次の用語について、それぞれ簡潔に説明せよ。 (例)絶縁監視装置、力率改善、接地抵抗低減剤
頻出用語
| 分野 | 用語例 |
|---|---|
| 高圧受電 | 絶縁監視装置、進相コンデンサ、保護協調 |
| 配電 | 力率改善、電圧降下、需要率 |
| 接地 | 接地抵抗低減剤、共用接地、等電位ボンディング |
| 施工管理 | 施工体制台帳、出来形管理、品質管理図 |
| 安全管理 | KY活動、リスクアセスメント、安全施工サイクル |
解答のポイント
- 簡潔に(2~3行程度)
- 専門用語を正しく使う
- 目的・機能・特徴を含める
問題4:ネットワーク工程表
問題4では、ネットワーク工程表に関する問題が出題されます。
出題形式
ネットワーク工程表について、以下の問いに答えよ。 (1) クリティカルパスを求めよ (2) 全工期を求めよ (3) 作業Xの余裕日数を求めよ
計算の手順
-
最早開始時刻(EST)の計算
- 開始点から順に計算
- EST = 先行作業のEFTの最大値
- EFT = EST + 所要日数
-
最遅完了時刻(LFT)の計算
- 終了点から逆に計算
- LFT = 後続作業のLSTの最小値
- LST = LFT - 所要日数
-
トータルフロート(TF)の計算
- TF = LFT - EFT = LST - EST
-
クリティカルパスの特定
- TF = 0 の作業を結んだ経路
対策のポイント
- 計算手順を確実に覚える
- ダミー矢線の扱いに注意
- 過去問を繰り返し解いて計算に慣れる
問題5:法規
問題5では、労働安全衛生法等に関する問題が出題されます。
出題形式
次の文章の( )に当てはまる語句または数値を記入せよ。
頻出テーマ
対策のポイント
- 数字(人数、高さ、期間)を正確に覚える
- 労働安全衛生法の条文を確認
- 過去問の空欄箇所を重点的に暗記
問題6:電気設備
問題6では、高圧受電設備等に関する問題が出題されます。
出題形式
高圧受電設備の単線結線図について、以下の問いに答えよ。 (1) 機器Aの名称と機能を記述せよ (2) 〇〇を行う理由を記述せよ
頻出内容
| テーマ | 出題例 |
|---|---|
| 機器の名称・機能 | VCB、DS、PF、CT、VT、LA |
| 保護継電器 | OCR、DGR、GR、UVR |
| 単線結線図 | 図記号の読み取り、機器の役割 |
| 保護協調 | 保護装置の動作順序 |
対策のポイント
- 単線結線図の図記号を確実に覚える
- 機器の名称と機能をセットで覚える
- 保護継電器の種類と動作原理を理解
効率的な学習計画
学習期間の目安
第二次検定の学習期間は、2ヶ月~4ヶ月が目安です。
| 学習者のタイプ | 目安期間 | 1日の学習時間 |
|---|---|---|
| 実務経験豊富 | 2ヶ月 | 1~2時間 |
| 実務経験あり | 3ヶ月 | 1~2時間 |
| 記述が苦手 | 3~4ヶ月 | 2時間以上 |
学習の優先順位
効率的に学習するための優先順位は以下の通りです。
1. 最優先(配点が高い)
- 経験記述(問題1・2):合計40点相当
- 新形式の対策を重点的に
2. 高優先(得点源になる)
- ネットワーク工程表(問題4)
- 高圧受電設備(問題6)
3. 中優先
- 用語説明(問題3)
- 法規(問題5)
学習スケジュール例(3ヶ月の場合)
1ヶ月目:基礎固め
- 経験記述の「部品」収集
- 高圧受電設備の図記号・機器の整理
- ネットワーク工程表の計算練習
2ヶ月目:記述練習
- 経験記述を実際に書く練習
- 用語説明の解答パターンを作成
- 法規の暗記項目を整理
3ヶ月目:総仕上げ
- 模擬問題で本番形式の練習
- 時間配分の確認
- 弱点分野の補強
記述式問題の解答のコツ
基本的な書き方
記述式問題で高得点を取るための基本的な書き方を紹介します。
1. 結論を先に書く
- 質問に対する答えを最初に
- その後で理由や詳細を説明
2. 箇条書きを活用
- 複数の対策を列挙する場合
- 読みやすく、採点しやすい
3. 具体的な数値を入れる
- 「適切な」「十分な」は避ける
- 「10Ω以下」「0.5秒以内」など具体的に
4. 専門用語を正しく使う
- 電気工事特有の用語
- 法令・規格で定められた用語
時間配分
3時間の試験時間を有効に使うための時間配分例を紹介します。
| 問題 | 目安時間 | 内容 |
|---|---|---|
| 問題1 | 40分 | 経験記述(工程管理) |
| 問題2 | 40分 | 経験記述(品質管理等) |
| 問題3 | 20分 | 用語説明 |
| 問題4 | 25分 | ネットワーク工程表 |
| 問題5 | 20分 | 法規 |
| 問題6 | 25分 | 電気設備 |
| 見直し | 10分 | 全体の確認 |
ポイント
- 経験記述に十分な時間を確保
- 分からない問題に時間をかけすぎない
- 最後に誤字脱字をチェック
よくある失敗と対策
失敗1:施工条件を読み落とす
- 対策:施工条件に線を引きながら読む
失敗2:抽象的な記述になる
- 対策:具体的な数値、方法を必ず入れる
失敗3:字数が足りない
- 対策:事前に「部品」を準備しておく
失敗4:時間切れ
- 対策:時間配分を決めて本番練習する
試験当日のポイント
持ち物チェック
第二次検定の当日は、以下のものを忘れずに持参しましょう。
必須
- 受験票
- 筆記用具(シャープペンシル、消しゴム、ボールペン)
- 時計
あると便利
- 予備の筆記用具
- 定規(ネットワーク工程表用)
- 要点整理ノート
試験中の注意点
1. 問題文をよく読む
- 施工条件を見落とさない
- 問われていることに正確に答える
2. 解答用紙の使い方
- 字は丁寧に書く
- 解答欄からはみ出さない
- 訂正は二重線で
3. 時間管理
- 時計を確認しながら解く
- 難しい問題は後回し
- 空欄を作らない
あわせて読みたい
まとめ
令和8年度の1級電気工事施工管理技士 第二次検定に向けて、対策のポイントをまとめます。
試験の特徴
- 記述式が中心(3時間で6問)
- 経験記述は新形式(施工条件提示型)が継続
- 合格基準は60%以上
対策の優先順位
- 経験記述(問題1・2)を最優先で準備
- ネットワーク工程表の計算を確実に
- 高圧受電設備の図記号・機器を完璧に
記述のポイント
- 施工条件を正確に読み取る
- 具体的な数値・専門用語を使う
- 複数の対策を体系的に記述
第二次検定に合格すると、晴れて「1級電気工事施工管理技士」の資格を取得できます。しっかりと準備をして、令和8年度の合格を勝ち取りましょう。
一緒に頑張りましょう。
関連する資格ページ
監修・執筆
sekocan 編集部
施工管理技士の資格取得支援に特化した学習プラットフォーム。現役の施工管理技士や建設業界の専門家が監修した正確で実践的な情報を提供しています。