目次
令和8年度の1級電気通信工事施工管理技士 第二次検定を目指す方へ。
「第二次検定は記述式だから、どう対策すればいいかわからない...」「経験記述で何を書けばいいのか不安...」という悩みを抱えていませんか?
1級電気通信工事施工管理技士の第二次検定は、記述式の問題で構成されており、第一次検定(マークシート)とは異なる対策が必要です。特に経験記述は配点が高く、合否を左右する最重要項目といえます。
この記事では、令和8年度の第二次検定に向けて、出題形式から具体的な対策法まで徹底的に解説します。
この記事でわかること
- 令和8年度 第二次検定の試験概要と日程
- 出題形式と設問構成
- 経験記述の攻略法
- 記述問題の出題傾向と対策
- 合格答案の書き方のコツ
令和8年度 第二次検定の試験概要
試験日程
令和8年度の1級電気通信工事施工管理技士 第二次検定の日程は以下の通りです。
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 第二次検定 | 令和8年12月6日(日) |
| 合格発表 | 令和9年3月3日(水) |
第一次検定(9月6日)の合格者は、同年度の第二次検定(12月6日)を受検できます。約3ヶ月の準備期間があるため、第一次検定終了後から計画的に対策を始めましょう。
受検資格
第二次検定を受検するには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
パターン1:第一次検定合格後
- 1級電気通信工事施工管理技士 第一次検定に合格した者
- 所定の実務経験を有する者
パターン2:技士補経由
- 1級電気通信工事施工管理技士補の資格を取得した者
- 所定の実務経験を有する者
令和6年度から令和10年度までは経過措置期間として、新受検資格と旧受検資格のどちらでも受検可能です。
試験時間と出題形式
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 2時間45分(165分) |
| 出題形式 | 記述式 |
| 出題数 | 6問(全問必須解答) |
| 合格基準 | 正答率60%以上 |
第二次検定は全問記述式であり、マークシートのような消去法は使えません。正確な知識と文章表現力が求められます。
第二次検定の出題構成
設問構成と配点
第二次検定は、例年以下の6問で構成されています。
| 問題番号 | 出題内容 | 配点目安 |
|---|---|---|
| 問題1 | 経験記述(施工管理) | 約30点 |
| 問題2 | 施工管理法(工程・品質・安全) | 約15点 |
| 問題3 | 電気通信工学(有線) | 約15点 |
| 問題4 | 電気通信工学(無線) | 約15点 |
| 問題5 | 法規 | 約15点 |
| 問題6 | 施工管理(総合) | 約10点 |
経験記述(問題1)の配点が最も高いため、ここで確実に得点することが合格への近道です。
令和6年度の試験変更点
令和6年度から、経験記述の出題形式に一部変更がありました。具体的には、記述項目の表記方法が変更されましたが、本質的な内容(工程管理・品質管理・安全管理のテーマで経験を記述する)は変わっていません。
令和8年度も同様の形式で出題される可能性が高いため、過去問を中心に対策することが有効です。
経験記述(問題1)の完全攻略
経験記述とは
経験記述は、受験者自身が実際に従事した電気通信工事について、施工管理上の課題と対策を記述する問題です。
出題テーマは以下の3つがローテーションで出題されます。
- 工程管理:工期短縮、遅延防止、効率化
- 品質管理:通信品質確保、検査、試験
- 安全管理:事故防止、安全対策、教育
令和8年度にどのテーマが出題されるかは予測できないため、3テーマすべてを準備しておく必要があります。
経験記述の記述項目
経験記述では、以下の内容を記述します。
1. 工事概要
| 記述項目 | 記述例 |
|---|---|
| 工事名 | ○○市5G基地局設置工事 |
| 工事場所 | ○○県○○市○○町○丁目 |
| 工期 | 令和7年4月1日〜令和7年9月30日 |
| 請負金額 | 1億2,000万円 |
| 工事概要 | 5G基地局30局の新設工事(アンテナ設置、光ファイバ引込、無線機器設置) |
| あなたの立場 | 現場代理人 |
2. 課題と検討内容
出題テーマ(工程管理・品質管理・安全管理)に沿った課題を記述します。
記述のポイント:
- なぜその課題が発生したのかを明確にする
- 工事の特性(5G、データセンター等)に関連付ける
- 具体的な数値を盛り込む
3. 実施した対策
課題に対して実際に行った対策を記述します。
記述のポイント:
- 複数の対策を箇条書きで整理する
- 各対策の目的と効果を明確にする
- 専門用語を適切に使用する
4. 得られた成果
対策を実施した結果どうなったかを記述します。
記述のポイント:
- 数値で成果を表現する(工期○日短縮、不良率○%減少など)
- テーマとの一貫性を保つ
経験記述の例文(工程管理)
工事概要:
- 工事名:A社データセンター構内通信設備工事
- 工事場所:○○県○○市
- 工期:令和7年6月1日〜令和7年11月30日(6ヶ月間)
- 請負金額:9,500万円
- 工事概要:データセンター新築に伴う構内LAN配線工事(Cat6Aケーブル12,000m)、光ファイバ配線工事(SMF 2,500m)、サーバーラック設置工事(200ラック)
- あなたの立場:主任技術者
課題と検討内容:
本工事は、延床面積4,000m2のデータセンターにおける構内通信設備工事であった。建築工事との並行施工であり、各フロアの引渡し時期に合わせて順次施工を進める計画であった。
しかし、建築工事の進捗遅延により、2階フロアの引渡しが当初予定より3週間遅れることが判明した。全体工期は変更されないため、3週間分の工程短縮が必要となった。
そこで、限られた期間内で品質を維持しながら工程を短縮する方策を検討した。
実施した対策:
事前準備作業の前倒し:2階フロア引渡し前に、1階の共用部でケーブルの端末処理と試験を先行実施した。これにより、2階フロア引渡し後は敷設作業に集中できる体制とした。
作業班の増員:当初2班体制であったLAN配線班を3班体制に増員し、1日あたりの施工量を1.5倍に向上させた。
夜間作業の実施:サーバーラック設置作業を夜間(20時〜翌6時)に実施し、日中のLAN配線作業との干渉を回避した。
週次工程会議の開催:建築工事担当者を含めた週次工程会議を開催し、引渡し時期の変更情報を早期に共有する体制を構築した。
得られた成果:
これらの対策により、2階フロアの施工期間を当初計画の4週間から2週間に短縮することができた。結果として、建築工事の遅延を吸収し、全体工期内に余裕を持って竣工することができた。また、品質面でも全1,500回線の認証試験に合格し、手戻りなく完了した。
経験記述で減点されるポイント
以下の点に注意し、減点を避けましょう。
| 減点ポイント | 対策 |
|---|---|
| テーマとの不整合 | 出題テーマを確認し、関係のない内容を書かない |
| 抽象的な表現 | 具体的な数値・期間・手法を盛り込む |
| 専門用語の誤用 | 正確な用語を使用する |
| 工事概要との矛盾 | 記述内容の整合性を確認する |
| 誤字・脱字 | 見直しを徹底する |
記述問題(問題2〜6)の対策
問題2:施工管理法
施工管理法では、工程管理・品質管理・安全管理・原価管理に関する記述問題が出題されます。
頻出テーマ:
対策のポイント:
- 図表を用いた問題では、正確な計算力が必要
- 安全管理は法令に基づく数値を暗記
- 記述は簡潔かつ論理的に
問題3:電気通信工学(有線)
有線電気通信に関する技術的な記述問題が出題されます。
頻出テーマ:
- 光ファイバ通信(伝送損失、融着接続、OTDR測定)
- LAN配線(Cat6A、PoE、VLAN)
- 伝送技術(TDM、WDM、PON)
- データセンター(ラック、UPS、空調)
例題:
光ファイバの融着接続において、接続損失を低減するために注意すべき事項を3つ記述しなさい。
解答例:
- ファイバ端面を清浄に保ち、塵埃の付着を防止する
- ファイバ軸のずれを最小限に抑え、コア同士を正確に接合する
- 融着条件(アーク放電時間、電流値)を適切に設定する
問題4:電気通信工学(無線)
無線通信に関する技術的な記述問題が出題されます。
頻出テーマ:
- 移動体通信(4G LTE、5G)
- アンテナ(種類、設置方法、給電方式)
- 電波伝搬(フェージング、マルチパス、回折)
- 無線LAN(Wi-Fi 6、チャネル設計)
5G関連の重要ポイント:
| 5G技術 | 記述すべき内容 |
|---|---|
| Massive MIMO | 多数のアンテナ素子による空間多重化 |
| ビームフォーミング | 電波を特定方向に集中させ、干渉を低減 |
| ミリ波 | 高周波数帯による超高速通信、伝搬損失が大きい |
| ネットワークスライシング | 用途に応じて仮想的にネットワークを分割 |
問題5:法規
建設業法、電気通信事業法、労働安全衛生法などに関する記述問題が出題されます。
頻出テーマ:
例題:
建設業法に定める主任技術者の職務を3つ記述しなさい。
解答例:
- 施工計画の作成
- 工程管理、品質管理その他の技術上の管理
- 施工に従事する者の技術上の指導監督
問題6:施工管理(総合)
施工計画、工事写真、品質記録などに関する総合的な記述問題が出題されます。
頻出テーマ:
- 施工計画書の記載項目
- 工事写真の撮影ポイント
- 完成図書の構成
- 引渡し検査の項目
合格答案の書き方のコツ
1. 設問の要求を正確に把握する
設問をよく読み、何を問われているかを正確に把握します。
- 「3つ記述しなさい」→3つ記述する(2つでは不十分、4つは不要)
- 「理由を述べなさい」→「〜のため」「〜だから」で締める
- 「具体的に記述しなさい」→数値や事例を入れる
2. 解答欄を適切に埋める
解答欄の8割以上を埋めることを目標にします。少なすぎると情報不足、多すぎると要点が不明確になります。
3. 専門用語を正確に使用する
電気通信工事特有の専門用語を正確に使用することで、専門性をアピールできます。ただし、誤用は大きな減点対象となります。
4. 論理的な構成を心がける
「結論→理由→具体例」の順序で記述すると、読みやすく説得力のある答案になります。
5. 時間配分を意識する
試験時間165分で6問に解答するため、1問あたり約27分が目安です。経験記述(問題1)には40〜50分程度を確保し、残りの時間で問題2〜6に取り組みましょう。
第二次検定の学習スケジュール
第一次検定合格後からの3ヶ月計画
| 期間 | 学習内容 |
|---|---|
| 1ヶ月目 | 経験記述の原稿作成(3テーマ分) |
| 2ヶ月目 | 記述問題の過去問演習、知識の整理 |
| 3ヶ月目 | 総仕上げ、模擬試験、経験記述の暗記 |
経験記述の準備方法
- 自分の経験を棚卸し:過去に従事した電気通信工事をリストアップ
- テーマとの関連付け:各工事で工程・品質・安全管理上の課題があったかを整理
- 原稿の作成:3テーマ分の経験記述原稿を作成
- 添削を受ける:可能であれば、講習会や通信講座で添削を受ける
- 暗記と練習:原稿を暗記し、制限時間内に書く練習を繰り返す
FAQ:第二次検定について
Q1:第一次検定に不合格でも第二次検定を受けられますか?
A:いいえ。第二次検定を受検するには、第一次検定に合格している必要があります。ただし、過年度の第一次検定合格者は、合格後一定期間内であれば第二次検定を受検できます。
Q2:経験記述で使う工事は最新のものでなければいけませんか?
A:いいえ。過去に従事した工事であれば、数年前のものでも問題ありません。ただし、工事の内容を正確に記憶しており、詳細に記述できることが条件です。
Q3:実務経験が少ない場合、経験記述はどうすればいいですか?
A:規模が小さい工事でも、課題と対策を明確に記述できれば問題ありません。「担当者として主体的に取り組んだ」「具体的な改善を実施した」という視点で記述しましょう。
Q4:第二次検定は独学で合格できますか?
A:独学での合格は可能ですが、経験記述については添削を受けることを強くおすすめします。自分では気づかない減点ポイントを指摘してもらえます。通信講座や講習会の添削サービスを活用しましょう。
Q5:不合格の場合、翌年はどうなりますか?
A:第一次検定に合格している場合、第二次検定のみを再受検できます。第一次検定の合格は一定期間有効なため、何度でも第二次検定にチャレンジできます。
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まとめ:第二次検定合格への道筋
令和8年度の1級電気通信工事施工管理技士 第二次検定は、**令和8年12月6日(日)**に実施されます。
合格のための重要ポイント:
- 経験記述は配点が高く、合否を左右する最重要項目
- 工程管理・品質管理・安全管理の3テーマすべてを準備
- 記述問題は過去問を中心に演習
- 専門用語を正確に使用し、具体的な数値を盛り込む
- 経験記述は添削を受けることで大幅に改善できる
第二次検定に合格すれば、正式に「1級電気通信工事施工管理技士」の資格を取得できます。5G・IoT時代の到来により、電気通信分野のスペシャリストとして活躍の場が大きく広がります。
令和8年度の合格を目指して、計画的に準備を進めましょう!
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監修・執筆
sekocan 編集部
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