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令和8年度の2級管工事施工管理技士 第二次検定で、品質管理テーマの経験記述に自信がない方へ。
「品質管理って配管工事だと具体的に何を書けばいいの?」「管工事特有の例文を見て書き方のコツを掴みたい」という声をよく聞きます。
管工事における品質管理の経験記述では、配管の接続品質、機器の据付精度、気密・水圧試験、保温・保冷工事の品質について、具体的な数値を交えて記述することが求められます。
この記事では、令和8年度の新形式に対応した品質管理の例文を複数パターン紹介し、高得点を狙うための書き方のコツを解説します。
この記事でわかること
- 品質管理テーマで求められる記述内容
- 工種別の経験記述例文(配管、ダクト、機器据付など)
- 新形式での解答作成の手順
- よくある減点ポイントと対策
品質管理の経験記述で求められること
管工事における品質管理とは
管工事における品質管理とは、設計図書で求められた性能を確保するために、材料・施工方法・検査方法などを管理することです。
管工事特有の品質管理項目として、以下の内容が挙げられます。
| 項目 | 具体例 |
|---|---|
| 配管品質 | 勾配、支持間隔、接続部の気密性、溶接品質 |
| ダクト品質 | 継目の気密性、支持間隔、吊り金物の強度 |
| 機器据付 | 水平・垂直精度、防振、アンカー強度 |
| 試験・検査 | 水圧試験、気密試験、通水試験、風量測定 |
| 保温・保冷 | 厚さ、継目処理、外装仕上げ |
第二次検定での出題パターン
令和8年度の第二次検定では、提示された工事概要に対して品質管理上の課題と対策を記述します。
具体的には以下のような流れで出題されます。
- 工事概要(建物用途、設備概要、工期など)が提示される
- 品質管理上の課題を特定する
- 課題に対する具体的な対策を記述する
- 対策の結果を記述する
品質管理の例文集【工種別】
例文1:給水配管工事(HIVP管の接続)
想定される工事概要:RC造5階建て共同住宅、給水・給湯配管工事、延床面積2,500平方メートル
課題の背景
給水配管にHIVP管(耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管)を使用する工事において、接着接合部からの漏水を防止することが品質管理上の重要課題であった。接着不良による漏水は、竣工後のクレームや建物の損傷につながるため、確実な接合品質の確保が必要であった。
検討内容
HIVP管の接着接合品質確保について、以下の3点を検討した。
- 接着剤の種類と塗布方法
- 挿入後の保持時間
- 接合部の検査方法
実施した対策
HIVP管専用の接着剤を使用し、管端とソケット内面の両方に均一に塗布した。挿入後は管径65A以下で30秒以上、管径75A以上で60秒以上の保持時間を確保した。気温が5度以下の場合は接着剤の乾燥時間を通常の2倍に設定した。接合後24時間以上経過してから、0.75MPaの水圧試験を実施し、漏水がないことを確認した。
得られた結果
全ての接合箇所で水圧試験に合格し、竣工後1年間の点検においても漏水の発生はなかった。接着接合の品質管理を徹底したことで、確実な給水配管システムを構築することができた。
例文2:排水配管工事(勾配管理)
想定される工事概要:S造3階建て事務所ビル、排水配管工事、汚水・雑排水系統
課題の背景
排水横走り管の施工において、適切な勾配が確保されないと排水の滞留や逆流が発生する。特に天井内配管では、スペースの制約から勾配の確保が困難になりやすく、設計勾配の確実な施工が品質管理上の重要課題であった。
検討内容
排水管の勾配管理について、以下の点を検討した。
- 勾配の測定方法と許容範囲
- 支持金物の設置間隔と高さ調整方法
- 施工後の検査方法
実施した対策
管径100A以下の排水横主管の勾配を1/100以上、管径125A以上は1/150以上として施工した。レーザーレベルを使用して配管経路の墨出しを行い、吊り金物の位置と高さを事前に決定した。配管支持間隔は横走り管で1.5m以内とし、レベル調整が可能なターンバックル付き吊り金物を使用した。施工後は水準器と勾配計で全区間の勾配を測定し、設計値との差が±5mm/m以内であることを確認した。
得られた結果
全ての排水横走り管で設計勾配を確保し、通水試験において排水の滞留がないことを確認した。勾配管理の徹底により、円滑な排水性能を実現することができた。
例文3:冷媒配管工事(気密試験)
想定される工事概要:RC造4階建て事務所ビル、パッケージエアコン設置工事、冷媒配管延長総長800m
課題の背景
ビル用マルチエアコンの冷媒配管工事において、配管接続部からの冷媒漏れは空調能力の低下と環境負荷につながる。特にフレア加工部やろう付け部は漏れが発生しやすいため、確実な気密性能の確保が品質管理上の重要課題であった。
検討内容
冷媒配管の気密確保について、以下の点を検討した。
- フレア加工の品質管理方法
- ろう付け作業の管理方法
- 気密試験の実施方法と判定基準
実施した対策
フレア加工は専用のフレアツールを使用し、加工後は目視とフレアゲージで規定寸法(45度±1度、外径±0.2mm)を確認した。ろう付けは窒素ブローを行いながら実施し、銀ろうを使用した。気密試験は窒素ガスにより設計圧力の1.5倍(4.15MPa)で24時間保持し、圧力低下がないことを確認した。試験後は発泡液による漏れ検査を全接続部で実施した。
得られた結果
気密試験の結果、全系統で圧力低下がゼロであり、完全な気密性能を確保することができた。冷媒充填後の試運転においても冷媒漏れの兆候はなく、設計通りの空調能力を発揮することができた。
例文4:ダクト工事(気密性能)
想定される工事概要:S造2階建て工場、換気ダクト工事、ダクト延長総長500m
課題の背景
大規模な換気ダクト工事において、ダクトの継目やフランジ接続部からの空気漏れは、換気能力の低下とエネルギーロスにつながる。特に長距離のダクト経路では、漏れが累積して大きな影響を与えるため、気密性能の確保が品質管理上の重要課題であった。
検討内容
ダクトの気密確保について、以下の点を検討した。
- ダクトの製作精度と継目処理
- フランジ接続部のパッキン材選定
- 気密試験の方法と判定基準
実施した対策
ダクトはピッツバーグはぜ加工とし、継目にはダクト用シール材を塗布した。フランジ接続部には厚さ3mmの発泡ゴムパッキンを使用し、ボルト締め付けトルクを均一にして密着性を確保した。施工後は風量測定を実施し、各吹出口での測定風量が設計風量の±10%以内であることを確認した。また、代表区間を選定して気密試験を行い、漏れ量がダクト表面積あたり0.03m3/(m2・分)以下であることを確認した。
得られた結果
気密試験の結果、漏れ量は基準値の0.03m3/(m2・分)に対して0.015m3/(m2・分)以下であり、高い気密性能を確保することができた。換気システムとして設計通りの風量と換気回数を達成した。
例文5:ポンプ据付工事(防振対策)
想定される工事概要:RC造6階建て病院、空調用冷温水ポンプ設置工事、ポンプ4台
課題の背景
病院の機械室に設置する冷温水循環ポンプにおいて、振動・騒音が病室や診察室に伝わると、患者の療養環境や診療業務に支障をきたす。ポンプの防振対策と据付精度の確保が品質管理上の重要課題であった。
検討内容
ポンプの防振・据付品質確保について、以下の点を検討した。
- 防振基礎の構造と材質
- ポンプ据付の水平精度
- 配管接続部の防振処理
実施した対策
ポンプ基礎にはコンクリート基礎(ポンプ重量の3倍以上)を設け、その上に防振ゴム(固有振動数3Hz以下)を設置した。ポンプの水平精度は精密水準器で確認し、1/1000以内に調整した。ポンプ吸込み・吐出し側には防振継手(フレキシブルジョイント)を設置し、配管振動の伝播を防止した。据付後は振動計で測定を行い、ポンプ近傍での振動速度が0.28cm/s以下であることを確認した。
得られた結果
振動測定の結果、機械室での振動速度は0.15cm/s以下であり、基準値を大幅に下回った。隣接する病室での振動・騒音も許容値以内であり、患者の療養環境に影響を与えることなく空調システムを運用することができた。
例文6:保温工事(結露防止)
想定される工事概要:RC造3階建て食品工場、冷水配管保温工事、保温延長300m
課題の背景
食品工場の冷水配管(7度)において、保温工事の品質不良による結露が発生すると、天井内でのカビ発生や建材の腐食、さらには食品衛生上の問題につながる。確実な保温施工による結露防止が品質管理上の重要課題であった。
検討内容
冷水配管の結露防止について、以下の点を検討した。
- 保温材の種類と厚さの選定
- 継目処理と防湿層の施工方法
- バルブ・フランジ部の保温処理
実施した対策
冷水配管の保温材はポリスチレンフォーム保温筒(厚さ40mm、熱伝導率0.028W/m・K)を使用した。継目には専用テープを貼り、その上からアルミガラスクロス製の防湿層を連続して巻き付けた。バルブ・フランジ部は着脱式保温カバーを製作し、隙間なく被覆した。支持金物との接触部にはスペーサーを設けてヒートブリッジを防止した。施工後はサーモグラフィーカメラで表面温度を測定し、周囲温度との差が露点温度に達しないことを確認した。
得られた結果
全ての冷水配管で結露の発生がなく、稼働後1年間の点検においても保温材の劣化や結露によるトラブルは発生しなかった。食品衛生上の問題もなく、安全な生産環境を維持することができた。
品質管理の記述で高得点を取るコツ
1. 管工事特有の数値を入れる
品質管理では、管工事特有の数値による裏付けが重要です。
| 項目 | 悪い例 | 良い例 |
|---|---|---|
| 勾配 | 適切な勾配を確保 | 1/100以上の勾配を確保 |
| 水圧試験 | 水圧試験を実施 | 0.75MPaの水圧試験を実施 |
| 保温厚さ | 十分な厚さで保温 | 厚さ40mmの保温材を使用 |
| 振動 | 振動を抑制 | 振動速度0.28cm/s以下を確保 |
2. 管工事の専門用語を正しく使用する
管工事でよく使う専門用語を正確に使いましょう。
- フレア加工:銅管の端部を広げて接続する加工
- ろう付け:ろう材を溶かして金属を接合する方法
- 気密試験:配管やダクトの密閉性を確認する試験
- 防振継手:振動の伝播を防ぐための継手
- ヒートブリッジ:熱が伝わりやすい部分(熱橋)
3. 因果関係を明確にする
「課題→対策→結果」の流れを明確に記述します。
テンプレート:
〇〇という工事において、△△が懸念された。そのため、□□という対策を実施した。その結果、◇◇を達成することができた。
4. 試験・検査方法を具体的に記述する
品質管理では「どのように確認したか」も重要です。
- 0.75MPaの水圧試験で漏水がないことを確認した
- サーモグラフィーカメラで表面温度を測定した
- 振動計で振動速度0.28cm/s以下を確認した
よくある減点ポイントと対策
減点1:テーマから逸脱している
NG例:品質管理なのに「作業員のヘルメット着用を徹底した」
対策:品質管理は「材料品質」「施工精度」「試験・検査」に関する内容のみを記述する
減点2:管工事と無関係な内容
NG例:管工事の工事概要なのにコンクリート工事の施工方法を記述
対策:配管、ダクト、機器据付など管工事特有の内容を記述する
減点3:数値が曖昧または不正確
NG例:「適切な圧力で試験した」
対策:必ず具体的な数値(〇MPa、〇mm、〇度)を記述する
減点4:専門用語の誤用
NG例:「配管をくっつけた」(正しくは「接合した」「接続した」)
対策:普段から専門用語を正しく使う習慣をつける
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まとめ
令和8年度の2級管工事施工管理技士 第二次検定では、管工事特有の品質管理について具体的に記述することが求められます。
品質管理テーマで高得点を取るためのポイントをまとめます。
記述のポイント
- 配管、ダクト、機器据付など管工事特有の課題を特定する
- 材料品質・施工精度・試験検査の視点で記述する
- 具体的な数値(圧力、勾配、厚さ、温度)を必ず入れる
- 専門用語(フレア加工、ろう付け、気密試験等)を正しく使う
- 試験・検査方法と結果を具体的に記述する
この記事で紹介した例文を参考に、自分なりのパターンを複数用意しておきましょう。
令和8年度の合格を目指して、一緒に頑張りましょう。
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監修・執筆
sekocan 編集部
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